マイノリティ・リポート: ディック作品集 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-13)
- 早川書房 (1999年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150112783
作品紹介・あらすじ
予知能力者を使う犯罪予防局が設立され、犯罪者はその犯行前に逮捕されるようになった。ところがある日、犯罪予防局長官アンダートンは思いもよらぬものを見た。こともあろうに自分が、見たことも聞いたこともない相手を、来週殺すと予知分析カードに出ていたのだ。なにかの陰謀にちがいないと考えたアンダートンは、警察に追われながら調査を開始するが…スピルバーグ監督による映画化原作の表題作ほか全7篇を収録。
感想・レビュー・書評
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マイノリティ・リポートを映画で見ていたので、どのように原作では描かれているんだろうとドキドキしながらページを繰った。
映画とはかなり異なっていたが、それはそれで結末がわからず面白かった。
作中にディックが出てきたのはアツかった。
ジェイムズ・P・クロウと追憶売りますが好み。
ジェイムズ・P・クロウは導入の流れがわかりやすい。
オチも好み。
追憶売りますは話の転じていく流れのスピード感が良い。
頭の日常風景から宇宙の広がりのギャップが良い。
映画も見てみたい。
楽しみ。
全体を通して、話が転じ方や世界観の広がりが面白い本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。おもしろかった。
とくに最後の「追憶売ります」は一気に読んだ。「火星潜入」はオチが予想通りだったけれどなんだか展開がコミカルで楽しく読んだ。表題作はハリウッド映画みたい(実際に映画化されてるらしいから納得)。SFに詳しくないけれど「水蜘蛛計画」も作者の遊び心が伝わってくる。
長年SFっていわれるジャンルに敷居の高さを一方的に感じていたけれど、偏見だったかな。楽しく読んだ。 -
なんというか、新鮮? 全体的にダークユーモアがきいて、ちょっと哲学的なものがちりばめられているかんじ。
一番好きだったのは「追憶売ります」かなぁ。たぶん、SF作家に詳しかったら「水蜘蛛計画」ももっと楽しめたかも。
普段あまりSFモノを読まないのでわかんないけど、思ってたよりとても読みやすかったけど、思ってたよりずっと頭を使って読みました。おもしろかったです。 -
かつて、『アンドロイドは…』を初めて読んだ時には驚嘆した。映画化されたリドリー・スコットの『ブレード・ランナー』のオープニングシーンにも眼を見張った。ところが、今回この作品集(7つの短篇で構成)を読んで、そうした凄みが感じられない。自分が歳をとったせいなのだろうか。あるいは、フィリップ・K・ディックのSFが時代の経過とともに古びてきたのだろうか。例えば、表題作にしても予知能力者の設定を受け入れなければならないし、「世界をわが手に」にしても、メタフィクションの面白さの効果は読者の想像を凌駕するものでもない。
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「トータルリコール」「マイノリティリポート」の原作となった短編2編を含むSF短編集。「ブレードランナー」しかり、舞台装置としての設定を踏襲した上で、独自の味付けで映像作品化されているイメージがある。
短編集なので色々な着想の作品が楽しめた、特にお気に入りの作品は「水蜘蛛計画」。未来世界で起こった技術的問題の解決のために、予知能力者としてSF作家を過去から連れてくるというアイデアが秀逸だった。 -
ブレードランナーやトータルリコールのイメージからアクション物かと思ったがそうではなかった。
むしろどちらかと言えば地味なものが多い。
情景描写が少ないからかもしれない。
なにかとすぐにタイムマシンが出てくるのは微妙。 -
映画マイノリティ・リポートと、トータル・リコールの原作となったものが入った短編集。
短編っていうのはストーリーが短い分、ワンアイデアの豊かさでもって勝負するような形式が多く見られるものですが、
この短編集のうち何編かには、「ガラスの玉に縮小して閉じ込められた世界」ってイメージが共通して表れます。
なんですかねあれ。非常に気になります。
虚構のメタファー? -
どの話もとても面白く一気に読みたくなってしまうような話ばかりだった。
お気に入りは水蜘蛛計画かな。ただ、宇宙へ旅立った人たちがどうなったのか分からなかったのが残念かな。これもなそもそもなかったことになったのか。これがなかったことになるのならコーヒー豆も届かないはずだし、やっぱり宇宙を縮んだまま飛び続けているのかな。
安定社会は自分が読み足りないだけなのか、読解能力の足りなさが問題なのか、結局なんなのか分からなかった。 -
発想は素晴らしい!
でも、ストーリー展開は貧弱、短編だから?それで映画になったのかな~。 -
古い表紙の版を読んだ。「トータルリコール」という映画の元となる「追憶売ります」が収録されている短編集。