ウエハ-スの椅子 (ハルキ文庫 え 2-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758431026

感想・レビュー・書評

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  • 奥さんと子供のいる恋人との付き合いが淡々と、そして江國さんの言葉で綴られる。
    自分や人を物に例えたり、度々幼い頃や死んだ人たちのことなんかが出てくる。
    そして、恋人との関係に絶望するが、決して抜け出せない自分がいる。

    2015.2.5

  • 相変わらず狂ってる。

    大切なもの以外は出来る限り削ぎ落として生きていきたい、と感じた。

  • 不幸せなのに幸せ
    幸せなのに不幸せ
    ウエハースの椅子みたいに。

  • 彼氏がいるときってそれがすべてになりがちだけど、それじゃいけないのよね。精神衛生的に。

  • 淡々とした物語。
    静かな狂気を感じながら絶望とともに生きる。

    読んでて心がすーんとなる。
    しとしとと雨が降る深夜に似合う。

  • 私はあの白いウエハースの、きちんとした形が気に入っていた。もろいくせにみごとにスクエアな、きちんとした、ほそながい。私はそれで椅子をつくった。小さな、きれいな、そして、だれも座れない。

    壊れるとわかっているのに一生懸命つくり、壊れては泣く、でもまた一生懸命つくってしまうわけです。
    切ないなぁ、、、

  • 孤独なのに温かい。
    読んでいると不思議と主人公の子供の頃の描写と共に私の子供の頃の風景がくっきり思いだされます。
    今まですっかり忘れていた家の中や小学校の様子や妹とのやりとりが。

    そして何よりも、ウエハースの椅子の話、お話の中にあるのとおんなじことをしていたことを、はっきりとウエハースの手触りや匂いと共に思い出したのは本当にびっくりでした

  • 恋愛選書きっかけで。
    久しぶりの江國香織さん。
    前は直木賞受賞作の「号泣する準備はできていた」を読んで、ちょっと苦手かな…と思っていたが、
    今作は文章がとても美しく、表現が独特で、するする読めた。けどストーリー性がないので、私の好みには合わなかったかも…。
    恋愛選書きっかけで江國香織さんはあと2作品購入していて、そちらはストーリー性がある作品なので楽しく読めたらいいな。

    ✎︎____________

    ウエハースの椅子は、私にとって幸福のイメージそのものだ。目の前にあるのにーーーそして、椅子のくせにーーー、決して腰をおろせない。

    淋しさは、突然ぽっかりと口をあける。私はそのたびに足元をすくわれて、まんまとそれにのみこまれてしまう。

    愛されても愛されても足りないから。愛されれば愛されるだけ足りなくなるから。きりがないから

    感情を言葉にしたというよりも、言葉が感情をつくるみたいだった。

  • 古本屋で購入しその日から2日で読み終わりました。日記を読んでいる感覚に似ていた。しかも自分の。私も今、絶賛恋愛中。どっぷりハマってしまっているので自分の日記にそっくりだった。言葉のつかいかたがとても綺麗で感動した。記憶をなくしてもう一度読みたい。

  • 儚くて、薄暗くて、ひんやりした空気感がとても好きな作品だった。
    主人公はお育ちがよろしそうだなあ、江國さんみたい。女の人好みの作品な気がするけど、男の人でもこの本が好きっていう人いるのかな。

    姉妹の関係性が素敵だった。
    妻子持ちの男と6年も付き合っている主人公と、ひとりの男と半年以上続いたことのない妹。
    妻子持ち不倫なのに、彼女の妹とも仲良くしてるのすごい。妹がいなかったら主人公はもっともーっと世界から隔絶されて閉じ込められているような、現実世界に生きていないような気持ちになっただろうな、と思う。

    主人公みたいに穏やかに、水泳に行きたくなったら行き、お風呂に入りたくなったら入るように、思い立ったまま自然に生きてみたい。わたしは気合い入れないと動けないから。主人公は雨の日によく水泳に行きたくなるみたいだったけど、わたしは逆に雨の日は行きたくなくなる。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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