- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758431026
感想・レビュー・書評
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2022年2月28日読了。
それほど分厚い文庫本でもないのに、読むのに時間がかかった。それくらい、この話に入り込めなかった。
死というテーマが出てきて、何か展開するのかと思ったけど、特に何も感じられなかった。死がどうのこうの、という話は出てくるのだけど、何が言いたいのかよくわからなかった。そして全体的にも何の話だったのだろう? という感想。
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言ってしまえばこれだけのことが、江國さんの言葉の紡ぎでとても魅入られる話と感情だった。
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恋人と常に愛の言葉を交換しながらも、満ち足りているのか寂しいのか、常に混乱している主人公。それにしても「僕はあなたと、世界じゅうで星をみたい」だとか「いつかマジョルカ島に住んだら」などと言い合えるのは素敵だと思ってしまった。
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言葉遣いや物事の表現の仕方はすごく丁寧で優しい文章なのに、その中に果てしない絶望と悲しみが織り交ざっていて不気味というか、不思議な小説だった。
トントン拍子で物語が進むのではなく、全体的にぬるっとした感じで進んでいく。季節の移り変わりとと共に主人公の恋人との関係性や妹の彼氏についてが淡々と書かれていた。でも最後には必ず絶望が登場する。恋愛には絶望が必要不可欠なのだということを言いたいのかなと思ったが、わからなかった。 -
「私の恋人は完璧なかたちをしている。そして、彼の体は、私を信じられないほど幸福にすることができる。すべてのあと、私たちの体はくたりと馴染んでくっついてしまう」―三十八歳の私は、画家。恋愛にどっぷり浸かっている。一人暮らしの私を訪ねてくるのは、やさしい恋人(妻と息子と娘がいる)とのら猫、そして記憶と絶望。完璧な恋のゆく果ては…。とても美しく切なく狂おしい恋愛長篇。
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生きているということは、ゆるやかに死んでゆくこと。寄る辺なく、浴槽に浮かぶ。子ども時代の、空間に馴染めず、言葉が意味をなさず、ずっと居心地のわるさを覚えていた感覚を思い出した。自ら逃げ出すことができてよかった。
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「度なんか失い続けてればいい」
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こっちが現実だ。
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登場人物は誰も名前を明確に記されないし、全体的に、薄いベールがかかっているような、曇ったガラスの反対側の世界のような、ぼんやりとした雰囲気を醸している。
ジュリアンのような「愛情の扱い方がわかっている」人になれれば良かったのだけれど、病院で見かけた犬に自分は似ていて…
「何の過不足もないのに欠落している」という表現がとてもリアルだった。