V字回復の経営―2年で会社を変えられますか

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532193423

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書の名著。今まで読んでなかったことが残念すぎる。

  • 今後のビジネスのバイブルになり得る名著。

    自身の勤める会社も今経営がうまく行っておらず、
    まさに、と思うことが多くあった。

    改革を進めるためには、
    とことん戦略を突き詰め、落とし込む、という当たり前のことには、血の滲むような行動とそれを実現する熱量が伴うということ。

    なんだかうちの会社調子悪いなー、とか思っている方には、これを読んで強烈な我が事感を持って仕事に当たる情熱を改めて認識してほしい。

  • 落ち込んだ大企業の改革ストーリー。スモールイズビューティフル=元気な組織とは感情の起伏の激しい組織であり、褒められたり、悔しかったり、痛かったりを豊富に体験させる組織などは特に納得した。

    成功している高成長企業では組織が頻繁に変更され、社員の異動が日常茶飯事でいつも社内はガタガタしている。あまり長い期間、異動のない人はかえっておかしいと見なされかねない。
    事業内容がいつまでたっても変わらない低成長組織では人事異動は一大イベントだ。誰が昔どこの部署にいたか、他人の異動歴まで皆が実によく知っている。

    業績の悪い企業ほど組織の雰囲気がたるんでおり、逆に業績の良い組織は社内はピリピリしている。

    不振事業では時間経過は原因と結果の因果関係が複雑化し、解決のボタンが見えなくなる。選択肢が減少していくことを意味する。

    普通の人間は誰しも自主努力だけで簡単に自分を変えることはできない。心に大きな影響を及ぼす何らかの出来事がない限り、自分の価値観、行動パターン、好き嫌い、リスク感などを自発的に切り替え、習慣を崩し、突如として革新的な行動に出ることなど容易ではない。組織も同じ

    事業を先導する経営者にとって、経営的人材の育成において、もっとも重要な要素は高い志

    日本企業の強みは社員の平均レベルの高さだ。社員をクビにすることで利益性を上げるのではなく、その会社に今いる人が強いリーダーの下で戦略ストーリーを共有し、心を1つに頑張れば日本企業はとてつもない強みを発揮する余地を残している。

  • 現状の仕事の進め方に不安があり読んだ。

    赤字事業になっているが社員の意識が低く、深刻な事態であるということにも気づいていない状況。そんな中、凄腕経営者と敏腕コンサルがあらわれ問題を解決していく。

    組織が複雑に入り組み身動きできていなかった従前の姿に自分の会社と同じ状況を見た。みながそれぞれがむしゃらに働いてもダメで、組織を固め戦略を立てた上で進めることの重要性を改めて考えさせられた。

  • 経営者向けだと感じた。もしかしたら私には経営者的視点がまだまだないからそう感じたのかも。

    ある企業の業績を2年で回復させると決めて、社内の問題を洗い出し、人事整理や組織変更をして、戦略を決めていく。
    社内が活性化して、経営者的視点を持った次の人材が出てきて、見事V字回復を果たす。その過程をつづってあります。

    トップや上の役目は、現場が動きやすい環境を整えること、目標を示すことなんだと思った。
    動きやすい環境というのは、手を出しすぎず、後ろ盾でいること。

  • 自分の会社に停滞感を感じている人、なんだかモチベーションが上がらずモヤモヤしている人にオススメ。
    自分のサラリーマン人生で、まさに本書のような危機的な状況に陥った経験もなく、日々の意識的な努力の積み上げと経験が必要だと感じた。

    いつか黒岩さんのようなヒーローが現れないか、もしくは自分がいずれこのような変革的リーダーでありたい。

  • 記録

  • 名著(らしい)

  • 三枝匡三部作の三冊目。
    本書ではとくに、経営者的人材がどのようにして育ったか、が記載されている。
    トップやミドルの熱さと、反対勢力に負けない緻密なロジックが改革のキーと書かれている。

    また、従業員全員が戦略を理解する必要がある。開発や生産部門は、性能を語るのではなく、クライアントにどんな価値を生むのか、を意識しなければならない。クライアントの工数が減る。クライアントの売上が伸びる。など。

    戦略、ビジネスプロセスに加え、マインドを変えることが改革には必須であり、それには全員が同じ方向を向き、自分の行動の良し悪しを判断できる仕組みづくりが必要。

  • 2019年7月読了。
    なんか「あるある話」というかすごく既視感の強くとても身につまされる印象の一冊。イチイチ納得というか、「ああ、こんな話ってあるよなー」と思いながら読んだ。要点は巻末にまとめられているので振り返りをするのも便利。

    10ページ
    「企業戦略の最大の敵は、組織内部の政治性である」
    →能力や気力の有無、ポジション、業績、好悪等々の属人的な要素が複雑に絡まっているので、理論や理屈だけで会社の次のアクションは変わらない、変えられない。

    29ページ
    日本の伝統的企業には、「そと者」を心理的に区別する態度が世間的に古臭い習性になっていることにいまだに気づいていない社員が多い。
    →これは自戒を込めて。「自分はオープンな人間である」なんて自己評価するようになったら怪しいと思った方がよい。直ぐに保身に走るのが自分の傾向。

    73ページ
    「開発陣が「顧客メリットの構造」「顧客の購買ロジック」を完全に把握していない。それでよく開発ができるものだ。」
    →開発分野だけの話ではないと思う。独りよがりになってはダメ。

    86ページ
    「代理症候群が広まると組織の各レベルにミニ大将がはびこりだす」
    →ゆえに組織の中の人は流動的であった方が良いと思うし、組織そのものも固定化しないような仕組みが必要だと思う。

    130ページ
    (前略)停滞企業の病気をその会社の「社内常識」でいくら分類したところで、抜本的解決の糸口は見えないことが多い。
    →本書ではゆえに人の集団が共通化できる問題点を整理し、それによって同じベクトルで解決の道筋を見出そうとするようになると続く。

    138ページ
    「「創って、作って、売る」は企業競争力の原始的構図であり、それをスピードよく回すことが顧客満足の本質である」創る=開発、作る=生産、売る=販売、というのが商売の基本サイクル。

    144ページ
    「創って、作って、売る」を体系化/経営理論化したのがバリューチェーンの理論。

    154ページ
    分業化、規格化でモノ作りの楽しさから遠ざかる、賃金さえもえらえればよいという人が増える、こういったことが工場労働者だけでなく、ホワイトカラーにも20世紀の後半の日本企業に起きている。「パーツ職人」になっているのではないか。

    166ページ
    経営改革において、「組織の再構築」と「戦略の見直し」はワンセットで検討することが不可欠である。現実には、組織をいじり回すことを先行させてしまう経営者が圧倒的に多い。
    →確かに。紙に書かれた組織をいじくりまわしてしまうのは簡単だし着手しやすい。

    169ページ
    セオリーや原則論を外部から学んで初めて、ようやく内部の問題が見えてくる。
    →ゆえに仕事しているだけという状態は是非回避したい。

    179ページ
    「逃げれば逃げるほど、中途半端な結果に」
    →これも自戒もの。

    206ページ
    「組織のカルチャーを変えるには、一気呵成のエネルギーを投入しなければだめなんです」
    →そういうもんだと思います。

    315ページ
    強い経営的人材プールを社内で作る。
    →「マネージャーだの○○長だのと肩書を増やすと実作業をする人が減って困る」とじつにしばしば言われるけど、そうではないと思う。いや、確かに役職名だけ華々しい人が必要というわけではなく、経営を担える人の総量を増やすことで会社はできることが増えると思う。

    319ページ
    「人事体系に合いません」
    →実にしばしば言っている「思考停止ワード」。こうやって言うことによって何かをした気分になっている。必要なことは規則を盾にとって人の登用を妨げることではない。最適な人を最適なポジションに据えることだと思う。

    348ページ
    成功する改革はリーダーの下でまとめられる「強烈な反省論」から始まる。
    →でも上位者や他部署をあげつらうことが目的ではない。自分も反省すること。

    410ページ
    株主を重要なステークホルダーとする考えも結構だが、その株主の多くは「この会社が安くなる」と見極めるや否や株を手放していく人であったり、逆に好調な時だけお金を落としてくれるだけの人。翻って社員というのは良きにつけ悪しきにつけ長く会社と運命を共にしている(日系企業ならまだそんな所が多いのでは)。

    413ページ
    不振企業は上も下も同じようなマインドがしみ込んでいて相当に無責任になっている。「俺だけは違う!」なんて言っても五十歩百歩。

    430ページ
    成功の要因とステップの一連の記載。繰り返して読める。

    437ページ
    「高い志」と「魂の伝授」
    →こういう言い方をすると得てして「胡散臭い」と言ってしまいがちだが、人間はなかなか論理や理屈だけで動いてえるほど頭はよくないし、心が冷たいわけではない。核心となる部分にタッチできるように声をかけたり、人に訴えったりしないとうまくいかないなというのは最近の世の中の色々な現象を見るにつけ思うこと。冷笑しててはダメなのよ。

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著者プロフィール

(株)ミスミグループ本社名誉会長・第2期創業者。一橋大学卒業、スタンフォード大学MBA。20代で三井系企業を経て、ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号コンサルタント。32歳で日米合弁会社の常務、翌年社長就任。次いでベンチャー再生等二社の社長を歴任。41歳から事業再生専門家として16年間不振事業の再生に当たる。2002年、ミスミCEOに就任。同社を340人の商社からグローバル1万人超の国際企業に成長させ、2021年から現職。一橋大学大学院客員教授など歴任。著書4冊の累計100万部。

「2023年 『決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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