あのころの、 (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社 (2012年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784408550725

みんなの感想まとめ

青春の甘酸っぱさと複雑な感情が交錯する女子高生をテーマにしたアンソロジーは、懐かしさと共に心の奥に響く作品です。参加している新進気鋭の女性作家たちが描く物語は、友人や恋愛、家族との関係を通じて、自分自...

感想・レビュー・書評

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  • あのころの遠い記憶を呼び戻す、6名の女流作家の描いた女子高生物語。
    今思い返すと、あのころにいた場所は確かにぬくぬくと穏やかな”温室”そのものだった。
    予期せぬ雨風で吹き飛ばされぬよう痛い目に遭わぬよう、先生や親といった身近な大人たちにしっかりとビニールで覆ってもらい、日光や栄養もなるべく等しく与えてもらっていた、いたれり尽くせりのあのころ。
    そうやって大人たちの敷いたレールの上を、ブツブツ文句を言いながらも周りの同級生たちと共に歩き、たまに寄り道しながら、一人立ちの時を待つ。

    プライドや見栄、コンプレックス、不安をごちゃまぜにして、顔色をうかがったり悩んだり怒ったり泣いたり笑ったり。
    けれどそんな我がままが許されるのは、あのころの特権かも。

    吉野万理子さんの『約束は今も届かなくて』、柚木麻子さんの『終わりを待つ季節』が特に好き。
    女子高生時代を、宙ぶらりんな耐えなれない時間で早く卒業したい派と、ずっと高校生のままでいたい派が出てきた。私はあのころ、早く卒業したい派だった。
    あの夢か幻のような眩しい時間に、もう一度だけ戻ってみたくなる短編集だった。

  • 彩瀬まるさん以外は全員、読んだことある作家さんばかりのアンソロジー。でもテーマのせいか、それぞれ別の作品の方がその方らしさを活かせていた気が。
    吉野さんのは自叙伝ですね、鷺沢萠さんデビューの衝撃は私の世代では綿矢りささんの時に値するかな。
    こうやって見ると上智出身の方も多いんですね。

    柚木さんの作品が印象的で一番好き。
    かっこいい女子が男子の代用品みたいにもてはやされたり、女同士キスしたり、、、あったなぁー。
    自我はあるけど大人の庇護下にいるしかない微妙な年頃ゆえの反発とか、コンプレックスとか。。
    10代が一番綺麗な時代なんてそんなのは大人の幻想でしかないけど、あの頃に戻りたいような戻りたくないような。甘酸っぱいアンソロジー。

  • 『傘下の花』彩瀬まる

    彩瀬さんの文章を読むと自然と人が恋しくなる
    LGBTQ+や同性婚って言葉が耳に馴染むようになってきた今ならともかく、9年も前に女性同士の恋愛を当たり前に描くって驚きを超えてただただ尊敬…

  • 友達。女子校。カトリック。同窓会。夢。憧れ。家族。姉妹。女の子たちの話。詩と。瀧羽麻子さんの「ぱりぱり」、吉野万理子さんの「約束は今も届かなくて」、柚木麻子さんの「終わりを待つ季節」の最後の一行。

  • 女子高生の友達、恋愛、家族
    そして、自分の物語

    それがすべてだったような感覚
    自分の居場所を探し続けているような
    自信と不安のアンバランスな感じ

    あのころの、って言葉が
    しっくりくるような
    懐かしのような気持ちになりました


    懐かしいな高校生の頃

  • 「女子高生」がテーマの青春アンソロジー。新進気鋭女性作家ばかりが参加してるとあって、青春を楽しむというより、単純に彼女らの競演に興味があって読んでみたのだが…
    予想以上に心を持っていかれ、自分でも戸惑ってしまうほど。
    甘い痛みに満ちた、10代後半の日々。全てとは言わないまでも、自分が過ごした「あのころ」に重なる部分を思い出し、切なさと恥ずかしさがごちゃまぜになった。幼くて、不器用故、自分と他人との距離の取り方がうまく掴めず、読んでいて痛々しかったけれど、もがきながらも心のどこかで、それが一過性のものと冷静に悟っている。それが、女子なのだなぁと。
    どの作品も、少女らの微妙な心の動きの描写が本当にお見事で、さすが注目を集めるだけのことはあるよ皆様!
    欲を言えば…もっと色々な女子高生の姿を読んでみたかったなという気もしたけど(たまたま?私立の高校や百合という点で設定が何作か被っていたが)それはそれで、読み比べるのも面白かった。
    構成のうまさという点では、瀧羽さんの「ぱりぱり」が印象に残った。
    百合は苦手だけど、ひりひりとした文章にひきこまれたのが、個人的に注目している彩瀬さん。
    吉野さんは、今回の作家の中で一番作品を読んでいるので、私小説的な内容で、彼女の歩みを知ることができたようでちょっと嬉しかった。
    男性には理解しにくい点が多々あるだろうが、女性には是非読んでほしいかな。特に、アラフォーの女性。過去の自分に思いを馳せると同時に、登場人物の母親にも結構共感してしまう。世代によって、色々な捉え方のできる一冊かも。

  • 「リーメンビューゲル 窪美澄」
    約束したけれど。
    一人で育てると啖呵をきってきたとしても、一度でも会う機会があるのならば養育費を払うのは当たり前だろうに。

    「ばりばり 瀧羽麻子」
    普通と言われて。
    一作目が大作であると、自分では何気ない作品たちであったとしても周囲が勝手に期待して苦労させられるだろう。

    「約束は今も届かなくて 吉野万理子」
    先を逝く人とは。
    生き急いでいる訳ではないけれども、どこか人よりも一歩先を見据えて歩いているからゴールも早かったのかもな。

    「耳の中の水 加藤千恵」
    ゴロゴロとなる。
    浮気しているまでは別れればいい話だが、その相手が誰かによっては今後の友好関係も問題になってくるだろうな。

    「傘下の花 彩瀬まる」
    好きな人の傍に。
    どれだけ叶えたい夢があったとしても、将来が決められてしまっていたら逃げ出すのも一苦労で従う人生なのだろ。

    「終わりを待つ季節 柚木麻子」
    二人過ごす日々。
    きっかけなんて何気ないことであるだろうが、そこから離れてしまうのも深い意味などないことであるのだろうな。

  • 秀作ぞろいでした。

    あこがれるしかないぐらい頭脳明晰だったのに夭折した同級生を描いた吉野万理子さんの作品には、半端でない現実感があった。社会的な地位を得た後に振り返る視点のある作品だから、余計にそう感じたのかも知れない。通り過ぎて行った誰かにこの作品を届けたいという思いは、創作の苦しみの中での道しるべになっている側面があるのかも、とか、若くして時を止めた人のことは、心の底に残り続けるものなのかも知れない、とか、いろいろ感じながら読んだ。

    彩瀬まるさんの作品は、主人公二人の少女のおかれた立場がステレオタイプかなとは思ったけど、吉屋信子さんが今の時代を描いたら、こんなふうかも、と感じたりした。

  • 女子高生をめぐる6つの物語。
    かつて女子高生だった私。
    当時の不安定さを思い出しなんだか落ち着かなかった。
    物語に登場する女子高生たちもなんだか不安定で、そういう時期だったんだと今更ながらに思った。
    多感な時期だったな…
    私の場合は思うようにいかず、追い詰められたような、かごの中に閉じ込められたような時期だった。
    どの話にも多感な時期を駆け抜けるような女子高生たちが登場する。
    どこかしらにかつての自分を重ねながら読む。
    「約束は今も届かなくて」は回想録なのかな。
    この作品に時折登場する鷺沢萠にハッとした。鷺沢萠に出会い、傾倒した時期があったから。
    私の場合は女子高生ではなく女子大生の頃だったけれど。
    なんだか不安定さと鷺沢萠って私の中でピタッとはまる。
    どの作品もちょっと狭い世界で、懸命にもがいている女子高生の姿が描かれていたように感じた。
    この本は背表紙に書かれていた通り「いまを全力で駆け抜ける現役女子高生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー」だ。

  • 昔は心をざわつかせた波佐間さん伝説。今はもっももっと聞いていたかった。

  • 女子高生が主人公の作品集。
    受験勉強を思い出す。

  • なんかキュンキュンした

  • 約束は今も届かなくて
    鷺沢萌さんにふれてあり、また読みたくなった。

    終わりを待つ季節
    女子高のなかで男役である女の子の描写がよかった。
    あのころモテてた女子はこんな気持ちもあったんかなー。

    女子高、独特の世界は嫌いではなかった。
    けど、もう一度高校生なら共学だよね!と、話してたあのころ、、
    懐かしく思う本。

  • 女子高生をテーマに、6人の女性作家がそれぞれ描いた短編集。

    一度何故か積ん読にしており、整理していた際に出てきたため、再読。以前読んだのが発売して間もない頃だったため既に5年も経っており、気が付けば売れっ子になってる人も……。
    再読して恐らく積んだ理由として思ったのは、全体的に高校が私立のお嬢様学校という舞台が数多く、そもそも女性作家があまり当時は得意で無かったからでしょう。

    さて、今回読んでの感想ですが、青春にも色々形はあれど、それらを彩るのは友人であったり恋人であったり家族であったりして、学年を重ねる事によって進路を明確に、将来をどうするのか考えなければならず、仲の良い人とも理由も無く目的の違いやそうさせてしまう空気に取り込まれてしまう。なるほどなぁと思い、10代の大人ではないけれど子供でも無い複雑で脆い心境を結構大切に描いてるなといった印象でした。

    個人的な評価としては、結構好みがバラバラでした。
    テーマにも焦点を重ねて、良かったと感じたものは、
    吉野万理子「約束は今も届かなくて」
    加藤千恵「耳の中の水」
    でした。
    他の作品も何かを感じたり、面白かったり、この表現凄いなぁと思うのもあり、全体的に良い一冊でした。

  • 2016.12.1読了
    何だろうな、アンソロジーだからと言われるとこういうものなのかもしれないけど、どれも中途半端な印象しかない。窪美澄さんも本来はもっと面白いのに。

  • どれも読みやすかった。
    一番印象に残ってるのはやっぱり読みなれてる柚木麻子さんかなぁ。
    タイトルが「あのころの」であるように、大人が読むから楽しめる、響くものがあるのであって、現役女子高生が読んでもあんまりピンとこないのではないかなとは思った。
    過去になって初めてわかることとか輝くことってあるよね。

  • たいしたことじゃない。くよくよしなくていい。自分を励まそうとすればするほど、なにもかもうまくいかないような気分にとらわれる。
    ひたむきに努力して伸びて行く。

  • やっぱり、窪美澄の短編が印象に残る。
    ”リーメンビューゲル”女子高の話し。
    続きが気になるぅ。
    ハルカのアザは?虐待なの?
    透子は転校(学費が払えず)になるのかな。

  • 女性作家6人が、女子高生の日々をそれぞれに描いたアンソロジー。
    繊細な心の動き、葛藤、憧れ、嫉妬、スタート・・・なんとも瑞々しくて柔らかで、でも端々はするどくて。時々ぐさりと、かつての私を刺すよう。
    そんなに多感な女子高生だった覚えはないけれど、中学生のころは近しいものがあったかもしれない。
    印象に残った一編は吉野万里子「約束は今も届かなくて」。自伝的なところもあるお話で、女子高生から社会人になり、さらに夢の一歩を踏み出すところまでが、さっぱり淡々と綴られている。
    こういうお話って後から読んで初めて、あー、あの時の感情はこれだったのか、と思うのが新鮮でくすぐったいんであって、現役の時に読んでも、私とは違う!と思うだけのような気もする。

  • 女性作家6人による女子高生と女友達を題材にした短編集。

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著者プロフィール

窪 美澄(くぼ・みすみ):1965(昭和40)年、東京生まれ。2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。2012年、第二作『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞。2019(令和元)年、『トリニティ』で織田作之助賞を受賞。2022年、『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。その他の著作に『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』など。

「2022年 『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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