- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492555989
感想・レビュー・書評
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現役の経営コンサルタントです。素晴らしいの一言。「考える力」について、数多くの名著を引き合いに出しつつ、「あるある」なビジネスシーンに対して痛快に解説してくれます。
本書はコンサルタントに限らず、全社会人にお勧めします。特に、若手2-3年目くらいの方に刺さるのではないでしょうか。逆に、5年以上のキャリアを経た人で「目から鱗」だった人は、真面目に危機感を持った方がいい。
これだけ文字が多いのに一切退屈を感じさせないのは、まさに本書が論理的に構成されていることに他ならない。気持ちいいほどに読みやすいです。他のロジシン関連の本ほど尊大な口調でないことにも好感を持てます。現役時代はさぞ優秀なコンサルタントだったのだろうと想像します。装丁も綺麗なので、ずっと置いておきたくなる一冊。
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頭の良さは3種類
物知り(知識・記憶力)
機転が利く(対人感性力)
地頭がいい(考える力)
地頭の構成要素
ベース: 知的好奇心、論理思考力、直観力
3つの思考力:
仮設思考(結論から考える)
フレームーク思考(全体から考える)
抽象化思考(単純に考える)
地頭力にはひらめきを伴う右脳的な思考、「アート」とも言える直観力が必要
回答者の目の輝きと地頭力は比例する
狭義の仮設思考は「結論から考える」だが、「最終目的地から考える」と解釈することで適用範囲が広がる
「情報がない」という認識が間違っている。必ず何らかの情報を持っているのにそれを使おうという姿勢がない
「嘘でもいいから」は「現在分かっている情報だけで」の言い換え →「仮設思考してみよう」
話が長いとは
1. 話の内容がつまらない・分かりにくい・聞き手の興味に合ってない・趣旨から脱線している
2. 所定の時間をオーバー
3. いつ終わるか分からない
ポストイットで整理して行く方法は、ボトムアップ的アプローチのため、思考の癖から脱却できず、完全に斬新なアイデアを抽出しにくい
フレームワークでは、「その他」を作ったり、安易に改良してはならない。「その他」とは思考停止の兆候
全体パフォーマンスはボトルネックで決まる。最終結果の精度を決めるのは「一番精度が低い」部分であり、それ以外のところは詳細に落としても精度向上に繋がらない
選ばれたフレームワークが「専制的」になるデメリットはある。そのため、まずフリーにアイデアを抽出しつつ、並行して最適なフレームワークを選択する
本質を理解していれば30秒で説明できる
世の中で起きていることは、根本的な構造は全て同じになっていることが多い
たとえ話の効用
話のポイントを正確に把握していることを一言で表現し、それを一瞬にして相手に伝えられる
例に出すことで、今後の対策や課題を議論しやすい
守りの論理と攻めの直観
知的好奇心の2種類
問題解決に対する好奇心 Why
知識に対する好奇心 What
X軸で考えてY軸で行動できるのが地頭多能人
地頭力とは、突き詰めると「離れて考えること」
こちらから向こうへ離れるのが仮説思考
部分から全体へ離れるのがフレームーク思考
具体から抽象へ離れるのが抽象化思考詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
期限を切って限られた時間を制約条件として仕事する癖付けする。
タイムボックス。限られた時間の中で答えを出す。3分なら3分なりの、3週間なら3週間なりの答えを出す。
少ない情報で仮説を立てる訓練。立てた仮説を検証して行く。
手段からではなく、目的から考える。
仮説思考
売れないセールスマンになるな。
自分の説明したいこと、売りたいことの説明だけの自分勝手なプレゼン資料を作るな。
顧客にとってどんな情報が必要で、購入のための決め手は何で、顧客中心に考える。
会議がミステリー列車になってないか。
人生設計は自分の葬式から考える。(7つの習慣)
本を読む姿勢もそうで、何から何まで逆説思考をすること。
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タピオカ屋さんの年間売上高ってどれくらいなんでしょうね。。。 今度フェルミ推定してみよう。
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知識創造モデルが、情報の氾濫や検索サービスの進化により、どう変化しているのかを、考えるために一読。
X軸:情報思考力
Y軸:対人関係力
Z軸:字頭力
XYが大事であった時代から、専門知識を含め情報、知識調達のサービスが充実したことで、YZが大事な時代へとシフトしていると指摘。
仮説思考力が問われているのに、思わずググらせて!と反応したくなるが、そこで自分の情報依存度に気づかされる。 -
なるほど、自分のことを「知的好奇心が旺盛」というのはもう辞めようと思う
知識型(What)はクールじゃない -
考え方について。
フェルミ推定のパートが蛇足に思えた。 -
知識を得るための読書をやめよう。
地頭力、ひいてはビジネス思考力を養うのに、フェルミ推定が適しているという。
手持ちの情報と仮定を用いて、粗くもゴールまでたどり着く。ゴールまでの道のりを単純明快に、素早く示すことが重要。わからないから進めないではなく、わからないなら仮定を置いて進める。
「できること(十分思考)」からやるのではなく、「やるべきこと(必要思考)」から考える。
ビジネスは答えのない問題ばかり、常に情報は不足している状況下で答えを出す必要がある。
ーアクションー
・ゴールまでの道のりである目次を作ってから仕事にとりかかる
・報告書はメインメッセージ→根拠の順番で仮置きして、あとは検証作業を進める
ー例題ー
・シカゴにピアノ調律師は何人いるか?
・世界中で1日に食べられるピザは何枚か?
・琵琶湖の水は何滴あるか?
・日本全国にゴルフボールはいくつあるか?
・東京都内に駐車禁止の道路標識はいくつあるか?
・日本全国に郵便ポストは何本あるか?
・世界の1日の携帯通話時間の合計は延べ何時間か?
・国会図書館の蔵書数は何冊か?
・・・
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羊頭狗肉
フェルミ推定の話は導入程度
あとは、視点の転換とか、よくある話