美女と竹林のアンソロジー (光文社文庫 も 18-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334779832

感想・レビュー・書評

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  • 2020年2月光文社文庫刊。小説宝石2018年1〜6,8〜11月号に掲載された、竹林をテーマにしたアンソロジー。ユニーク過ぎるテーマで、少しびっくりしましたが、楽しめました。阿川せんり: 来たりて取れ、伊坂幸太郎:竹やぶバーニング 、北野勇作:細長い竹林、恩田陸:美女れ竹林、飴村行:東京猫大学、森見登美彦: 永日小品、有栖川有栖: 竹迷宮、京極夏彦:竹取り、佐藤哲也:竹林の奥、矢部嵩: 美女と竹林

  • 今まで読んだことのない作家さんの短編をたくさん読めて新鮮でした。
    どの作品も作家さんの巧みな文章によって日常と非日常が地続きに広がっていくので、読み進めていくうちにいつの間にか自分が非日常に取り込まれていくような、心許ない気持ちになりました。これから竹林に足を踏み入れるのが怖くなりそうです。入ったら最後、元の日常に戻ってこられないような気がしてしまいます。

    また、森見さんによる各短編の解説がとてもわかりやすく、自分で一読しただけではわからなかった作品の魅力をたくさん教えてもらえました。

  • 自分の口に合わないのも読んでしまうのがアンソロジーあるある。京極夏彦さんは文章と臨場感が極まって一番良かった。飴村行さんの猫大学楽しすぎ。有栖川さん伊坂さん恩田さんは安定の面白さ。

  • 竹林には非日常性を感じる何かがあるのかもしれない。

    あとがきにも記されている通り、竹林的なものがだんだんと近づき、そして竹林的カタスロフィーを迎える。

    竹林と美女が等価交換であるかどうかはさておき、両者共に幻影的で魅入ってしまう何かがあるのかも知れない。

    どこまでも伸びる、根元皆同じという不気味さ、残酷さは美女に通じる不気味さと残酷さであるのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。

  • アンソロジー系はあまり読まないのですが、お借りして読んだ作品。
    『竹林』をテーマにした作品集ってなんじゃ~と思ってましたが、なるほど、これだけ作品が集まると不思議と竹林に心惹かれる気がしてきます。
    竹林から連想されるあれやこれや、が各作家さんの手によってとても不思議で魅力溢れる作品へと昇華されています。
    初めましての作家さんともたくさん出会えたのですが、やはり好きな作家さんの文書ってすごく読みやすい。
    たまにはこういう『読書』も楽しい✨

  • 「美女と竹林」をテーマにしたアンソロジー。幻想めいた作品が多い印象です。
    お気に入りは恩田陸「美女れ竹林」。最初は面白おかしい話だと思ったのですが。なかなかにとんでもない怪談じゃん! そしてこういうのって、美女であるほどに怖く感じてしまうのかも?
    京極夏彦「竹取り」も幻想的で印象深い作品でした。これこそ竹林に呑み込まれてしまいそうな心地が残ります。なんか、戻ってこられない感じ。
    伊坂幸太郎「竹やぶバーニング」はなんとも楽しい作品。さすがの伊坂ワールドです。

  • 美女の判定が結構緩いらしい「美女と竹林」アンソロジー。
    竹林に勝つにはパンダだろうという話と、かぐや姫との契約っていうのが面白かったです。

  • 第一目標は恩田陸でアンソロジーのテーマにも惹かれて手を出す。
    なかなかに面妖な一冊(褒めているつもり)。明解に面白いというよりじわじわ読み返したくなる話が多い。
    気づくと庭を侵食してくる竹の怖さを思い出した。
    (家の裏にあった竹藪からはみ出してくる筍は旬の食材というより刈らなければならないものだった)

  • 京極夏彦さん初読み。勝手に読みにくいイメージを持っていたけど、そんな事なく面白かった。
    佐藤哲也さんの竹林の奥が苦手。

  • 有名な作家の作品はそれなりに楽しめる。
    全体的に面白いと言うより印象に残るって感じかな。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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