- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101010502
作品紹介・あらすじ
「ねね、ちょっと、私だって猫なんですけどぉ~。名前はまだ無いんですけどぉ~」夏目漱石没後100年&生誕150年記念出版! 明治も現代も、猫の目から見た人の世はいつだって不可思議なもので……。猫好きの人気作家8名が漱石の「猫」に挑む! 気まぐれな猫、聡明な猫、自由を何より愛する猫、そして、秘密を抱えた猫――。読めば愛らしい魅力があふれ出す、究極の猫アンソロジー。
感想・レビュー・書評
-
主人公がみんな猫!
印象的だった言葉。「なんでわざわざツライことするのかしら。ほんと、人間てよく分からない。」(恩田陸さんの「惻隠」)
8作品ある中で私の一番好みだったのは、石田衣良さん「ココアとスミレ」です。
猫の気持ち、猫の世界にとっぷり浸れるアンソロジーでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2016年「小説新潮」が2か月続きで企画した漱石「吾輩は猫である」のトリビュート版を、文庫化した短編集である。その年の年末に出しているから、多分未だにそれぞれの人気作家の短編集には入っていない可能性が高い。ワンコイン弱で買える新潮社のサービス版(消費税値上げ以前は正に500円以内で買えた)。おそらく、これをキッカケに新潮文庫に揃えている漱石を読んでくれると嬉しいし、未読の各作家を手に取ってもらえたら嬉しいという編集長の意図が見え見え(「騙し絵の牙」を読んでから、そういうコンテンツで本を見る習慣がついてしまった)。でもだからこそ、かなりお得な一冊である。
赤川次郎 新井素子 石田衣良 萩原浩 恩田睦 原田マハ 村山由佳 山内マリコ、それぞれの御大が、「猫の一人称で物語を綴る」こと以外は、自由に書いている。
男性作家2人に女性作家6人、気がついたのは、読み比べて猫の立ち位置がなんとなく客観的なのは男性で、女性は完全に猫に同化している気がした。という分析的な評価自体が、いかにも男性的な評価なのかもしれない。
漱石は、当時の文壇や社会をそれなりに批判的に見ていたが、平成の猫たちもヒト科としての人間を相対的に見る視点がそれなりに面白かった。
大傑作は一つもなかったけど、つまらないものも一つもなかった。
赤川次郎さんは、途中でバレバレのゆるい推理ものだった。
驚いたことに「原作」とついていないので、正真正銘、萩原浩が描いたとしか思えない猫の4コマ漫画8pの完成度の高さ。
「彼女との、最初の一年」という短編では、芸大3年の女性に拾われた猫の1年間を描いていた。どうてことはない描写だけど、作者の原作映画「あのこは貴族」には感心したので最近知った作家である。日韓ワールドカップが出てくるから、明らかに2002年からの1年間を描いる。この小説自体を2016年に描いたことは、彼女の14年間に一緒についてきた猫の一生の最初期をあつかった作品に思えてくる。いつかその一代記を読んでみたい気にもなる。山内マリコは初めて読んだが、少し気になった。 -
-
2023/11/25
-
アールグレイさん、
ぜひぜひ!
個性派作家さん堪能してくださいね。
猫好きにはたまらないと思います。アールグレイさん、
ぜひぜひ!
個性派作家さん堪能してくださいね。
猫好きにはたまらないと思います。2023/11/25
-
-
夏目漱石没後100年&生誕150年記念出版! 猫好きの人気作家8名が描く究極の猫アンソロジー。
どの猫ちゃんもみんな飼い主さんを一生懸命守ろうとしていて可愛いなぁ。ちょっとツンデレなのもよいね〜(笑)
「いつか、猫になった日(赤川次郎)」
奥さんが同窓会の帰りに心中を…赤川次郎らしい軽いミステリ。
「妾は、猫で御座います(新井素子)」
何故、ひとは猫を飼うのでしょうか。
「ココアとスミレ(石田衣良)」
人間も念話が出来たなら…。
「吾輩は猫であるけれど(荻原浩)」
猫って面白い。この作品は漫画です。
「惻隠(恩田陸)」
ちょっと難しい、恩田さんらしい作品。
「飛梅(原田マハ)」
『吾輩堂』でいつか買い物したい。
私は若君を幸せにしたい。それが私の幸せだからです。
店主なんていい人なんだろう。泣けてしまった。
「猫の神さま(村山由佳)」
会いたくてたまらない。猫と飼い主の絆。
「彼女との、最初の一年(山内マリコ)」
女子大生と猫。あまり読まないジャンルだけどとても好きになった作品。
原田マハさんの作品が凄くよかった。みんながみんな店主のような気持ちがあればペットたちはきっと幸せになれる。 -
夏目漱石没後100年&生誕150年記念出版。
猫好きな8人の作家さんのアンソロジー。
ということで、すべて猫目線で書かれています。
どの作家さんの作品にも、猫好きな気持ちがあふれ出ていて楽しめました。
赤川次郎さんの猫になった奥さんのミステリー。
恩田陸さんっぽいホラーな感じ。
荻原浩さんの4コママンガにはびっくり!
村山由佳さんの飼い主の恋を応援する?猫ちゃん、
「うちのネコ」ではなく、「うちのヒト」なんだ(笑)。
特に好きなのは、石田衣良さんと原田マハさん。
石田衣良さんの猫の集会、「星送り」という不思議な儀式に涙がこぼれた。
原田マハさんの飛梅。
飛梅太くん命名の瞬間は吹き出してしまった。
若かわいい~。
母猫ちゃんも幸せになれたようで、めでたしめでたし♪
「吾輩堂」福岡に本当にあるんですね。
それにしても、どのネコちゃんも人間に対してどこか上から目線なのはなぜでしょうか?(笑)
そこがまたなんとも可笑しくて、かわいらしいんですが。
うちの子たちもこんな風に思ってたのかなぁ?
いつの日か再会したら聞いてみよう。
彼ら曰く、
>やってくるかどうかわからない明日の心配をして、もうやり直すことのできない昨日のことを悔やんでいる。
今を豊かに生きられない。
それが人間という気の毒な生き物だ。
とのことです。
よくご存知で!(笑) -
個人的に好きなお話ベスト3は…
①赤川次郎さんの「いつか、猫になった日」
後半はゾゾっとするような内容。
②石田衣良さんの「ココアとスミレ」
猫たちが念話をしたり、夜の公園に集まったり
少しリアルな感じ。星送りは実際にあるのかな?
③村山由佳さんの「猫の神さま」
サクラが、文句を言いながらも
飼い主のことが大好きなのが可愛かった。
-
夏目漱石氏の没後100年・生誕150年を記念した『小説新潮』の特集を文庫化。
猫好き作家8名によるアンソロジー。
やっぱり猫って最高。
それぞれの作家さん方の色はあるけど、やっぱり猫のイメージは似てる。
高貴(高飛車?笑)で冷静、気まぐれだけど憎めない。
そんな魅力的を愛でる作品集。
気楽に読める1冊でした。 -
夏目漱石没後100年、生誕150年記念出版短編集。
猫好き人気作家8人のアンソロジー。
当然、全編主人公は猫様。彼等が、今の日本を垣間見る。小説としては、どれもそこそこ。が、それ以上に、試食感というか試読感が心地良い。
ご無沙汰していました赤川次郎氏。通勤時には大変お世話になりました。「女社長に乾杯」あたりが懐かしい。新井素子さんは、彼女の新婚生活エッセイを楽しみました。それが、今や「銀婚式物語」とは。荻原浩氏は、完成度の高い4コマ漫画で登場。本職の方が気になっちゃいますね。
「彼女との、最初の一年」山内マリコさんの作品が印象に残りました。題名だけでも、惹かれてしまいます。規制あるだろうページ数の中で余韻ある作品でした。
ということで、新潮文庫の試食完食致しました! -
多分初めて?アンソロジーというものを読んだ。
テーマは"猫"。
最近猫人気が凄まじいと思う気がするのは、私の気のせいだろうか。かくいう私は子供の頃から犬を飼っていたせいか大の犬好き、犬推し過激派である。
猫を可愛いと思わないわけではないけれど、あのなんともお高くとまった感じが少し苦手で、やっぱり人懐っこく寄ってきてくれる犬の方が好きだ。
そんな私なので、昨今の空前の猫ブームは少し寂しい。一昔前は、もう少し犬と猫というものが平等だった気がするのだ。
2月22日を猫の日とするなら1月11日だって犬の日としてもいいじゃないか…話が大きく逸れたが、とにかくこの本は、8人の人気作家が猫目線の短編を描いたアンソロジーである。どうやら夏目漱石の没後150年&生後100年を記念したものらしい。
日本における猫ブームは最近のものだと思っていたけど、よく考えればこの国で一番有名とも言える作家の代表作が、『吾輩は猫である』という猫が主人公の小説なのだ。そう考えると、日本って元々猫好きな国だったのか…?とも思えてくる。
肝心の読んでみての感想は…
やはりイマイチハマらず、というのが正直なところだった。なんかいろいろ猫の習性(猫飼っている人ならあるあるなのか?)を猫目線で面白おかしく書いていたりするんだけど、やっぱり猫を飼ったことがないからピンとこない話が多かった。そんな私でも面白く読めたのが、原田マハさん、村山由佳さん、山内マリコさんのお話。
原田マハさんは元々好きな作家さんなので納得だが、村山由佳さん、山内マリコさんの作品に関しては全く読んだことがなく、新しい出会いだった。
こういう思いがけない出会いがあるのが、アンソロジーの魅力なのかもしれない。
村山由佳さん、山内マリコさんの作品でおすすめのものがある方、ぜひ教えてください。