サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

感想・レビュー・書評

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  • ローマ教皇の写真に「カトリック教会のアルファオス」って説明つけるの面白すぎる。
    アルファオスとかってBLのオメガバースみたいだな。生物学の何かから来てるのかな、草
    人間が虚構を信じることで繁栄したという話が面白い。
    必要最低限の狩猟採集生活の方が余暇が多くて充実していると言われると頑張って生きる意味を全く感じなくなった。
    種としての繁栄と幸せは結びつかないという話、本当にわかりすぎる。
    私たちが何時間も本来必要ない労働に追われるのは、そうすることで自分自身の未来の豊かな生活が保証されると信じてしまっているからだけれど、それらは種としての個体数を増やし繁栄することにしかつながらない(生物の目的を果たしているけど)。個々の充実度をあげるには手を抜いて生きるしかないな。と思った。

  • 2020年7月
    進化というか変化、しかも偶然の産物、というダーウィンの進化論的な話を改めて人間当てはめるとたしかにそういうことだ。
    刺激的で面白い。
    ホモサピエンスは唯一生き残った人類種である。
    虚構により多人数での協力が可能になった(認知革命)
    小麦を栽培した→小麦は人間に自らを栽培させることに成功したと言い換えることもできる(農業革命)

  • 自民党憲法改正推進本部長 細田博之氏 無為と人為のさじ加減

    2020/5/2付
    日本経済新聞 朝刊
    ユヴァル・ノア・ハラリの一連の著作を持参されました。

    『サピエンス全史』はこれまでのような「歴史の本」ではありません。これまでの歴史の本は国家の興亡と戦争、英雄と偉人、文化や産業の発展を時系列に述べるのが普通ですが、この本は違います。1万年前には総人口が現在の北海道より少ない500万人、現在は77億人が地球を支配している「人類」とは何か。「ヒトゲノム解析」を試みる過去に類のない著作です。
    「ヒト」はいかにしてこの地球を支配するに至ったのか。原始的な狩猟や採取から農耕、牧畜、養殖へと食糧の獲得手段を発明し、集団を守るための規律や宗教を発明し、疫病、災害、他の部族や国家との戦争を経て、今日の科学技術の発展、情報化社会に至る経緯を独自の視点から喝破しており、目からうろこが落ちる思いがしました。
    続く『ホモ・デウス』は現代の「人類」が直面している大きな歴史的な難題を提起しています。今日まで人類は個々の経験、知見を集積して「アルゴリズム」としての付加価値を増大させ、所得と豊かな生活を実現してきました。しかし、そのような知恵はすでに膨大な情報集積に基づくAI(人工知能)によって凌駕(りょうが)されつつあります。このような時代に個々人はどのように対処して、生きがいと所得を得られるのか。これまで人類が直面したことのない困難な大問題であり、教育、社会保障も含めて対応を迫られています。これは政治の大きな課題でもあるのです。
    最新刊の『21 Lessons』では、我々が進むべき道を示唆します。IT(情報技術)革命がもたらす変化は産業革命よりも大きく、社会制度は劇的に変わっていく。いまある職種が10年後にもあるとは限らない。興味深いことに、最終章で我々がすべきことのひとつとして「ひたすら観察し、瞑想(めいそう)せよ」と説いています。老子や禅などの東洋思想に回帰しているわけです。
    老荘思想にはもともと関心があったのですか。
    老子や荘子の無から有を生じた宇宙創成を見抜いた直観力、人為を極力回避する姿勢は、私の人生観の基礎となっています。『老子』の57章に「われ無為にして民おのずから化す」というくだりが出てきます。「為政者が人為を用いなければ、特別なことは何もしなくても、人民は自然に教化されて、天下もよく治まる」という意味です。
    現代では、社会保障、経済政策、科学技術政策など人為が必要なものごともあります。他方、行政における人事、機構、規制、助成、民間活動への関与においては、無為が人為にまさることが多いのでないでしょうか。そのふたつのさじ加減をどうとっていくのか。それこそが、私の仕事である政治の要諦であると考えています。
    これからの日本が取り組むべき課題をわかりやすくまとめた本が、経済同友会が出版した『危機感なき茹(ゆ)でガエル日本』です。激変する世界を生き抜いていくには、これまでの延長線上では未来がない。グローバル化に対応できる国際的な人材を育成し、どうすれば豊かで持続可能な日本をつくれるか。企業がなすべきこと、国がなすべきこと、教育界が行うべき体制の整備などに言及しています。
    自然科学に大きな関心と期待を?
    科学誌「ニュートン」は創刊から40年近くずっと愛読しています。読み続けて蓄積した知識が、小泉内閣で科学技術・IT担当相を務めたときにも役立ちました。今年5月号は新型コロナウイルス問題を緊急特集しています。
    きょう持ってきたのは、「無とは何か」を特集した昨年の5月号です。真空の独特の不思議な特性、現在の素粒子論、宇宙のエネルギーや量子力学が紹介されています。「究極の無」とは何かを「宇宙のはじまり」という観点から解説しています。宇宙は無から生まれた。科学と老子は結びついているように思います。この分野では日本の科学者が世界の最先端を担っています。
    文学ではトルストイの『戦争と平和』が読み通した中でいちばんの大著です。歴史と人間に取り組む姿勢は、司馬遼太郎や堺屋太一の著作にも相通じるところがあり、愛読しています。
    (聞き手は編集委員 大石格)


    【私の読書遍歴】

    《座右の書》
    『老子』(福永光司訳、ちくま学芸文庫)
    『荘子』(内篇、外篇、雑篇の3部、福永光司・興膳宏訳、ちくま学芸文庫)。老荘思想・道教の研究の第一人者、福永京大名誉教授が読みくだし、詳細な解説を付した。

    《その他愛読書など》
    (1)『サピエンス全史(上・下)』『ホモ・デウス(上・下)』『21 Lessons』(いずれもユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳、河出書房新社)。イスラエルの歴史学者によるマクロヒストリーもの。
    (2)『危機感なき茹でガエル日本』(小林喜光監修、経済同友会著、中央公論新社)。グローバル化、デジタル化、ソーシャル化などの課題を克服するための提言「Japan2.0」を踏まえ、日本がとるべき針路を説いた。
    (3)『ニュートン』(ニュートンプレス)。1981年創刊の月刊科学誌。宇宙の成り立ち、人体の仕組みなどの自然科学から数学に至る幅広いテーマをわかりやすく解説する。
    ほそだ・ひろゆき 1944年生まれ。東大卒。官房長官、自民党幹事長などを歴任。永田町有数の蔵書家で、図書議員連盟や活字文化議員連盟の会長を務める。

  • 人はなぜ「平等に」進化しなかったんだろう?そして、なぜ男女格差ができたのだろう?読了しても謎が残るのは、自ら考えよとの示唆なのかな?
    でも共同的価値観を変えれば、世界も変わるはず!国や人種を超えて巻き込む力があれば良いのでは?と思ったが、それは巨大な帝国を目指すことになる矛盾。
    そして、貨幣だけは、テロリストでさえも価値観が共有され、信頼性があるってことも皮肉ですね。
    いろいろ考えさせられる本でした。
    来週、下巻に続く!楽しみ♪

  •  高校のとき世界史大好きでよく勉強してたんだけど、その時学んできたことが次々とひっくり返されていく。
     アウストラロピテクス→ネアンデルタール人→クロマニヨン人の直線モデルを中学生の時に暗記して答案用紙に書いたし、人類は狩猟生活から農業に移行して生活レベルが向上したと認識してたが、それは違うと否定される。家畜に対して特に何の感情も抱いてなかったが、この本を読んだ後は罪悪感でいっぱいになっていたたまれなくなってくる。
     世界史専攻してた人かcivilizationしたことある人、「銃・病原菌・鉄」やマクニールの世界史読んで面白かった人はこの本は間違いなく面白い。

  • 虚構が協力を可能にした。
    現代の我々の生活は虚構の上に成り立っている。すなわち、宗教、貨幣、民族などといったものは全て共同幻想であり、例えば、皆が信じなければ壱万円札はただの紙切れである。
    さらに、虚構によりゲームを編み出し、発展させ、集団が同一の目的のもと、協力することができるようになった。
    これこそが、ネアンデルタール人になく、サピエンスに備わったものである。
    我々がどこからきて、何を考え、何をしてきたのか、語りかけてくれる一冊である。


  • なぜ人類が今のような社会制度になったのかを、ホモサピエンスの発展の歴史を紐解きながら解説している本。

    全体を通じて感じるのが、我々の社会制度は生物学的にはなんの根拠もなく、想像によって出来上がっているものである。ということ。

    多様性が叫ばれている世の中ではあるが、そもそも多様性以前に、人類の社会のあり方は多様だよ、っていうことを言っている。だから今の社会にウケているんだろう。 


    以下内容メモ
    なぜホモサピエンスが発展したか→言葉・火・創造の共同体・農耕・神話・書記体系
    ヒエラルキーも想像上に過ぎないが、それが再生産されることで悪循環が起きる、

  • ・交代説と交雑説 ヒトにも種類があった?
    ・ホモ・サピエンスの発展は類稀なる言語のおかげ
    ・万人は平等に造られており、奪うことのできない特定の権利を造物主によって与えられており、その権利には、生命、自由、幸福の追求か含まれる
    →万人は異なった形で進化しており、変わりやすい特定の特徴を持って生まれ、その特徴には、生命と、快感の追求が含まれる(生物学的)
    ・貨幣という最強の征服者が複雑な商業ネットワークと活発な市場の出現に大きな貢献を果たした

    この本を読んで感じたことは、ホモ・サピエンスの発展の歴史は大量殺戮の歴史であるということ、、、
    ヒトとは残虐な生き物である

  • ヒト(人類)の祖先が、チンパンジー・ボノボの祖先と別れたのは600万年前~700万年前くらいらしい。

    では、ヒトとは何か。

    猿人(アウストラロピテクス)→原人(ホモ・エレクトス)→旧人(ホモ・ネアンデルターレンシスなど)→新人(ホモ・サピエンス)であろう。

    今から約250万年前、地球上でホモ(ヒト)属が独自に進化を始める。

    進化をしていく過程で、アフリカ大陸からユーラシア大陸へと拡がり、地球上での分布を広げていく過程で、それぞれの気候風土に適応すべくホモ属には多くの種が存在した。

    しかし、現在地球上に存在するヒトはホモ・サピエンスの一種のみであり、その他の種は全て滅んだ。

    人類が進化する過程で認知革命が起こり、狩猟採取型から農業革命を経て、定住を始める。

    そこから現代にもつながる一種のコミュニティが生まれ、更なる進化へと続いていく。

    進化の過程で書記を生み出し、物々交換による世界の広がりが貨幣を生み出す。

    貨幣が出来たことで、世界は大きく変わり個々のコミュニティの交流が加速され、それが帝国の誕生へとつながっていく...

    まさに人類の歴史。

    非常に学び多き良書であり、世界中の1人でも多くの方(人類)に読んで頂きたい。

    説明
    メディア掲載レビューほか
    「歴史」を超えたスコープで私達を捉えなおす

    出版社にはたいへん失礼なのだが、ゲイツ、ザッカーバーグ推薦の帯を見て「何だかなぁ」と敬遠した人には是非手にとってもらいたい一冊だ。「五胡十六国を覚えなさい」と言われたあたりから世界史とは関わりのない人生を歩もうと心に決めた人にも、強く勧めたい。

    この本の最大の魅力は、スコープが「歴史」に留まっていないこと、そしてそのおかげで「歴史」の理解がより深まるところにある。七万年前からわれわれが生物学と歴史の両方の線路を走る存在になったこと。そして、生物としての順応力を超えたスピードで飛躍してしまったために、不安を抱えたとても危険な種になっていること。超ホモ・サピエンス(シンギュラリティ)は科学技術だけでは語れず、否応なしに哲学、社会学を巻き込んでいく。小賢しく言ってしまえば、リベラルアーツを学ぶことの重要さへの示唆が、この本には詰まっている。

    「サバンナの負け犬だったわれわれサピエンスが今の繁栄を築いたのは妄想力のおかげ」という主題には説得力があって、この魔法の杖一本でネアンデルタール人駆逐から資本主義隆盛までの大イベントを語りつくす。「農業は史上最大の詐欺」という奇を衒(てら)ったような主張も、種の繁栄か個の幸福かという重たいテーマを考える糸口となっている。

    ヘブライ大学での歴史の講義が下敷きになっているそうだ。本文中に「歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、(中略)私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するため」というくだりがあるが、この本を一味違った出来栄えにしているのは、社会に出ていく若者たちに歴史への興味を持って欲しい、という一途な熱意かもしれない。理解を助けるエピソードにも工夫があって、こなれた日本語訳と相俟って、読みやすい。たとえばオランダ東インド会社設立のあたりの名調子は、池上彰さんの時事問題解説を聴いているようだ。

    イスラエルでは歴史本は売れないとかで出版社に断られ続け、五社目で漸(ようや)く出版に漕ぎつけたところ大ベストセラーとなり、今や四十八ケ国語に翻訳、そんな成功譚が似合う本でもある。

    人類の誕生に始まり、コンピューターの進化、そして超ホモ・サピエンス……映画ファンならお気付きだろうが、キューブリック=クラークの「2001年宇宙の旅」とよく似た筋立てだ。七万年前にご先祖様が妄想力を獲得したのはモノリスの力かもしれない、と思わず妄想した。

    評者:西澤 順一

    (週刊文春 2016.11.14掲載)
    三つの重要な革命

    私たち現生人類につながるホモ・サピエンスは、20万年前、東アフリカに出現した。その頃にはすでに他の人類種もいたのだが、なぜか私たちの祖先だけが生き延びて食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いた。40歳のイスラエル人歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』は、この謎を三つの重要な革命──認知革命・農業革命・科学革命──を軸に解き明かす。

    たとえば、サピエンス躍進の起点となった認知革命はおよそ7万年前に起きた。原因は遺伝子の突然変異らしいが、サピエンスは柔軟な言語をもって集団で行動できるようになり、先行する他の人類種や獰猛な動物たちを追い払った。この認知革命によって獲得した〈虚構、すなわち架空の事物について語る〉能力は神話を生み、大勢で協力することを可能にした。後に国家、法律、貨幣、宗教といった〈想像上の秩序〉が成立するのもここに起因している。

    文理を問わないハラリの博学には驚くばかりだが、レトリックの利いた平易な文章も魅力のひとつだ。そんな彼の知見と表現力に導かれ、私たちは三つの革命や壮大な文明史を再認識するだけでなく、人工知能や遺伝子操作の進歩によって現れるかもしれない〈超ホモ・サピエンスの時代〉についても考えることになる。私たちが生みだした、私たちにそっくりのサピエンスがこの世界を支配する時代の到来……ハラリは最後にこう書いている。

    〈私たちが直面している真の疑問は、「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない〉

    今、読まれるべき本である。

    評者:長薗安浩

    (週刊朝日 掲載)
    内容紹介
    【ビジネス書大賞2017 大賞受賞 】

    【ビジネス書グランプリ2017 リベラルアーツ部門 第1位 】

    なぜ我々はこのような世界に生きているのか?
    ホモ・サピエンスの歴史を俯瞰することで
    現代世界を鋭く抉る世界的ベストセラー!

    「歴史と現代世界の最大の問題に取り組んだ書」
    ──ジャレド・ダイアモンド

    【目次】
    歴史年表

    第1部 認知革命

    第1章 唯一生き延びた人類種
    不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?

    第2章 虚構が協力を可能にした
    プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

    第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    原初の豊かな社会/口を利く死者の霊/平和か戦争か?/沈黙の帳

    第4章 史上最も危険な種
    告発のとおり有罪/オオナマケモノの最期/ノアの方舟

    第2部 農業革命

    第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲者たち
    第6章 神話による社会の拡大
    未来に関する懸念/想像上の秩序/真の信奉者たち/脱出不能の監獄

    第7章 書記体系の発明
    「クシム」という署名/官僚制の驚異/数の言語

    第8章 想像上のヒエラルキーと差別
    悪循環/アメリカ大陸における清浄/男女間の格差/生物学的な性別と社会的・文化的性別/
    男性のどこがそれほど優れているのか?/筋力/攻撃性/家父長制の遺伝子

    第3部 人類の統一
    第9章 統一へ向かう世界
    歴史は統一に向かって進み続ける/グローバルなビジョン

    第10章 最強の征服者、貨幣
    物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨幣はどのように機能するのか?/金の福音/貨幣の代償

    第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国とは何か?/悪の帝国?/これはお前たちのためなのだ/「彼ら」が「私たち」になるとき/
    歴史の中の善人と悪人/新しいグローバル帝国

    原 註
    図版出典
    内容(「BOOK」データベースより)
    なぜホモ・サピエンスだけが繁栄したのか?国家、貨幣、企業…虚構が文明をもたらした!48カ国で刊行の世界的ベストセラー!

  • 厖大な時間の中でのサピエンスの進化が、とても興味深かく、現代の多くの価値観や概念は本来のDNAとは関係ないことに、いまさらながらに気づかされた。
    下巻の展開が楽しみ

  • 生物学と歴史を一貫して説明すると説得力ある。
    我々のポジションをもう一度考えさせられた。
    下巻読み終えたら、再度読み直してみたい。

  • 最初は翻訳本によくある、味気のなさを感じる文章に読む気を削がれ、中々進まなかったけど、終盤になるにつれ、規格外の巨視的な視点から人類史を鳥瞰する本書の面白み、ダイナミックさに引き摺り込まれてきた。

    認知革命、農業革命ときて、とうとう次は科学革命。楽しみ〜〜〜

  • Audibleにて読(聴)了。

    人類の今までと現在そしてこれからを、様々な事象を交えながら語られている。

    無い物を信じることができる、ということがこれほど強力だとは思わなかった。今の暮らしを違った角度から見られるようになり面白い。

    この様な本は、カタカナの固有名詞が多く敬遠しがちだったがAudibleならなんとか読み(聴き)終えることができた。
    1回で理解することは難しいが、何度も読もうと思えるボリュームではない。

  • 人類、文明、国の成り立ちがわかる。人類は戦いの歴史。そして、次にどこへ進化の道はあるのか

  • 私たちホモ属サピエンス「ホモ・サピエンス」という動物は、サバンナでライオンなどにおびえる生活から、どうやって今の繁栄を築いたのか、その歴史を考察する。なかなか面白い。
    認知革命・農業革命・科学革命のうち、上巻は認知革命と農業革命について。当たり前に思っていたことが実は虚構であるとか、農業革命は史上最大の詐欺であるとか、目からウロコ的な視点で語っている。下巻も楽しみ。


  • アフリカで誕生した、特段取り柄の無い動物である人類(ホモサピエンス)が誕生してから、どのようにして世界を侵略し、種としての発展を遂げてきたのかを教示する一冊。

    個体としては脆弱であるが、サピエンスは想像によって様々な神話や虚構を生み出し、それによって異なる個と協力し、他の生物を侵略し、種として発展した。

    人類が発展する大きな転換点となったのは農業革命である。これによって、食糧の余剰が発生し、それによって富める者、貧しい者と階級ができた。


    金、男女、法律などは人類の想像の産物である。
    しかしそれら想像の産物によって、広域化し複雑になったコミュニティを維持することができた。

    それらコミュニティはより大きな組織、帝国となったが、一部の権力者達が富を手に入れ、それ以外の者は下等種族のように勤勉に働くことを強いられてきた。

  • 我々、ホモサピエンスがこの地球上でどんな歴史を持っているのか、考えさせられる本。ホモサピエンスがここまでの地位を確立することができたのは、「虚構」であると著者は説明している。我々ホモサピエンスは、この先どのような未来が待っているのだろうか。

  • 多くの人が面白いと言っていたので、気になり読み始めたら止まらない。下巻もたのしみ。

  • 経営コンサルタントをしていますがこれからのトレンドを知るためには過去を振り返ることも大事。過去の延長線上に未来があるのですから…

    と、振り返りすぎかもしれません。

    下巻含め、「話が長い」です。もうちょっとコンパクトにまとめてくれないか、とちょっと思いました。

    内容に触れるところは下巻のレビューで。

  • 今、すべての人類が読むべき本。非常に面白く、考え方を覆される。繰り返し読みたい。

  • 上巻も,知的好奇心を刺激される面白さでした。

    本書の主要なテーマではないのですが,実は,一番印象に残ったのは,人類が多種多様な生物を絶滅させていったというところでした。
    マンモスやサーベルタイガーは有名ですが,それ以外にも,想像を絶する大きな動物が,たくさん生存していたことを初めて知り,今,それらの動物たちに会えないということを何よりも悲しく思いました。

    その他,人間が小麦に家畜化されたという視点も興味深かったです。
    農耕への移行のせいで,椎間板ヘルニアや関節炎等の多くの疾患がもたらされたとのことですが,もっと遡れば,人類が直立歩行をするようになったために,腰痛と肩凝りに苦しむことになったということで,医学が発達したにもかかわらず,人類がこれらの疾患を克服できないのは,根本的なところに原因があるからかと納得した次第です。

    一読目は流し読みになってしまったので,機会があればよりじっくり再読したいと思います。

  • 印象に残った事について雑感雑記。

    ・ホモ・サピエンスは小麦の奴隷となった。
    食べるために働くのか、働くために食べるのか

    ・ハンムラビ法典だけでなく人権も株式会社も全て神話であり想像上の秩序である。

    ・貨幣は普遍的転換性と普遍的信頼性に基づいている。それがゆえに、忠誠や道徳性、愛といった「値のつけられないほど貴重なもの」を転換可能とする。また貨幣を通じた信頼は人間やコミュニティにおける価値ではなく貨幣自体や経済制度における信頼となる。
    金に目がくらむというのはまさに言い得て妙。

  • 出だしから圧倒された。
    ホモ科ホモ属におけるホモサピエンス以外の種(生物学的に我々の兄弟と呼べる存在)を(おそらく)サピエンスが殲滅したこと。7万年前までは生態系の中で小さな一点でしかなかったサピエンスが生態系の頂点に君臨した決定的要因は認知革命であること。これは虚構を信じる力であり、これによって他の生物種にはない、大多数が柔軟に結合された集団の形成が可能になったこと。そして原始の世界では例えば神木を崇めるような形態での共同体形成だったものが、現代では国家や宗教や法人という形態であること(すなわちこれらも虚構)。農業革命は最大の詐欺であり、種としての数的繁栄には決定的な役割を果たしたが個体の栄養状態や幸福には逆行するものであったこと。現代の家畜の惨状。現代の人間至上主義もまた宗教の一種であり、近々他の価値観にとって替わられる可能性があること。
    などのテーマについて、それぞれにわかりやすい例えや考え抜かれた表現での説明が組み合わされており、とにかく圧倒された。

  • つまらないので途中でやめた

  • 面白かった。生物学的・考古学的な視点と中世近代などのいわゆる歴史の視点を通史で説明してくれる本は今まで読んだことがなかった気がする。ジャレド・ダイヤモンドの名著「銃・病原菌・鉄」に並ぶ知的興奮があった。
    特にホモ・サピエンスがなぜデニソワ人やネアンデルタール人を押し退けて唯一の人類として生き残ることができたのか?なぜひ弱な雑食性のサルの一種だった生き物が万物の霊長の座に君臨することができたのか?
    産業革命よりも、もっとずっと重要な革命が人類には起こっていたこと。SF小説のようなワクワクがあった。
    特に最近読んだコミック版「星を継ぐもの」はホモ・サピエンス対ネアンデルタール人の話だったので、色々思い出して楽しかった。

  • これまで人間と他の動物との違いは「本を読むこと(生物的な時間と空間の制約を超えた情報伝達ができること)」と考えていたが、それ以前の段階があったようだ。

    本書で「認知革命」として紹介されている「実体のないもの」を認識する能力、これこそがサピエンスを他の人類から切り離した力だったのだと。

    それまでは生物界ヒエラルキーの下位にあり、コソコソと死肉の残りカスを漁っていたみすぼらしい人類が突如として万物の霊長となったはよいが、本来は進化の過程で身につける百獣の王たる風格もなく、分不相応な力を持った弱者の共通点である「残忍さ」を遺憾なく発揮して他の生物を駆逐するくだりの解説は説得力に富み、哀しい。

    認知革命の結果、人類が少しでもいい目を見ようというささやかな努力を積み重ねて引き起こした「農業革命」の成果は、複製された遺伝子の「量のみ」であり(企業の評価指標がキャッシュのみであり、従業員満足度や社会貢献度ではないという例えはわかりやすいが強烈な皮肉だ)、代償として支払った生態系の大破壊とストレスフルな生活と広がる一方の格差というのは「地獄への道は善意で踏み固められている」の格言そのままである。

    見ず知らずの人間を共通の目的に向かわせる最強のツール「通貨」は必然的に経済のグローバル化を加速する。グローバル化の行きつく先は多様性のない、最初から勝ち負けの決まった残酷で単純な世界なのだろう。

    まっぴらごめん。それ以外の言葉が出てこない。

  • 【もともとバーチャル】
    おもしろい!

    下巻をはやく読みたいが、まだ入手できてません^_^

  • あまりにも色んな人から勧められるので、読んでみたらとても良かった。価値観を問い直せる。上下巻ですごく長いけど、項目ごとに独立しているので、しばらく間が開いても問題なく再開できる。

  • 地球に人類が誕生してから帝国主義が生まれるまでの歴史、またその背景が詳しく考察されている。
    要所要所の表現にユーモアが含まれていて読みやすく、また説明における抽象と具体のバランスがよくわかりやすい。

    間違いなく読んで損はない一冊!

  • 人類が誕生してから今日までの歴史が、我々の生活にどのように関係しているかを解きほぐしてくれる。
    我々が絶対だと思っている人権や平等等の概念も長い歴史の中から見れば一つの考え方にすぎない等、様々なものの見方を教えてくれる。
    歴史の教科書みたいに退屈な内容になる内容を、筆者の絶妙な比喩で飽きさせない。邦訳もすばらしい。下巻が楽しみ。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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