あのころの、 (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 310
レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550725

作品紹介・あらすじ

旬の女性作家6人が競演 女子高生をめぐる6つの情景

夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り,とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、あのころ――女子高生時代――ならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に紡ぎ出す。いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。いきなり文庫で登場!

■収録作品
窪 美澄「リーメンビューゲル」
瀧羽麻子「ぱりぱり」
吉野万理子「約束は今も届かなくて」
加藤千恵「耳の中の水」
彩瀬まる「傘下の花」
柚木麻子「終わりを待つ季節」

感想・レビュー・書評

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  • 彩瀬まるさん以外は全員、読んだことある作家さんばかりのアンソロジー。でもテーマのせいか、それぞれ別の作品の方がその方らしさを活かせていた気が。
    吉野さんのは自叙伝ですね、鷺沢萠さんデビューの衝撃は私の世代では綿矢りささんの時に値するかな。
    こうやって見ると上智出身の方も多いんですね。

    柚木さんの作品が印象的で一番好き。
    かっこいい女子が男子の代用品みたいにもてはやされたり、女同士キスしたり、、、あったなぁー。
    自我はあるけど大人の庇護下にいるしかない微妙な年頃ゆえの反発とか、コンプレックスとか。。
    10代が一番綺麗な時代なんてそんなのは大人の幻想でしかないけど、あの頃に戻りたいような戻りたくないような。甘酸っぱいアンソロジー。

  • 6人の作家が女子高生を描いたアンソロジー。

    ・リーメンビューゲル/窪美澄
    タイトルは赤ちゃんの股関節症を矯正するための器具のこと。
    両親の離婚で母と暮らす主人公・透子と、その友達でステップファミリーの中で暮らすハルカ。
    二人はお金持ちが通う女子高に在学中だが、どこか浮いている。透子は学費に困っていて、ハルカはおそらく家庭内暴力の被害に遭っている。二人とも問題を抱えているが、友情という、目に見えない微かな絆を頼りに寄り添う姿が印象的でした。

    ・ぱりぱり/瀧羽麻子
    どことなくつかみどころのない生活をしている姉。その姉に半ば振り回され、強制的に「しっかり」してしまい、姉と立場が入れ替わっているかのような位置にいる妹が主人公。
    姉妹という、切っても切れない関係の中で生まれる微妙な感情が描かれていました。
    主人公は妹という立場ながら姉のような役割で、長女の私は何となく頷くシーンが多かったなぁ。
    タイトルの「ぱりぱり」は、カルシウムを取るためにいりこを食べる音のこと。

    ・約束は今も届かなくて/吉野万理子
    エッセイか小説か、何方チも取れる一編。
    主人公が過ごした高校時代や、その時に出会った優秀な女性が早世してしまったこと。故・鷺沢萌さんにあこがれて作家を目指す様子やそのときの気持ちなどが描かれている。

    ・耳の中の水/加藤千恵
    高校卒業を前に、学校に留まりたいと思う主人公。広い世界に出るために留学したいと思っている友人。友達の彼氏と密かにデートしている別の友達……。
    同じ学び舎で同じように過ごして同じものを見ているはずなのに、人によって抱く感想がまるで違うことに主人公は気づく。

    ・傘下の花/彩瀬まる
    母子家庭に育ち、母親の都合のままに、都会から方言のきつい地方へ引っ越した主人公。
    そこで出会った友人・八千代だけが主人公の癒しだった。ふたりは同性だが恋人のような関係となり、狭い世界からの逃亡をもくろむ。しかし八千代と深く関わるにつれて、主人公の心に違和感が芽生える。八千代には年上の恋人めいた男性がいた。

    ・終わりを待つ季節/柚木麻子
    プロテスタント系の中高一貫の女子校に通う主人公。ほとんどが外部の名門大学への進学を選ぶ中、主人公は大して良くない付属の女子大への進学を決めていた。
    周りが受験勉強にいそしむ中、ちょっと浮いてしまった主人公は、学校行事を通して「女子校のヒーロー」である、皆の憧れである格好良い少女・真澄と仲良くなる。
    真澄と主人公は泊まりで箱根駅伝の応援に行ったりするうち、やがて恋人のような関係になる。
    だがやがて時が経ち、彼女とのことは思い出へと変わっていた。
    男性の恋人ができて、一つ階段を上がる。

  • 女子高生の友達、恋愛、家族
    そして、自分の物語

    それがすべてだったような感覚
    自分の居場所を探し続けているような
    自信と不安のアンバランスな感じ

    あのころの、って言葉が
    しっくりくるような
    懐かしのような気持ちになりました


    懐かしいな高校生の頃

  • 「女子高生」がテーマの青春アンソロジー。新進気鋭女性作家ばかりが参加してるとあって、青春を楽しむというより、単純に彼女らの競演に興味があって読んでみたのだが…
    予想以上に心を持っていかれ、自分でも戸惑ってしまうほど。
    甘い痛みに満ちた、10代後半の日々。全てとは言わないまでも、自分が過ごした「あのころ」に重なる部分を思い出し、切なさと恥ずかしさがごちゃまぜになった。幼くて、不器用故、自分と他人との距離の取り方がうまく掴めず、読んでいて痛々しかったけれど、もがきながらも心のどこかで、それが一過性のものと冷静に悟っている。それが、女子なのだなぁと。
    どの作品も、少女らの微妙な心の動きの描写が本当にお見事で、さすが注目を集めるだけのことはあるよ皆様!
    欲を言えば…もっと色々な女子高生の姿を読んでみたかったなという気もしたけど(たまたま?私立の高校や百合という点で設定が何作か被っていたが)それはそれで、読み比べるのも面白かった。
    構成のうまさという点では、瀧羽さんの「ぱりぱり」が印象に残った。
    百合は苦手だけど、ひりひりとした文章にひきこまれたのが、個人的に注目している彩瀬さん。
    吉野さんは、今回の作家の中で一番作品を読んでいるので、私小説的な内容で、彼女の歩みを知ることができたようでちょっと嬉しかった。
    男性には理解しにくい点が多々あるだろうが、女性には是非読んでほしいかな。特に、アラフォーの女性。過去の自分に思いを馳せると同時に、登場人物の母親にも結構共感してしまう。世代によって、色々な捉え方のできる一冊かも。

  • 約束は今も届かなくて
    鷺沢萌さんにふれてあり、また読みたくなった。

    終わりを待つ季節
    女子高のなかで男役である女の子の描写がよかった。
    あのころモテてた女子はこんな気持ちもあったんかなー。

    女子高、独特の世界は嫌いではなかった。
    けど、もう一度高校生なら共学だよね!と、話してたあのころ、、
    懐かしく思う本。

  • 女子高生をテーマに、6人の女性作家がそれぞれ描いた短編集。

    一度何故か積ん読にしており、整理していた際に出てきたため、再読。以前読んだのが発売して間もない頃だったため既に5年も経っており、気が付けば売れっ子になってる人も……。
    再読して恐らく積んだ理由として思ったのは、全体的に高校が私立のお嬢様学校という舞台が数多く、そもそも女性作家があまり当時は得意で無かったからでしょう。

    さて、今回読んでの感想ですが、青春にも色々形はあれど、それらを彩るのは友人であったり恋人であったり家族であったりして、学年を重ねる事によって進路を明確に、将来をどうするのか考えなければならず、仲の良い人とも理由も無く目的の違いやそうさせてしまう空気に取り込まれてしまう。なるほどなぁと思い、10代の大人ではないけれど子供でも無い複雑で脆い心境を結構大切に描いてるなといった印象でした。

    個人的な評価としては、結構好みがバラバラでした。
    テーマにも焦点を重ねて、良かったと感じたものは、
    吉野万理子「約束は今も届かなくて」
    加藤千恵「耳の中の水」
    でした。
    他の作品も何かを感じたり、面白かったり、この表現凄いなぁと思うのもあり、全体的に良い一冊でした。

  • 2016.12.1読了
    何だろうな、アンソロジーだからと言われるとこういうものなのかもしれないけど、どれも中途半端な印象しかない。窪美澄さんも本来はもっと面白いのに。

  • どれも読みやすかった。
    一番印象に残ってるのはやっぱり読みなれてる柚木麻子さんかなぁ。
    タイトルが「あのころの」であるように、大人が読むから楽しめる、響くものがあるのであって、現役女子高生が読んでもあんまりピンとこないのではないかなとは思った。
    過去になって初めてわかることとか輝くことってあるよね。

  • たいしたことじゃない。くよくよしなくていい。自分を励まそうとすればするほど、なにもかもうまくいかないような気分にとらわれる。
    ひたむきに努力して伸びて行く。

  • やっぱり、窪美澄の短編が印象に残る。
    ”リーメンビューゲル”女子高の話し。
    続きが気になるぅ。
    ハルカのアザは?虐待なの?
    透子は転校(学費が払えず)になるのかな。

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著者プロフィール

窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年東京都稲城市生まれ。カリタス女子高等学校卒業。短大中退後、広告制作会社勤務を経て、出産後フリーランスの編集ライターとして働く。2009年「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞し小説家デビュー。
2011年、受賞作収録の『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)で第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位。同作はタナダユキ監督により映画化され、第37回トロント国際映画祭に出品。2012年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞受賞。2018年『じっと手を見る』で直木賞初のノミネート。

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