- 江の島ねこもり食堂 (ポプラ文庫 な 15-1)
- 名取佐和子
- ポプラ社 / 2018年8月3日発売
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悪意のような困難にはさらされるけど、悪意は出てこない。人のつながりが結構密に見えるけど、時間軸方向に広がっているので、世界観が小さくも感じない。
最後まで読んで、ふっと吐息がでる、そんなカンジ。
べつにはらはらどきどき物語が進行するという訳でもないけど。
物語はきれいに閉じられて、それでも時間は進んでいくだろうと感じられて、心地よい読了感。
各章の中心となる登場人物の語られ方は、思い返してみるとあっさりとしてて、時間が中心に据えられているのかなと思う。そして、それは自分には心地よかった。
2021年9月19日
- あの山越えて 36 (36) (秋田レディースコミックスセレクション)
- 夢路行
- 秋田書店 / 2020年4月16日発売
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ついに最終巻。
とてもきれいに健やかに。
物語は生きていて、この先も登場人物たちには時間が流れていくのだろうなって強く感じる。有終完美とは正にってカンジ。
もちろん寂しくもあり。
2020年4月16日
- 小松とうさちゃん (河出文庫)
- 絲山秋子
- 河出書房新社 / 2019年12月5日発売
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同時収録の「ネクトンについて考えても意味がない」かステキすぎる。もちろん、本書のタイトルである「小松とうさちゃん」もいいのだけども。
淡々とした交流の中に、引力の強い掛け合いがふっと出てくるのに、気持ちがもっていかれるような?
終わり方もきれいで、凛とした精神のありようを見るみたいだと思った。
2020年1月10日
- 正解するマド (ハヤカワ文庫JA)
- 乙野四方字
- 早川書房 / 2017年7月6日発売
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この物語は、アニメのノベライズとして読みたい物だろうか?いや、ない。
「正解するカド・アンソロジー」なんてのがあれば、載るかもてきな?
そう思って、よくよく見れば「『スピンアウト』ノベライズ」ってある。
自分の観察力が無いというだけのことだ。
2019年1月28日
- サーカスナイト (幻冬舎文庫)
- よしもとばなな
- 幻冬舎 / 2017年8月4日発売
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ふんわりと、穏やかに読んでいられる。
すこし優しい気持ちになる。
2018年9月23日
- 営繕かるかや怪異譚 (角川文庫)
- 小野不由美
- KADOKAWA / 2018年6月15日発売
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怖いけど怖くない?
短編集だけど、各話の後味は悪くなくて、おくべきところにすっと収まるような?
それぞれの世界の双方に折り合いをつけていくような。
2018年8月25日
- 負け逃げ (新潮文庫)
- こざわたまこ
- 新潮社 / 2018年3月28日発売
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ダークすぎる。
それでも、読んでしまう、そんなカンジ
2018年5月9日
- 愛の国 (角川文庫)
- 中山可穂
- KADOKAWA/角川書店 / 2016年1月23日発売
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前提となる政治的バイアスの強すぎる世界感は安っぽく、その無用で過剰な装飾は物語本来の輝きを蝕んでいるように思えてしまいます。
楽しみ読んだのに、作風がこうだったでしょうか。自分こそが期待故に記憶を粉飾していたでしょうか。
2016年12月25日
- ほろびぬ姫 (新潮文庫 い 79-7)
- 井上荒野
- 新潮社 / 2016年5月28日発売
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結末が気になって仕方ないのに、読み進めたくないような、不安をかき立てられる、そんな雰囲気。
夫に対する親愛の「あなた」と、その一卵性双生児の弟に対する、全くの他人として呼びかけに思われる「あなた」。
一瞬、叙述的なトリックを仕掛けられるのかとの疑惑も、丁寧な描写はむしろ逆で、こんなにも「あなた」が区別されるかと思うほど。
結末は人によってかなり印象が変わると思うけど、自分的には「みさきの魅力はなんなのか?」という疑問だ。「あなた」たちを動かす原動力は何であるのか?
始終不安をかき立てられる文面を追い、いたる結末がややもすると不満だ。
2016年9月28日
- 雨のち晴れ、ところにより虹 (新潮文庫)
- 吉野万理子
- 新潮社 / 2016年7月28日発売
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地域と人物を通して疎に繋がる物語。
その人に気づいたのは、表題作の「雨のち晴れ、ところにより虹」を2・3ページも読み進んでから。
全体が優しい話で、読了感はいい。
想うことがその人を寂しくさせないって言葉はしみる。
ブルーホールで見つけられなかった。
2016年8月17日
- 憧れの女の子 (双葉文庫)
- 朝比奈あすか
- 双葉社 / 2016年3月10日発売
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推薦者(宮下奈都さん)買いしたものの、幸福な出会いだと思う。
物語はとつとつと進み、派手な事件が起きたりはしないけど、丁寧に描かれた文章なのかなと思うけど、とてもするりと気持ちに入ってくるカンジ。
物語の機微を楽しめる。
「ある男女をとりまく風景」は叙述的トリックというか、そのギミックに目を奪われるが、そうと気づいて尚、納得というか、理解というか、無理解というか、ふと思いを添わせてしまう自分に驚くのだ。
2016年3月24日
- わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫 イ 1-6)
- カズオ・イシグロ
- 早川書房 / 2008年8月25日発売
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翻訳の問題かもしれないけど、全般読みにくい。すんなりと言葉が入ってこないカンジ。そもそも物語に親切さがないことに起因しているのかもしれないので、翻訳の問題でもないかもしれない。
物語も後半に入ると、その主題がもつ吸引力にからめとられるかんじで、文章は気にならなくなる。まるで、3D映画の後半が3Dであることを忘れて見入るみたいな?
希望がないところに絶望が描かれないことをどう考えるべきだろう?マダムに会いに行い、そこで語られる内容には、まるで白黒のように何の感慨も描かれず、とつとつと進むさまは寂しいとも不安とも違う、なにか置き所のないモノを感じる。
2016年3月12日
- 波よ聞いてくれ(2) (アフタヌーンKC)
- 沙村広明
- 講談社 / 2016年2月23日発売
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何がこうも引き込まれるのか、自分でよくわからないのだけれども、吸引力のかわらないただ一つの掃除機ばりにぐいぐい引き込まれるカンジ。なんか、道理の向こう側みたいな?
2016年2月28日
- ためらいもイエス (文春文庫 や 40-1)
- 山崎マキコ
- 文藝春秋 / 2007年12月6日発売
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後半は少し物語が急に思う。
物語は川のように、はじめは動であり、後半は静へと、そんなスタイルを望んでしまう自分に気づく。この本は逆に思うけども。
どこかになにかのブレイクスルーはあるものだよって思うけど。
もう少し丁寧に描かれることを期待したかった。
2016年3月12日
- 黒百合 (創元推理文庫)
- 多島斗志之
- 東京創元社 / 2015年8月29日発売
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2016年3月12日
- 花井沢町公民館便り(2) (アフタヌーンKC)
- ヤマシタ・トモコ
- 講談社 / 2016年1月22日発売
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続けていくのは難しいネタだと思う。
インパクトのある設定ゆえに、物語として紡いでいくのは難しいのだと思う。
設定に負けず、どこかで読んだ様でもなく、とつとつと描いていくのはしんどそう。
おもしろいとは思うし、素敵な設定だとは思うけど、やや慣れちゃった感が無くもない。
読み慣れないせいもあるとは思うけど、人物の書き分けが…
2016年1月31日
- 鴨川食堂 (小学館文庫 か 38-1)
- 柏井壽
- 小学館 / 2015年5月8日発売
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食べ物の探偵。
もうちょっと謎解き要素の厚みというか、掘り下げてほしいというか、
2016年1月22日
- ([し]4-5)つむじダブル (ポプラ文庫 し 4-5)
- 小路幸也
- ポプラ社 / 2015年2月5日発売
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「宮下奈都」の名前で著者買い!(そんあのあるか?)
謎解き要素が結構あるものの、解への近づき方は丁寧で、気楽についていけるカンジは、ヘンに引っ張られたりしなくて楽しく読める。
兄妹の2人視点で交互に章が進んでいくけれど、感覚的にそれぞれの思考が納得できる動きですんなり読めて楽しい。ほら、妙に老齢な思考の持ち主だったり、酷く幼い考えだったりしないで、「この年の子供はこんな感じかも」的な適切さみたいな。
でも、それは裏返すと、大人の期待値通りということで、実は実態に則していないかもしれないけど、大人向け(いわゆる成人向けというのではなくて)という小説だしとは思う。
家族に対する真摯さみたいなものが丁寧に描かれている印象。すがすがしいほどに。
2016年1月22日
- 幸福な日々があります (集英社文庫)
- 朝倉かすみ
- 集英社 / 2015年8月20日発売
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爽快感とか高揚感とか、そういう感覚とは無縁の物語だとはおもうけれども、不思議と引きずられるように読み進めてしまった感じ。
大きな不満があるわけでもなく、夫として好きではなくなったゆえに離婚を思い立つ、それも嫌いになったというわけではなく、好きではなくなったということをもって。
ネットのレビューを見るとネガティブなものが思いの他おおくて、すこし「あれ?」って思う反面、そのレビューにも一理あるかなと納得しないでもない。
不思議と自分の周波数にあってしまったかして、一気に読めてしまった感じ。融通の利かない愚直さ?
2015年11月3日
- しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫)
- 村田沙耶香
- 朝日新聞出版 / 2015年7月7日発売
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解説に書かれていて、なんかとても納得したけど、この本の描かれ方はとても真摯な印象かなって。本当に真摯だって感じていいのかは、少し不安に思うところだけど。なにより、ちゃんと物語を追えていたのか、読了後に不安になってきたくらいだし。
もっともっと歳をとってからまた読んでみたい。
2015年7月26日
- 花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理 (角川文庫)
- 森晶麿
- KADOKAWA/角川書店 / 2015年5月23日発売
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読み終えることができなかった。
自分がもう若くないということのような気がする。
2015年11月3日
- 花井沢町公民館便り(1) (アフタヌーンKC)
- ヤマシタ・トモコ
- 講談社 / 2015年3月23日発売
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見えない壁によって隔てられてしまう人々の物語。全編にわたって切なさにまみれてる。
導入から引き込まれるし、読み終わって最初に戻ると、喪失感みたいなモノが押し寄せてくるみたいな?
巻数があるから、続くのだろうけど、この設定で色々な作家さんに物語を紡いでみてもらいたいなとか夢想する。
この作者に不満があるではないけど、思いもしない物語とか、読めそうじゃん?
例えば、野尻抱介とか、絲山秋子とか、江國香織とか?
映画化とかされたら、少しみてみたいかな。
諏訪敦彦とか、岩井俊二とか。
2015年5月24日
- かっこうの親 もずの子ども (実業之日本社文庫)
- 椰月美智子
- 実業之日本社 / 2014年10月3日発売
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2015年2月8日