禁断の魔術―ガリレオ〈8〉

著者 :
  • 文藝春秋
3.72
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本棚登録 : 4627
レビュー : 613
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163816906

作品紹介・あらすじ

『虚像の道化師 ガリレオ7』を書き終えた時点で、今後ガリレオの短編を書くことはもうない、ラストを飾るにふさわしい出来映えだ、と思っていた著者が、「小説の神様というやつは、私が想像していた以上に気まぐれのようです。そのことをたっぷりと思い知らされた結果が、『禁断の魔術』ということになります」と語る最新刊。
「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編収録。ガリレオ短編の最高峰登場。

感想・レビュー・書評

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  • H30.2.1 読了。

    ・やはりガリレオ先生の話は、面白い。これまでの作品同様に湯川先生の優しさや面倒見の良さ、探求心などが垣間見えて作品を面白くしているのでしょう。平凡な人よりも変人のほうが好感が持ててしまうのは、何故なんだろう?
    最後まで一気読みしてしまいました。

    ・「使う人間によっては武器になる、だろ?科学技術には、常にそういう側面がある。良いことばかりではない。使い方を間違えれば、禁断の魔術になる。」・・・言い得て妙ですね。

    • koshoujiさん
      初めまして。遅れましたが『禁断の魔術―ガリレオ〈8〉』のレビューに”いいね”ありがとうございました。フォローさせていただきました。<(_ _...
      初めまして。遅れましたが『禁断の魔術―ガリレオ〈8〉』のレビューに”いいね”ありがとうございました。フォローさせていただきました。<(_ _)>
      2018/03/21
  • 探偵ガリレオの8冊目。
    「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4本で、湯川学・準教授の信念や人柄が濃く伝わる短編集です。

    「透視す(みとおす)」
    草薙が行きつけの銀座のクラブで、名刺を透視する余興を見せるホステスに出会った湯川。
    そのホステスのアイが殺されてしまい、継母が上京してくる。
    透視の真相は?
    そして、故郷を出たきり帰らなかったアイの真意は‥

    「曲球る(まがる)」
    プロ野球の投手・柳沢の妻・妙子がスポーツクラブの地下駐車場で事件に。
    柳沢は四十手前で、いぜんのような投球ができなくなっていた。
    科学的にフォームの問題を研究しようと持ちかける湯川。
    妙子の不審な行動の意味は?

    「念波る(おくる)」
    双子の姉妹の事件。
    御厨春菜は、双子の若菜の身に危険があると連絡してくる。
    若菜は意識不明の重体で、春菜は恐ろしい顔を夢に見たという‥

    「猛射つ(うつ)」
    湯川の高校の後輩で、帝都大学の理学部に入って間もない古芝伸吾が行方知れずに。
    謎の爆破映像の意味は‥?
    政治家の大賀が狙われているかもしれない現場に出向く湯川。

    湯川先生がいぜんより親切になったというか、危険を買って出る覚悟を見せています。
    考えていることがはっきり伝わるような構成になってますね。
    ドラマを先に見ましたが、違和感なかったです。
    原作だと、女性刑事の印象はほとんどないけど‥それはまあいっか^^;

  • ガリレオシリーズ第8弾、短編3編+中編1編の構成で。
    先日ドラマになっていたものの、原作になるのでしょうか。

     透視す(みとおす)
     曲球る(まがる)
     念波る(おくる)
     猛射つ(うつ)

    中でも「猛射つ(うつ)」はなかなかに味わい深く読めました。

     “私のことなら気にするな。これもまた自業自得だ。
      教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ”

    広義での“科学”の存在意義について、考えさせられました。
    ラスト、続編までは“間”が空きそうな終わり方でした。

    あと、ドラマはやはり、内海さんがよかったなぁ、とも。

  •  私は、ガリレオシリーズを初刊行から追い続けていますが、今回の終わり方は・・・!?もしや、完結ですか・・・!?
     大学に籍置く優秀なセンセイは、そんなにも急遽アメリカやらに行ってしまうものなんですかー。しかも、「しばらく戻らない」って・・・そんな自分探しの旅に行きます的な感じで、外国行けちゃうものなんですかー。ゼミとかどうするんですかー。

     でも、湯川先生の気持ちも分からんでもない。天才物理学者だなんだと持ち上げられているけれど、湯川先生は第一巻からずっと一貫して警察への協力には乗り気じゃなかった。超能力やら、超常現象やらの、科学では説明のつかない現象には興味を示していたものの、捜査が進むにつれて、犯罪者自身や、被害者の心情を慮らなければならない状況に陥ってしまって、湯川先生もいっぱいいっぱいになっていたんだと思う。
     「容疑者Xの献身」の石神さんや、今回の伸吾くんのように、湯川先生に近しい人が、直接犯罪に手を染める、もしくは染めようとするのを目の当たりにして、湯川先生にもとうとう限界がきたんだと思う。

     湯川先生をここまでぼろぼろにした警視庁捜査一課の草薙、内海はじめとする面々に、責任取れよってむしろ、私は言いたい。
     あんたらにとって、湯川先生こそ、禁断の魔術だったんじゃないのかーって。

     あ。ラストに衝撃を受けすぎて、妄想を炸裂させてしまいました。本編についても一言かかせてください。

     個人的に、女の子のおっぱいなんか見て、どきまぎしている湯川先生が可愛かった。湯川先生も、やっぱり、オトコなんだなーって。
     あと、テレパシートリックの捜査依頼を断ろうとする湯川先生が、草薙と内海に論破されるのも可愛かった。はあって、ためいきつくところとか。

     続編は、もう出ないのかなあ。映像よりも、文章で、湯川先生の活躍を知りたい。

  • 湯川が殺人を?「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
    「BOOK」データベース より

    4編すべてが湯川先生の人間味を余すところなく伝えてくれる作品.
    天才物理学者はいつからこんなに人間くさくなったのか、否、元々人間味があったのが、あらわになっただけなのだろう.
    福山雅治氏を思い浮かべながら読んでいるのだが、これで終わりでなく、ぜひ次の作品を読みたい.

  • 湯川先生のガリレオシリーズ8作目。「禁断の魔術」

    同じく短編なのですが、7作目「虚像の道化師」とは違います。

    当然、物理学の視点から謎解きを行うのですが、トリックの難易度よりも“人”を重視したストーリ作りと感じました。

    あまり書くとネタバレするので書きませんが、「猛射つ(うつ)」は凄かったです。湯川の覚悟を感じました。

    「ガリレオ」シリーズの最新巻まで追いつきました。

    次はいつ出るのだろうか?楽しみです。

  • 7の「虚像の道化師」で、今度はもう少し長いものを読みたいと思っていたら、本作は、短編というよりも中編。しっかり描き込まれていて非常に読み応えがあった。
    湯川がどんどん人間としての厚みをましてきていて、第4章の「猛射つ」では、長編のときのような人間臭い一面を見せている。
    科学者としての苦悩が伝わってきて、心が引き絞られるようだ。
    「曲球る」や「念波る」でも、科学者としての対応は崩さないままで、相手を救う(結果的に)ような行動をとっている。決して感情に溺れることなく、しかし相手の気持もきちんとフォローできるような行動がとれるところが湯川の美点だと思う。私はこういう、感情に溺れないタイプが好きなのだ。
    帯に「湯川が殺人を?」とある。この言葉の意味を、読後しみじみとかみしめた。実に深みのある問いだ。

  • 短編集は、その名の通り「短編」を集めたものだから、すべてが良い作品とは限らない。
    この本は、「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の四作から成っている。
    全体として星4個なのであり、「透視す」「曲球る」「念波る」は3個で、「猛射つ」だけが星5個の評価だ。

    前作「虚像の道化師」に続いてのガリレオ湯川先生の短編集だが、初期の頃よりスケールがこじんまりした感は否めない。
    全体のストーリーよりも、単に新しいトリック発表の場、“ハウダニット”のみに重きを置いたような作品が多い。
    ゆえに推理小説(ミステリー)独特の味わいである、手に汗握るような緊張感がそれほど感じられず、物足りなさが残る。
    湯川先生と草薙刑事や内海刑事のやりとりの面白さや、湯川自身の頑固なまでの科学への思いも、さほど作品内から伝わってこない。

    ただし、このなかでも最後の作品「猛射つ」だけは別格で、ほかの作品よりページ数が多く、中篇とでも言ってよい長さのせいか、物語に奥行きがあり、“ホワイダニット”も深く掘り下げられ、(この程度の推測に基づいたあやふやな動機で殺人に至るだろうか? という疑問も多少あるが)湯川先生の少年に対する信頼や実直な行動の必然性も理解でき、最後はほろりとさせ、感動さえ覚える。
    この「猛射つ」は、数あるガリレオシリーズのなかでも、最高傑作『容疑者Xの献身』に続く名作の感がした。

    トリックに重きが置かれる作品だけに、(純粋にトリックの謎解きを楽しむ読者は別にして)ことさら登場人物の背景や心情、動機の部分を詳細に描けるだけの長さが必要で、もはや短編では難しい気がする。
    そこが丁寧に描かれていないと、読者も深く共感できず、一級品となりにくいのではなかろうか。

    この事件のあと、湯川先生はニューヨークに行き、しばらく戻らないようだ。
    しからば、その間、東野先生にはじっくりと構想を練ってもらい、次なる長篇に再び期待したい。

  • 原点回帰とも言うべきハウダニットにこだわった短編と人間味溢れる中編で構成されている。ホステスはどうやって鞄の中身を透視したか、双子の姉の窮地を知り得たのは本当にテレパシーだったのかなど、一工夫こらした短編はガリレオシリーズならでは。初期の頃の人間嫌いな主人公がいつのまにか厳しくもやさしい先生になっているのがシリーズ物の楽しみ。個人的には内助の功の美しさが印象的な短編が好みだが、最後の中編のラストに掛けての盛り上がりも捨てがたい。安心して楽しめるシリーズ。

  • 確かに、湯川先生が突然お出掛けしてしまうのは「えっ?!」って感じですが、話の流れからして、傷心の旅かなとも言えるのかと想像出来ます。
    一つの思いに固執していると、他の事が見えなくなってしまいますが、誰かの言葉や想いで、凝り固まったものがほぐれていくのは、とても温かい気持ちになれますね。
    勇気をもって生きてゆきたいと思います。

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著者プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほか、映画化が決まっている作品に2018年11月16日公開予定『人魚の眠る家』、2019年公開予定の木村拓哉主演『マスカレード・ホテル』、同年公開予定に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』。

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