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- / ISBN・EAN: 4988104084279
感想・レビュー・書評
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続けて観ている三谷幸喜監督作品の6本目。
豪華な役者陣と緻密な構成と全体・細部に行き渡るユーモアという部分は、他の作品と共通している。大泉洋の羽柴秀吉、中谷美紀の寧が魅力的だ。各作品に「遊び」部分があるのも共通しているが、本作品では、「ステキな金縛り」の西田敏行演じる更科六兵衛が一瞬だけ登場するところが遊び部分。
ウィキには「清州会議」という表記で本会議のことが解説されている(なお、「清須会議」とも表記するという説明もウィキの中にはある)。本能寺の変で織田信長が自害、襲った明智光秀も討たれた後、織田家の後継者および遺領を決定することを目的に開催された会議という説明がなされている。後継者は三法師に決まったという説明もなされており、本映画は、実際の清須会議をなぞったものだ。
中谷美紀が演じるのは、映画では「寧」となっているが、「寧々(ねね)」と呼ばれていることも多いようだ。豊臣秀吉の糟糠の妻にして最高の伴侶であるとの解説がネット上ではなされている。映画でもそれを中谷美紀がうまく演じている。
断片的な感想になってしまったが、他の三谷幸喜作品同様、安心して観ることが出来、楽しめる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もちろん中谷美紀目当てに劇場に足を運んで、もちろん彼女の演技はいつものごとく素敵だったのですが(そしていつものごとく、少しだけこちらを驚かしてくれる)、それよりもなによりも、あそこまで豪華なキャスティングの中で輝ける大泉洋おそるべし!あんな頭(というかカツラ)で、あんなキンキラキンな成金趣味丸出しの衣装を着せられているのに格好良く見えるとはどういうことだ!
ひとりひとり、愛着を持って描かれているので微笑ましいです。終始コミカルかと思いきや、人生の厳しさや哀しさもちょっと盛り込んだりして。「そうか」と微笑む役所広司の格好良いこと!ああいうのは、経験値を積んだ役者さんでないとだめですね。かと思えば、寺島進が不気味可愛い演技で笑わせてくれて、松山ケンイチが爽やかなストレート演技で風を吹き込み、妻夫木聡が劇場を笑わせてくれたかと思えば、佐藤浩市が情けないほどに小狡い演技で目を引いて。鈴木京香もお歯黒が堂に入り、嫌な女かと思いきや、実は繊細なのかもねと思わせたり、逆にゴーリキーのにやり笑いは人を見た目(や経歴)で判断してはダメなのだと思い出させてくれる。
と、観るところいっぱいの映画ですが、やっぱり中谷美紀・大泉洋夫婦が8割持って行った感は否めません。まさか、あの美しく気高い中谷美紀のあのダンスが拝めるとは。眉毛の太さやおてもやん一歩手前のチークをものともせず、美しくもださい、ださくも美しい寧々を演じた彼女は、やっぱり良い女優さんですね。 -
織田信長の後継者を決める清州会議の舞台裏を描いたコメディだが、斬新な丹羽長秀像に唸る。そして、役者としての当たり役を見つけたのは羽柴秀吉役の大泉洋。竹中直人の秀吉が近年のイメージになりつつあるが、いずれ大泉洋の秀吉が時代と共に取って代わるだろう。それぐらい、この中での彼は人懐っこく、胡散臭く、腹黒い。歴史的に解釈を残しつつコメディとして見事に完成された作品。
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1582年,信長(と信忠)が本能寺で滅んだ後,家臣たちが信長(信忠)の跡継ぎを決めようと清洲に集まって会議を開いた。清洲会議。柴田勝家と木下藤吉郎(羽柴秀吉)が,我が方に有利に進めようと裏でいろいろと画策する。秀吉は,信長の長男の長男(信長の孫)三法師を跡継ぎに立てて形勢逆転。秀吉の天下統一に一歩近づくことになる。
豪華絢爛な配役。必要以上に鼻の高い織田家の面々。信長の妹・お市の方・鈴木京香が気持ちわるい役をしている。大泉洋の秀頼,妻夫木聡の3男織田信雄は,おもしろい。黒田官兵衛の寺島進は渋い!
面白かったよ~。さすが三谷幸喜監督だね。 -
いつものメンバーの三谷劇場。
作っている側の方がむしろ観ている側よりも楽しんでいそうな感じ。
エンディングでの出演者名が、あいうえお順なのも「三谷組」の仲の良さを感じちゃう。
確かに清須会議が織田信長さんの後継者選びではなく織田家の家督承継者選びとなれば、本能寺の変のときは既に家督を長男の信忠さんに譲っていたわけで、信忠さんの嫡男である三法師さんが継ぐのは筋が通っている。
しかも、三法師さんの母親に松姫説を取っているので、三法師さんは織田信長と武田信玄の血を引く人物となって周囲を納得させられる。
うまく考えているな…と思いました。
自分としては、まろ眉&お歯黒で鈴木京香さんは不細工化していたのに、剛力彩芽ちゃんはキレイになっていた。
この原理が一番気になりました。
あと、今の大河ドラマで信長さんを演じる染谷将太さんがしょっぱな別役で登場したのも心を打つものがありました。
ちょい役も努力をすれば下剋上。 -
大河を真似してる感がありながらも、所作は全然。
でも娯楽映画として、歴史が苦手ながらも楽しめた。 -
2013年。
清州で実際に行われたという織田家の後継を決める、木下藤吉郎、柴田勝家らの会議顛末。小日向文世演じる丹羽長秀というのがどこか自分のよう。 -
本能寺の変後、織田家の家督承継者決定と領地再分配を巡る会議が舞台。
合戦シーンがない、異色の戦国時代映画。
駆け引き、謀略など、法廷サスペンスのような内容。しかし雰囲気は軽く、言葉遣いも現代的。
時代劇というより、明るいサスペンスとして楽しんだ方がいいかもしれない。
時代考証や人物描写は求めず、娯楽作品として楽しむとよい。
歴史物だけに結果が分かっており、中盤まではストーリーはレールの上を走っている印象だが、終盤になると様々な人物の押し隠した野望が露わになっていくのは非常にわくわくした。
個人的には、柴田勝家が不憫で、もう少し花を持たせてあげてもいいのになあと感じた。