真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ (ポプラ文庫) (ポプラ文庫 お 7-1)
- ポプラ社 (2011年6月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124796
作品紹介・あらすじ
都会の片隅に、真夜中にだけオープンする不思議なパン屋さんがあった。あたたかい食卓がなくても、パンは誰にでも平等に美味しい。心地良い居場所を見つける物語。
謎多き笑顔のオーナー・暮林と、口の悪いイケメンパン職人・弘基が働くこの店には、パンの香りに誘われて、なぜか珍客ばかりが訪れる……。
夜の街を徘徊する小学生、ワケありなオカマ、ひきこもりの脚本家。
夜な夜な都会のはぐれ者たちが集まり、次々と困った事件を巻き起こすのだった。
家庭の事情により親元を離れ、「ブランジェリークレバヤシ」の2階に居候することになった
女子高生・希実は、“焼きたてパン万引き事件”に端を発した失踪騒動へと巻き込まれていく…。
期待の新鋭が描く、ほろ苦さと甘酸っぱさに心が満ちる物語。
人気漫画家の山中ヒコ氏が装画を担当
2013年4月に滝沢秀明主演でドラマ化!
感想・レビュー・書評
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いい話ばっかり。皆色々な事情を抱えているけれど、このパンやさんに来ることで新しい人生を歩んでいく。ここ最近読んだ本で一番お勧めかもしれない・・・。(о´∀`о)
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パンを買って帰りたくなり、駅の近くのパン屋で、シナモンの効いたフレンチトーストを買って帰りました。
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何気に取ってみて読んでみたけど…。すごく面白い1冊でした。
真夜中のみ開く不思議なパン屋さん。そのオーナーとパン職人。
そして突如居候する女子高生と3人を軸に物語は進む。
序盤は辛い内容だったけど。
関わる様々な人達で温かい心を取り戻す過程。
後半はパン屋の2人の過去にもスポットを当て。
読みやすく、読了感も心地いい。
このシリーズもまた追いかけようと思います。 -
夜中に開店するパン屋、ブランジェリークレバヤシに集まるちょっと生きにくい人々を描いた物語。
オーナーの暮林さんとブランジェの柳さん、それぞれに辛い過去がありながら、いや、あるからこそ(?)、育児放棄がちな母の下で育った希実とこだまを受け入れて支援する。いろんな社会的問題も描きつつ、登場人物たちの優しさでホッコリさせる話ばかり。
いくつか出ている続編も読みたい。
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「ばら色タイムカプセル」もタイトルに反して重たかったので、覚悟はしていた…
けれどそれ以上に重い…ネグレクトという虐待の残酷さ。ひたすらに親の愛を求める子の健気さが読んでいて辛い。
「窓際のトットちゃん」を読み終えてすぐにこちらを読んだのだが、子供にとって親にかけられた言葉や愛情は、良くも悪くもその子の中にずっと残るのだと思う。否定され、疎まれて育てば自信を持てないまま。愛され、満たされて育てば自分を誇れるように。
「誰も知らない」みたいな展開にならなくて良かった。パンが食べたくなりました。 -
図書館で、シリーズものというところと、「パン屋さん」というワードが気になり借りた。パンの描写が美味しそうなのは言うまでもなく、登場人物それぞれの悲喜交交の人間ドラマが詰まったお話。
あーパン屋行きたい! -
真夜中が開店時間というちょっと変わったパン屋さん。
首都高と国道246が重なり合う町の~駅からはちょっと離れたあたり。
男二人でやっているその店に、高校生の女の子が転がり込んだ。
篠崎望実は、なかなか家にいつかない母親にネグレクトされて育っていた。
ある日、家に帰ると母親の荷物がなく、手紙には異母姉の暮林美和子の元へ行けとあったのだ。
パン屋「ブランジェリークレバヤシ」のオーナーは、美和子の夫だが、美和子は事故で急死した後だった‥
当然のように~望実を受け入れる暮林。
白いコックスーツを着た30代後半の、眼鏡をかけたいかにも人がよさそうな男。パン作りも習っているが、主にレジを担当。半年前までは海外勤務のサラリーマンだったのだ。
パンを作っているのは若くてハンサムな柳弘基で、黒いコックスーツが似合う。こちらは口が悪い。
望実は弘基とはすぐ口喧嘩になるのだったが。
学校でいじめに遭っている望実だが、気丈に対処していた。
ある日、パンを万引きしようとした男の子こだまを見つけ、その子の家を訪ねると、後で母親が殴った様子。
しかも、何日も母親が家を空けることを知り、何かと世話をすることに。
こだまは、健気にも、大好きな母親・織絵ちゃんの帰りを待つために家にいると言い張るのだが‥
何かと店を手伝うようになった望実。
パンの宅配も受け持つことになったが、配達に行った先でまた思いがけない出来事が。
それぞれにかなり強烈な過去を抱えた登場人物たち。
急いで読むと、虐待を含む不幸の連鎖に押しまくられそうになりますが。
しっかり踏みとどまろうとする意思や、若々しい勢い、何気ない人のあたたかさに救われます。
おだやかな暮林の生き方。やりがいのある国際組織での仕事に熱中していたのだが、突然妻を失って、途方にくれたこの半年。
弘基の憧れの女性だった美和子だが、実は暮林と出会った若い頃にはきつい性格だったとは。
「心を半分あげる」と美和子に言われたその意味とは‥
救いがなさそうなほどの過去に縛られた思いが、いつの間にかふっとほどけるその瞬間に立ち会えて、じわりと泣かされます。
著者は1975年、岐阜県生まれ。
脚本家として活躍するかたわら、2005年坊ちゃん文学賞大賞を受賞して小説家デビュー。
この作品は2011年6月発行。-
暮林と弘基、オセロのようなふたりの組み合わせが面白くて
クセがあるけど気のいいお得意さんたちとの繋がりも温かいお話でした。
ドラマ化が決まっ...暮林と弘基、オセロのようなふたりの組み合わせが面白くて
クセがあるけど気のいいお得意さんたちとの繋がりも温かいお話でした。
ドラマ化が決まったみたいで、ちゃんとイメージにあったキャスティングだといいなぁ。。。
と、今からドキドキしています(*'-')フフ♪2012/12/16 -
そうそう、オセロみたいに対照的な二人ですよね☆
お得意さんたちも変わっているんだけど、なかなかいい味出していて。
ドラマ化ですか!確かに出来...そうそう、オセロみたいに対照的な二人ですよね☆
お得意さんたちも変わっているんだけど、なかなかいい味出していて。
ドラマ化ですか!確かに出来そうですね‥
キャラがはっきりしていて演技はしやすそうだけど、見た目も大事だから~どうなんでしょうね。それは~ドキドキです♪2012/12/16
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白いコックスーツに柔和な笑顔のオーナーと
黒いコックスーツの毒舌美青年ブランジェが
真夜中の6時間だけ開けているパン屋、ブランジェリークレバヤシ。
ブクログ仲間さん達のレビューを読んで、気になっていた本です。
性格も容貌も、まるでオセロのように真逆の
オーナー暮林とブランジェ弘基の元に集まってくるのは
まるでカッコウのように、奔放な母親にあちこち托卵されて育ち
いつも何かに腹をたてている女子高生の希美
ネグレクトの末に家を飛び出した母親を家で待ち続ける小学生こだま
愛する人の行末を心配するあまりのぞき魔と化し、
町内のあれこれにやたらと詳しくなってしまった脚本家、斑目
「ちちんぷいぷい、綺麗な女になあれ」と自分に魔法をかけて
嶽山大地という男性から(心だけは)誰よりも女らしく変身するソフィア
などなど、かなり変わった事情を抱えた、愛すべき人たち。
やむにやまれず、お互いの事情に巻き込まれ
真夜中に焼き立てのパンを一緒に頬張りながら
パン生地がオーブンでふっくらと膨らんで焼けていくように
彼らの心がやわらかく呼吸し始める物語です。
自分はヘンタイだと卑下しながら、関わった人の事情を慮り
パンをどんどん追加注文してしまったり、調べものに励んだりしてしまう
実はお人よしで親切な斑目と、
売り上げを持ち逃げされて店を手放したのに、退職金をきっちり払って
段ボールハウスに住む破目になり、
それでもこだまの母親役を全うしようと張り切るソフィアが
とてもチャーミングで、好きにならずにいられない♪
その笑顔で周りの空気を柔らかく温め、
その人がその時ほしくてたまらない言葉をくれる暮林が
自分では人の気持ちに疎い、心がない、と思い込んでいるのが
まるで「オズの魔法使い」のブリキマンのようで、切なくなったりして。
脚本家として活躍されていた作家さんとのことで
会話文に比べて地の文がちょっとだけ読みにくかったりするけれど、
生き生きとしたセリフと、愛すべきキャラクターが存分に楽しめる1冊です♪-
ドラマのような小説だと思いました。映像が浮かぶような感じ。
僕にこの本を紹介してくれたのは、暮林さんのような人。
斑目&ソフィアは気にな...ドラマのような小説だと思いました。映像が浮かぶような感じ。
僕にこの本を紹介してくれたのは、暮林さんのような人。
斑目&ソフィアは気になる存在ですね。綾乃(だったか?同級生)の今後が気になる。2012/09/16 -
だいさん、コメントありがとうございます!
ほんとうに。このまますぐドラマ化できそうな作品でした。
そうなると、斑目とかソフィアは誰になるん...だいさん、コメントありがとうございます!
ほんとうに。このまますぐドラマ化できそうな作品でした。
そうなると、斑目とかソフィアは誰になるんだろう。。
。頭の中で目まぐるしく妄想キャスティングが始まってしまいそうです(笑)
綾乃ちゃんがその後まっとうに生きられることを、私も願っています。
それにしても、暮林さんのような方にこの本を薦めてもらえるなんて素敵なことですね♪
この本は第二弾も出ているようなので、楽しみです(*^_^*)2012/09/17
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想像したのと違ってたけど、すごく引き込まれてしまいました。
ネグレストやいじめとか家庭不和とか、結構重たいことを抱えてるのに、フワリと漂うパンの香りに、ふっと心が軽くなるお客さん達…
パンって『全ての人に平等な食べ物』なんだ、というフレーズが印象的です。
パンのように軽やかな文章で、和める作品だと思います。