言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
- 東京大学出版会 (2021年7月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130841016
感想・レビュー・書評
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帯「読むなよ、絶対に読むなよ!」
一見するだけでおもしろそうなのに、まえがきを読み、直感は確信に変わりました。これは...まちがいなくおもしろい......!
「出版社は、東京大学出版会?いやー、東大って名がつくくらいだから、易しそうな表紙で油断させておいて、専門用語がたっぷりなのだろう」と思っていたら、いい意味で裏切られました。こんなにユーモアあふれていいんですか。おもしろいひとは賢いっていうアレですか。
もともと東京大学の出版部のPR誌であるUP(ユーピー)に掲載されていた内容なので、書籍化されなければ、きっと、お目にかかる機会もなかったでしょう。
ユーモアたっぷりな語り口にのせられ、読むのを止めるタイミングを逃し、読み終わったのは深夜0時。
いつまでも読んでいたくなるような文章でした。
p22
(前略)私たちはたいてい、曖昧性をお金の残したまま「曖昧じゃないつもり」でしゃべっているし、文脈やら常識やらを使いながら他人の言葉の曖昧性を解消し、意図を推測している。「今はもう動かないおじいさんの時計」という歌詞を聞いて、大多数の人が「動かないのは、まさか、おじい......いやいや、やっぱり時計の方だよね、うん」という良識的な解釈をするのも、歌のテーマな雰囲気を考慮して、作詞者の意図を推測するからである。
p166
連載「言語学バーリ・トゥード」にしても、言語学とは名ばかりで、実質的には単に私が普段考えているバカ話を披露する場である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『言語学バーリ・トゥード』川添 愛
冒頭から、ラッシャー木村の「こんばんは」事件のことから始まるマニアックさから、こんな本読む人いるのかいなと思うが、元々この本を買ったのはジュンク堂の読書週間おすすめ100冊に入っていたから。結構読まれているということだろう。
読み進むと、内容はとても興味深い。AIはダチョウ倶楽部の「絶対押すなよ」を理解できるかとか、「恋人は/がサンタクロース」の違いについて、かなり詳しく説明されている。
知的好奇心が湧き上がる本である。
読み終わってこの文章を書くにあたり、あらためて著者の名前を確認した。
「愛って名前の男性、いるのかな、なんて読むんだろう?」
プロレス・格闘技の知識からてっきり男性(良い年の親父)を思い浮かべてたけど、調べたらわりと童顔の女性じゃないか!
それが一番の衝撃であった。 -
意味と意図の違いを説明するために、誰もが知っているあの名言を引用しているのが秀逸。こんな感じで読めるならAI言語学の他著も読んでみたいと思わせる内容だった。前提の話も頷ける。
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堅苦しくなく気楽に読めて面白かった。
プロレスの関係の話がよく出てくる。プロレスのことは全然知らなくても理解できるけど、やっぱり自分が知っている人や歌、出来事について書いてあるところの方が興味を引かれて面白い。 -
この本、私(昭和の終わり生まれ)と同世代か上の方であれば、夜に読むのは絶対にだめ!
昨日購入したその日に読み始めたら、抱腹絶倒のまま、最後まで読み終わってしまった。翌朝妻から、「あなた昨日の夜何してた?テレビの音も聞こえないし、あなたの笑い声だけが聞こえてきて怖かったんだけど」といわれてしまったのだ。
言語学…といいつつ、内容的には半分以上プロレスの話がでてくるやんけ、と思いつつ、タイトルをもう一度眺めると「バーリ・トゥード」と、格闘技の名前も入っている(←プロレスを格闘技に入れるかどうかの議論はここではさておく)。
大学で言語学を勉強していた頃の記憶がありありと思い出された。 -
言語学は興味はあるのだが、どうも引っかかっていた。筆写の軽妙な筆致により、これが一気に解消した。よい本に巡り会えた。バーリトゥードというタイトルも言い得て妙ですね。昭和プロレスに親しんだ身にとってはジワリくる言い回しも多々あり。
恋人がサンタクロース、回転地獄五輪パート1ーーなんのこっちゃ?な日本語も読んでいて心地よい異空間に入ったような気分になる。コロナ禍でチェコ語を学ぶ話は自分にも似たことがあり、ふむふむと感じた。
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おそらく、著者と同年代ということもあり、声を出して笑ってしまうこと多数。電車の中で読むことはおすすめできません。プロレスの知識ゼロなので、当然タイトルの意味も分からず、何か高尚な意味なのかしらと思って読んでいました。大笑いではないけれど、小さな爆発的な笑い。言語学の面白みの世界を少し垣間見たような気分。
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何に照準を合わせて読んだらいいか迷った。PR誌に連載されているということなので、気楽な読み物として読むと、意外に役にたったり、普段何気なく感じていることの根拠めいたものが書いてあって、きっと、その発見が嬉しく、また読みたくなるだろうなと思う。
書籍として読むと、ハードルが上がってしまうので、プロレスにもあまり関心がない私には、最初から最後まで熱心に読む良き読者にはなれなかった。
内輪ネタが、面白いのではあるが、やはり内輪ネタは内輪ネタなので、悪ノリの感がある。それもまた自虐ネタにしているので、まあ、いっかーと思いつつ読んだ。
でも、散歩の達人のバックナンバーは買ってしまった!
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好みは分かれると思うけど、ハマる人にはかなりおもしろいと思う
と紹介され、読んでみたらハマった。
私も学生時代言語学を少しかじっている。
言語学者に対するイメージと実態は違う!!!!!という話は、実態を知っているため、そうかこんなイメージを抱かれがちなのか、と思った。
プロレスの話が多くて、オカダ・カズチカくらいしか知らない人間としては何を言っているのかイマイチ分からない所もあったが、川添さんのプロレス愛はひしひしと伝わってきた。
堅い話ではないので気軽にぜひ!