春から夏、やがて冬

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 202
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163809205

感想・レビュー・書評

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  • 初めて歌野さんの小説を読みました
    。後半からいっき読み
    。ますみのメールでえっ!まさか?と信じられない展開に平田のますみ殺害を納得したのに最後の最後に小瀬木の人物検証でのどんでん返し。楽しませてくれました!また歌野さんの小説読みたい!

  • 葉桜の〜やどんでん返しは忘れて読んでください
    という言葉に惹かれて読みましたが
    ある意味、意表をつかれたと思いました。

    相手を思いやった行動で
    悲しい結末に。
    人というのは、どんな人でも
    冷静になれないことがあるのだと
    他人なら一呼吸できたことがあるのだと
    考えさせられました。

  • ひき逃げで娘を亡くした父親。
    勤め先のスーパーで、万引きで捕まった女が、自分の娘と同い年と気づき、訓戒で帰してしまう。

    でも、その女が「なぜこんな簡単に帰してくれたのか」と自らやってきたことにより、物語は展開していく。

    娘を失い、妻を自殺で失い、自分は肺癌で余命いくばくもない。そんな時に男の人ってこんなに色んな女の人にお金をばらまきたくなるんでしょうか。私にはちょっとわからないなぁ。

    最後の、たぶんわざと頭悪く書いてるんでしょうが、独白の文章が、本当に頭が悪くてこっちの頭が痛くなった。

    結局ひき逃げの犯人は誰だったんでしょうね?
    今となっては闇の中。

  • 葉桜のーを読んで期待して2冊目を読んだが、最初はインパクトが弱く今ひとつだったが「春雷」から一気読み。恐ろしい巡り合わせで残酷な仕打ちかなと思いきや色々なところで出てくる「うそ」がキーワードであり布石。やるせない気持ちが残り後味が悪いが、葉桜同様展開が稀で読み応えがあり、作者の他の作品もまた読みたい。

  • 登場人物がどの人もあまり好きになれないし、気持ちをわかることもできず、傍観者として読む感じだった。

    全体通してつらい。
    続きが気になって読み進むのは早かった。

  •  途中から結末が見えてしまったが、小瀬木の裏どりは想像できなかった。
     小瀬木の立場だからこそ知りえた事実があり、事の真相を捉えられたのだが、真実は平田とますみそれぞれの胸中でしか分からない。
     末永ますみの依存性には吐き気がした。頭の使い方がもったいない、自分をダメな女だといい正当化している点が気に入らなかった。平田に治療するよう勧めながら、自分は何ひとつ進めようとしない姿に嫌気がさした。
     立場が違えば、見えることもたどり着く事実も違う。この物語のように、個々の勘違いから自ら不幸になり、また幸福なのに不幸に陥っていることは現実にも多々あるともう。
     だからこそ、本を読むのだとも感じた。

  • 読み始めたら、一気に読めた。
    主人公の平田は事故で娘と妻を失くして絶望していて、せめて他の人に幸せを与えたいと思っている。
    虚無感しかない毎日が中心の序盤に比べて、中盤の500万円で人生がどう変わるか取引を持ちかけられる辺りは面白かった。
    ますみの告白が実は手の込んだ嘘だったと分かった時、つくづくこの作者の作品は、登場人物の妄想と思い込みでできてると思った。

  • 轢き逃げにより娘を、そして家族を失った男性と、DV男から逃げ出せない女性のお話。

    春夏さんが亡くなってからの、平田さん一家の崩れようが悲しすぎて見ていられなくなりそうに何度もなりつつ読みきりました。
    切なく哀しい。

    最後にどきっとする結末が待っているのは歌野さんの得意とするところですが、今回の結末は本当に良かった。
    救いようなく哀しいのに、読後感は一番良かった。
    こういう、正しくないけど、幸せ(?)な結末、なかなかないと思います。
    賛否両論あるのかもしれないけど、私は好き。

  • 「葉桜~」以来の歌野さんの小説でした。
    帯に最後の5ページで世界が反転すると書いてありましたが、その通りでした。
    最後20ページくらいで物語が大きく動きます。
    結末は誰も幸せにならない。ますみの気持ちも分かりますが、根本的な解決になってないし、事実を知った時、平田さんは倍傷つき、悩みます。
    あまり、スッキリとした終わり方ではないですが、いろいろ考えさせられました。

  • 著者の本は『葉桜の季節に君を想うということ 』、『密室殺人ゲーム』シリーズを読んだことがあるが、その中では一番趣味に合わず。妻子に先立たれ、肺癌を告知された定年間近の男と、内縁の夫のDVに苦しむ万引犯の女の哀しい話。青嵐という章が起承転結の転なのだが、あまりに突然で、ここが著者の持ち味なのかもしれないが、ややついていけなかった。そして、秋が結なのだが、ここでは冗長な感じがして、そんな真相は必要なのかと思った。

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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