芥川の子供向けのお話(だから面白要素はない)。

白…よかったね!!!

2015年8月4日

読書状況 読み終わった [2015年8月4日]
タグ

★更新中★

★瓶詰の地獄
敬虔なキリスト教徒のものの考え方とかが私にはあまりよく分からないのだけど、極限状態の中こんなに思い悩んでも清く正しくあろうとする主人公に感銘を覚えた。無人島漂着系作品には、絶対に絡むテーマだけど、こういう方面のお話って初めてだから新鮮だった。

しかし11歳で南の楽園的無人島に漂着して以降、聖書一冊であれだけの文章力と語彙力を身に着けた太郎少年の頭脳が驚異的すぎるやろ。。。と、本筋と関係のないことを思っていた。
つまり、手紙は発見と逆順(第3→第2→第1)で書かれたと勝手に思い込んでいたのだけど、別の方の解釈で
実は手紙は流れ着いた順に書かれたのかも、というのを見た途端怖すぎてどうしようもない。夢に出そう。助けて。。。


☆人の顔

★死後の恋
一人の自称元兵士が語る「死後の恋」は、狂気を感じる1本。果たしてこの話は本当なのか、最後にどう解釈するか、読者側に委ねられている感じが強い。そういう話は好きだけど、だけど、本作はちょっときつい。。。
この人の作品は、エログロを仔細に描写してないのにちゃんとディテールを想像させる変なリアリティがあって、今作のようにちゃんとそれを表現されるとむっちゃ辛い。今若干トラウマになりかけてる作品。

☆支那米の袋

☆鉄鎚(かなづち)

☆一足お先に

★冗談に殺す
すごい淡々としてる。狂気系、なんだけど、見方によっては殺人を犯して無意識の良心の呵責に耐えかねた「私」が狂うだけという?若干滑稽な感じも。動物愛護精神の強い方は途中注意。

ネタバレ

★更新中★

初・坂口安吾。青空文庫で読み進め中。

☆白痴
現在は使われていない単語のため、具体的にどのくらいどういう状態を白痴と呼ぶのかは想像を巡らせるしかない。登場するとある女を明らかな白痴と表現しているけれど、物語を読んでいくと主人公本人も含めて、誰もが戦時下のどうしようもない中で、おかしな感じになっているのが物悲しい。
私たちが多くの戦争作品で出会う「欲しがりません勝つまでは」のような美しい国民像とはかけ離れた、ひとつの本当の姿を描いた作品なんだと思う。
途中で出てくるメディア批判にはニヤニヤさせられた。いつの世も意外と変わらないのかな。


☆母の上京
☆外套と青空
☆私は海をだきしめていたい
☆戦争と一人の女

★青鬼の褌を洗う女
何だろう、お妾さんの子供がお妾さんとして生きていく様を一人称で淡々と語る、不思議な作品。モデルがいるのかなぁ…すごく身勝手に思えるのにちっとも憎めない、不思議な魅力を醸し出している女性なのだ。男の人の目線でこういう作品を書くの、難しそうだと思うけど、女性作家が書いたら「ちっとも憎めない」女性にはならないと思う。上手く説明できないけど。その感性というか、バランスというか、この主人公の立たせ方が際立っていた。

ネタバレ

★更新中★

☆セメント樽の中の手紙
プロレタリア文学の中でも有名な短編。さくっと読めるので、概要は割愛。
何故木曽川と恵那が出てくるのかと思いきや、筆者は名古屋でセメント会社に従事していたということを知る。最後の主人公の家庭と、手紙に満ち満ちた悲壮感の対比が心に迫る。
最近婦人科の大行列の中で読書をするので、子供が多くてぶつくさ言うなんて、この時代の人は贅沢なもんだなぁ…なんて勝手なことを思ったりしたのでした。

☆淫売婦
最初、完全に「読むんじゃなかった。。。」と思った。
最後、私も主人公と同じ考えに陥っていたんだと思った。
日本が大いに発展した時代の、影のお話。

読み始めたら、途中目を覆いたくなっても最後まで読んでほしい。話自体は短いから、頑張れるはず。

★労働者の居ない船

★牢獄の半日

★浚渫船

★死屍を食う男

★濁流

★氷雨

ネタバレ

★更新中★

かつて高校の教科書で「妄想系丸善レモンテロリスト」として私に強烈な印象を与えた梶井基次郎。
改めて、青空文庫で読めるものを一通り読んでみると、小説というよりもほぼエッセイだということに気が付いた。併せて、この人いろんな意味で病んでると気付く。表現は詩的だけど、なんとなく美しさに欠ける。ただ美しいだけのものはそんなに好きではなかったのだろうか…というのが文章からも垣間見える感じがする。
※★の作品は青空文庫での公開がないもの

>>> 目次 <<<

☆檸檬
言わずと知れた名作。今改めて読むと、何となくしっくりこない表現がちらほら。私が出会った丸善は名古屋栄・センパ・御茶ノ水とどこも普通の本屋然とした店舗だったので(今はもう全部そうかも)この当時みたいに、香水瓶とか並んでる感じが見てみたいなぁと思った。ただ、彼が描いたレモンの比類ない美しさは共感するところがある。しかし本屋で本を積んだり崩したりしてレモン据え付けてる人に出会ったら怖い。

★鼠

★栗鼠は籠にはいっている

☆器楽的幻覚
音楽会で感じる孤独。そして妄想。
演奏者の指(に限らず技術)が凄すぎて、なんだか現実の音と乖離しているように感じることは、私もときどきあるのでその点において共感した。あとはこの人の妄想がひどすぎて、最後の紳士が本当に倒れたのか妄想どうかすら判別しかねる。。。

☆愛撫
このお話は、途中の妄想はともかくとして猫愛があふれていてほほえましい作品。末筆もほほえましい。
「爪のない猫!こんな、便たよりない、哀れな心持のものがあろうか!」のテンションにちょっと笑ってしまった。
最近、家が傷つくのを嫌がる猫飼いさんは爪全部抜いちゃうよね。あれで猫が自信をなくしてないとは、言い切れないなぁ。。。

☆桜の樹の下には
「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」がなぜかあまりにも有名になってしまった本作。
うーん、歪んでるなぁ。幻想的な美しさを湛えている満開の桜を前にして“桜があんなきれいなのは下に死体があるからなんだよ”って言われれば、納得しかけるけども。。。

☆闇の絵巻
山間部で療養していた旅館の周辺の暗闇を丁寧に観察したエッセイ。田舎の暗闇って、ほんと暗闇だからねぇ。。。「今いる都会のどこへ行っても電燈の光の流れている夜を薄っ汚なく思わないではいられない」という気持ち、田舎出身者としては少し分かる気がする。

☆交尾
何だ、幸せな感じのお話も書けるんじゃん!と思った一作。猫飼ってないから猫の動きあんまわからんけど、この人猫好きだな。タイトルから感じる厭らしさは全然ないので、読んでみてほしい作品。ちょっと印象変わると思う。

☆Kの昇天
副題(?)は「――或はKの溺死」。
夏目漱石の「こころ」で亡くなったのもKでしたが、こちらのKは何となく架空の筆者(梶井基次郎の「ドッペルゲンゲル」)という印象も強く残る。タイトルで溺死ではなく昇天を前に打ち出している通り、Kという人物の死に関する考察の手紙ながら、不幸な印象がない不思議な作品。

☆ある崖上の感情
他の短編が極めて短いので、これは梶井作品の中ではちょっと長め?そして、エッセイ風ではなく物語っぽくなっている。
人様の家の窓を除く悪趣味な話、その窓から眺める人々の暮らし、生と死に心が動くお話。

★母親

★断片

☆奎吉(けいきち)
これ、旧字体だったから辛かったー><
自分の環境や借金体験を基に生み出したのがありありと透けて見える短編。なんと、弟に金を貸してくれと言うだけ(の心の移ろいなど)の話である。言うだけ。借りるところまで至らないのである。うむー。
こうして思いの丈を綴ることで、何か発散に...

続きを読む

ネタバレ

ダークな桃太郎。普通に面白かったー
昔話のサルや鬼は、別々の話でも同一人物だったのか。笑

2015年4月20日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2015年4月20日]

超短い!何だかほほえましい1冊。
キノコ好きの人に絵本にしてほしい。

2015年4月20日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2015年4月20日]
タグ

ひとつの商店と主人公の日常的なやりとり・風景を描いた超短編。

“一たび子の為になつたが最後、古来如何いかなる悪事をも犯した、恐ろしい「母」の一人である。”

悪く書いているようで、母親の子供への深い愛情を表現したいい言葉だと思う。周りにはこう見えているのか…と思うと、自分がそうなるときは気をつけなきゃとは思うけど(´へ`;)
でも確かに変にカマトトぶってる母親も気持ち悪いよねぇ、と妙に納得したり。
こういう風に日常をとらえていた人なんだなと思うと、他の芥川作品をもっと読みたくなる。

2015年4月20日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2015年4月20日]
タグ

同時期のプロレタリア文学を読んだ後に読むと、この人の作品は本当に古さを感じさせないなぁと思う。それが一番のミステリー。

田舎というのはどうやら筆者の故郷らしく、そこで聞いてきた実際の出来事を描いた、田舎ならではの空気感満載でお送りする短編集。1話1話が超短い。
ちょっと間抜けでほほえましい(?)話から不可思議な殺人事件まで、夢久ワールド。

そういえば、実家で取っていた新聞の県内版ページに、お間抜けな事件を扱ったコーナーがあったなぁ。ちょうど、この短編の「大きな手がかり」「勘違いの勘違い」みたいな。

夢野久作初心者さんにもおすすめな作品。

2015年4月16日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2015年4月16日]
タグ

どうやって受け止めようか、ちょっと悩む作品。
私は若干過去の自分を思い出して、身につまされる思いがしました。。。

分かりやすい訳書で読むのが吉。

2015年4月10日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2015年4月10日]
タグ

念願の(??)夢野久作。青空文庫で読んだから、この単行本と内容が違って申し訳ないのだけど…
言葉が古いので、最初ちょっとな…と思ったものの、すぐ慣れてしまった。面白くてするするページが進んだので、1日で普通に読了しちゃった。

●何んでもない 

超絶長い手紙1通だけで展開する作品。っていうか、もはや手紙の体を取っているだけで普通の小説では。。。笑
ただ、手紙の書き手がユリ子のことを一切憎んでいないことがにじみ出ている文面なのがすごいと思う。読んでるこっちも、彼女を嫌な女だなと思う気持ちが不思議と湧いてこない…嫌な女なのに!


●殺人リレー ※同一人物からの手紙数通

一人の書き手による書簡だけで展開され、それ以外の描写が一切ない。森見氏の「恋文の技術」を読んで、「往復書簡でなくて一人の手紙だけで物語を展開させるなんて手法があるのか…」と驚きつつ困惑したけど、こんな昔に同じ手法で書かれた作品があったとは!
お話の内容はすごい目を見張るものではないんだけど、女の女らしい心の動きがすごい出てた。何で男の人なのに分かるんだろう。夢野久作はオネェだった?と思うくらい。

●火星の女 

謎が謎を呼ぶ記事数件で事件の経緯を追った最後に、手紙1通ですべての種明かしがされるというもの。3作品の中で、一番展開が読めなくて面白かった。「ミス黒焦」の字面に思わず吹き出しちゃった。
なお最終的に、私の頭の中では、完全に一種の妖怪みたいな絵になっちゃってますが。。。

★女坑主
本当の虚無主義はだぁれ?ってオチ、でいいのかな。現代では出せない空気感で、短いのに引き込まれる作品だった。


この作家さんは、「ドグラマグラ=ヤバい」っていうイメージ先行で敬遠してたのだけど、何だ何だ面白いじゃないのー!!他の作品、読んでみようと思いました。
★3つでもいいかな、と悩みつつ、★4つ。これを3つにしたら、★を減らす作品が出ちゃうからめんどくさくて…

2015年4月9日

ネタバレ

かの有名なカフカ。すごい衝撃的だった。不条理!!!
何故急に虫になったのか、何も明かされずただ物語が終わっていくし、何故か最後すごいハッピーエンド風になってるけど、いやいやいやいや待て待て待て待て!って突っ込んでしまったよ。

何で読んだか忘れましたが、その虫になってしまったワケ分からない状況を受け入れてしまうというのが、当時の戦敗国たるドイツを象徴しているんだそうです。なるほど!そういう視点で見ると、また違った味わいの作品だと思う。

しかし、後書き読んだらムカデだって書いてあった。最初からずーっとずーっとG的なもので想像が先走ってしまい、自分の想像力を全力で憎みました。ドアが通れなくて斜めに引っ掛かる巨大G…恐怖(*_*;

--

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

2014年5月15日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2014年5月15日]

うーん
昔からそうなんですが
私、森鴎外と相性が悪いんだろか…

2013年9月16日

読書状況 読み終わった [2013年9月16日]
タグ

満開の桜の下は恐ろしいという発想は、現代を生きる一般的な日本人にはないものでちょっと戸惑う。でも、誰もいない野山の中、満開の桜が連なるど真ん中に一人ぽつんと佇んでいたら、その美しさに心惑わされてしまう気持ちも少しわかる気がする。

美しい女と美しい桜に振り回された山賊の男の悲運。

山賊のシンプルな考え方はとても好きだ。
ムダがなくて、生きていく上でとても合理的。

2013年9月16日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2013年9月16日]
タグ

言わずと知れた、国語の名作。虎になった男。
最近はこういう素晴らしい日本語の文章にもなかなかお目にかからない。

虎にの姿になり、人間としての意識を失い行く悲運を嘆きながら、尚も詩に固執し続けるその姿が、言いようもなく切なくて悲しい。

そして今気づいたけど、やはり無二の友は貴重な存在だなぁ。

2013年9月14日

ネタバレ
読書状況 プレイし終わった [2013年9月14日]

とある藪の中で起きた殺人事件の供述を集めただけの異色作。
目撃者4名+当事者3名(巫女の口を借りた被害者含む!)、どうも供述は食い違っているのだが、ただそれだけが記載され、そこには推理も解決もない。正に真実は闇の中ならぬ「藪の中」なのである。

こういう手法もあるのかー、なるほど!!

誰が嘘を言っているのか、あるいはみんな後ろ暗いところがあってみんなが嘘を言っているのか?
たびたび読み返したくなる一作。

2013年9月14日

読書状況 読み終わった [2013年9月14日]

「メロスは激怒した。」でおなじみ、走れメロス。
小学校の教科書ぶり。大筋は覚えていたけど、とある新釈を読むために再読。
小学生当時の感想は、親友を裏切らないこと、頑張ってやり通すことは大事!って感じだったけど、別にこの年で読んでも変わらないなぁ(´・ω・`)
名作は名作である。うむ。

最近こういうまっすぐな心を持つのが難しいな、と思う。
残念ながら大人になってしまった…

しかしセリヌンティウスのメロスに対する友情、すごすぎ。

2013年9月14日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2013年9月14日]

イワンのバカ!と聞くとトルストイより先に筋肉少女帯が出てきてしまう…(^^;

なんて余談はさておき、トルストイの「イワンのばか」です。
タイトルが衝撃的だけど、読み進めるとイワンは愚直で、彼なりの幸せの捉え方を持っているだけだと思った。そして、それを貫いて、幸せな国を築いた彼は幸せものだな、よい終わり方だったなと思った。
人間、頭を使うだけじゃダメなときもあるもんね。私も、お仕事の中では手を動かすことや、現地現物主義の大切さを痛感することがあるし。

ただし、何というか…ロシアなせいで、「資本主義は悪、共産主義万歳!」みたいな匂いをふんわり感じてしまうのは、私の感性の問題かしら。

筋少のイワンのバカとは何の関連性もなかった。笑

2013年1月27日

ツイートする