- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784833419369
感想・レビュー・書評
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2012-2
図書館で借りた。自分のあまり手をださなかった範囲だが予想外に面白く読め、良い出会いとなった。
上質とは愛されることであり、手軽とは必要とされることである。
同時に達成しようと欲張ると「不毛地帯」に陥る。
言われてみればその通り。上質なものにはストーリーを求める。
ティファニー、コーチ、スタバが欲張って失敗、マックも一時失敗した。
確かにコーチがアウトレットで積み上がっている様は「special」を求める側からは萎えるわ。自分の実感とも非常に一致していた。
appleもipodだけではやばかった、iphoneやipadでなくてはならないものに進化させた。
でも、そうなるとiphoneは手軽と上質どちらも達成していないか?あれ、疑問。
それはとにかく、自分が売れ筋商品、欲しい商品を見るときに「上質」「手軽」という視点を挿入できた。人に説明したくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「戦略とは捨てること」という謳い文句に引かれて購入。
上質と手軽という二軸で一貫しており、非常にわかりやすい。
ただ、ほとんどが事例集になっており参考になるが飽きやすい。 -
上質に走るのか、手軽に走るのか。
ポジショニングにおけるbest of bothはありえないという主張。
要は「選択と集中」に時間軸のイメージを付与したような展開でしょうか。
一時期成功していた上質、あるいは手軽さによる差別化も
時代の変遷、特に技術進歩により、
すぐさま競争優位性はなくなる(これを不毛地帯と呼ぶ)。
この議論は、上質に行ける裁量があるなら
上質を目指す方がリスクヘッジできる気がします。
「上質はオーラ・個性・経験で構成される」ということですが
この3つで構成されたプロダクトに対し、プライシングをどうするか
という点が非常に難しい。
よく言われる話ではあるが、
成功するにあたりどういった点が必要なのかは難しいお話。
納得する点は非常に多いので、読んでみても良いと思います。 -
ブルーオーシャン等、経済の本をまとめたような感じの本。
差別化を図るためには、中途半端にとどまるのではなく、極端で魅力的な製品を出せという話を、手軽と上質というキーワードで置き換えた本。
もっとも、よく書けているなと思ったのは、雛とタマゴ問題があったときに、時間がかかりすぎると、新たな製品による他の製品にとって変わられるという話。
これは、注意が必要かな。
ちなみにこの本の本質は、ユナイテッド航空のイールド・マネジメントシステムによって手軽さと上質の両取りができた事実があり、それによってこの本の根本的な主張を論破してしまった事だろう。
ルールを変えること、これが経済でかつ特効薬だろう -
上質さと手軽さのトレードオフ、それだけ聞くとどこにでもある何かの比較を取り上げただけ、と思われるかもしれないが、読んでみると単純ではない、核心をついた比較であることがよくわかる。
実例を取り上げながら、上質さを人に愛されるか、手軽さを人に必要とされるか、と具体的に言い換え、そのどちらかに秀でていなければ不毛地帯に陥り、誰からも愛されない、必要とされないものになっていく、と述べられている。
実例がアメリカの企業ばかりであるので、馴染みがない企業も多く、ピンと来ないものもあったが、この命題を証明する十分な解説がされてある。
読みながらこれは企業の戦略だけでなく、個人の戦略についても言えるのではないかと思っていたら、最後の章でそれが述べられており、自分自身の強みを活かせ、と書かれており、これは企業、個人だけではなく、国の戦略としても考えるべき視点であるとされている。
この本の解説があの早稲田ビジネススクールの内田和成さんだということを知らず、最後まで読んで気づいて驚いたのであるが、この解説がやはり大変わかりやすく、また日本企業を例に挙げて述べられているので、短いながらもポイントを抑えた大変良い解説になっている。
一つ残念なことは、実例であげられている事情に詳しくないからか、実例を読み終わって解説されるまで、その事例が成功例なのか失敗例なのか分からず、心構えが出来なかった、ということである。 -
【読書その97】以前読んだ「スミスの本棚」で、アートディレクターの佐藤可士和氏がお薦めしていた本。この本は本当に面白かった。非常にお薦めの本。この本の特徴は著者がUSATODAYのコラムリストをやっていたこともあり、具体的な事例が抱負である。
この本を一番の主張は、成功を目指すには、中途半端ではダメであり、①上質と②手軽の2つを選び、それを追求することである。
上質とは、経験とオーラと個性で表現される。最高の経験、つまりこれ以上ない快適で心にしみいる経験をもたらすものである。具体的にはiPhoneが代表例。また、グッチやティファニーなどの高級ブランドもそうだ。
手軽とは、簡単に手に入るという意味である。それは主に価格が安いことにより得られる。
著者のわかりやすい説明としては以下のものがある。「上質とは愛されることであり、手軽とは必要とされることである」。
同時に達成しようと欲張るとそれは「不毛地帯」に陥るという。どっちつかずの中途半端な商品やサービスしか提供できないものである。不毛地帯の例としてスタバがあげれている。スタバは上質なコーヒーを提供するお洒落なお店として成功したが、その後、さらなる成功を目指し、店舗を拡大しすぎて、普通のコーヒーショップになった。これはまさに上質さにさらに手軽さを加えようとした例である。また、ロック界のスターであるオジー・オズボーンが著名なヘビメタバンドが参加するツアー・フェスティバル「オズフェスト」を、コンサートチケットの高騰を理由に無料化し、失敗したという面白い事例も紹介されている。
ここで注目されるのはアップルである。本著でも指摘をしているが、一斉を風靡し「上質」の代名詞であったiPodも現在では話題になることもなく、手軽なものになった。それにわかるように「iPhone」が現在「上質」の代名詞となっている。しかし、国内をみても、これまで独占をしていたソフトバンクに続き、auが参入し、今度はさらにdocomoが参入を検討しているという。現在では実質ゼロ円でiPhoneを入手できる状況にどのキャリアでも入手できるようになる。iPhoneは手軽へ移行し、これまでの上質さを確保できなくなるのではないか。本著では、iPhoneの流通を絞り、極上のモバイル機器の座を死守するため、研究開発に資金を投じ、価格を高めに保つことにより、ファンをしびれさせるオーラを個性を保つことを指摘している。とはいえ、いつも世を何度も驚かせてきたアップル。スティーブジョブズが死去した今、新しい体制下のアップルがどのような戦略をとっていくか注目したい。 -
事業戦略を「上質」か「手軽さ」に特化させることを説き、両方を求めるのは「幻影」だと位置づけている。新規事業の企画や既存サービスの見直しなどに参考となる一冊。
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本の題名どおり、トレードオフについての話。題名どおり、上質を狙うか、手軽さを狙うか、ということをいくつか事例を交えながら紹介している。やや極論に行き過ぎている気もしなくもないが、自分も仕事で何かを選択する際に、何と何をトレードオフしているかを考えることが非常に増えていたので、そうだよねぇ、とか思いながら読めた。
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「上質さ」と「手軽さ」はトレードオフの関係にある。
中途半端はだめ。自社の勝負できるベクトルを極めるべき。
上質を極めたスターバックスは、多くの出店から手軽さの面が出てきて行き詰まった。
Apple にもその懸念がある。
両方を狙うと、たいてい「不毛地帯」に陥る。
両方を極めるのは「幻影」。めったにできることではない。
戦略フレームワークの一つだが、納得できるところ多し。