コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478110140

感想・レビュー・書評

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  • <どんな本?一言で紹介>
    「伝わるとは 思い出せることだ」。
    人気コピーライターがおくる、企画の仕事をする上で必要な「相手にどうやって好きになってもらうか」についてがたくさん詰まっている一冊。

    <どんな人におすすめ?>
    「言葉」にかかわる仕事をしている人。
    多くの人の心を動かす言葉を生み出すヒントを知りたい人。
    伝わる伝え方を知りたい人。

    <読んだら、どんなことが分かるの?>

    ・自己紹介をしてみよう 
    ・「伝えた」としても「伝わる」とは限らない
    ・言葉とは何だろうか?
    ・言葉は意識の引き出しを開ける
    ・世界で最も偉大な発明をした人
    ・言葉→概念→行動
    ・他己紹介は感動から始まる
    ・プロは無意識を意識化する
    ・いい名付けには必ず「意志」がある
    ・最低限押さえたい3つのポイント
    ・「白紙」には無限大の可能性がある
    ・「 読み進めたくなる文章」の仕掛け
    ・企画書はラブレターだ
    ・行動←企画→発信

    <日々の生活、仕事などに活かせるポイント>



    <感想>

  • 文豪・夏目漱石が教師時代に、「I Love You」を「我君を愛す」と訳した教え子に「『月が綺麗ですね』とでも訳しておけ。」といったとされる都市伝説のようなエピソード。
    ネットではネタとして揶揄されるようなこのエピソードは、私も初めて聞いた時は「なんやそれ?」と思っていました。

    阿部広太郎さんは、このエピソードを題材に、「今のあなたならどう訳しますか?」ということを聞きます。
    『今の』がポイント。言葉は「伝える」ではなく「伝わる」ことが大切で、今なら『月が綺麗ですね』と言われたその物語上の相手は確かに伝わったと理解できます。

    この書籍では、コピーライターの阿部広太郎さんが、自身の経験や種々の実例を元に、プロでなくても必要なコピーの作り方、「伝わる」言葉の選び方を丁寧に説明しています。
    どんな仕事についていても、一度読んでみる価値のある書籍だと思います。

  • 「ワンチャッチ、ワンビジュアル」広告の世界で言われている。1つのビジュアルには1つのキャッチコピーのみだ。伝えたいことを絞ることでチカラが生まれる。
    自己紹介の目的は「興味の入口」を作ること。自己紹介ですべてを伝えきることなんて不可能。「もう少し会話してみたいな」「あの件について話を聞いてみたいな」そう思ってもらえたらバッチリ。出口まで進んで行きたくなる興味の入口を自己紹介で作れたらそれでいい。あらゆる場面での1言を変えてみるだけで、入口が作りやすくなるかもしれない。相手との関係を育てるために、作るべきは出口ではなく入口。その先に進みたくなる入口を考えよう。
    「言葉は時代と呼吸する」言葉の意味合いは年々変化して行くので、使おうとしている言葉が今どんな雰囲気を醸し出しているのか心を配るべし。
    そもそもで問いを立て、たとえばで無責任に考えて、つまりで覚悟を持って決める。
    記憶に残るための法則
    異なる単語を組み合わせる
    その中でものりしろがあるものがよい。「感想文庫」感想文と文庫に分けられる。
    みんなが知る強い文脈を使う
    歴史的な事実や故事成語やことわざを引用する。市民権を得ている表現をもじることで広がるスピードが上がる。「飛んでジム行く夏の女子」
    見立てて名前をつける
    これは、「ビジュアルの印象」を起点にする法則。伝えたい事象の状況はこの形に似ているなと見立て、名付ける。見立てる名付けの強さは、頭の中で情景をえがける。「質問ニョッキ」
    すでにある名前に違う意味をもたせる
    言葉の意味は1つではない。「ワイファーイ」乾杯で実際にグラスを合わせれない人。
    真逆の言葉を同居させる
    一つの言葉の中に、「違う矢印」を持つ言葉を同居させると、その言葉の奥行きが広がる。「進撃の老人」
    企画書に愛と熱を、企画書をまとめたところで、その中にあなたの愛がなければ、相手には何も響かない。規定の条件やフォーマットをただ埋めていくような企画書は、説教臭くて、面白みにかける。うまく言葉に出来なくても、思わず前のめりになる「楽しさ」や「おもしろさ」が企画書に練り込まれているかどうか。言い換えれば、企画書に愛と熱を込めるということ。あなたの行動から放たれる言葉がそこにあるかどうか。会社の事情がどうとかではなく、自分を主語にして、実際に体験してみてここが良かったとか、イケてないからこうしましょうとか、感じたこと、動いたことを企画書に書いていく。個人的な本音こそが、強いメッセージになる。
    企画書とは、企画の思考を共有する書類。最初の挨拶から始まり、「経験→本質→企画」の話を経て、最後、一緒に仕事をしませんか?と誘いかける。
    ページをめくる喜びを作る、表紙のタイトルから心をつかみにいく。読み手はその先を読むためにページをめくる。世の中の多くの企画書は、企画書のタイトルで何かを起こそうとは思っていない。だからチャンス、他と同じことを書かないぞ、というスタンスで目立ちに行こう。
    何ページにしろ、1ページに一つの役割がある。読書する時を考えて欲しい。めくるという行為には、ある一定の負荷がかかる。「ドレスを1枚ずつ脱いでいくように企画書を書く」そこに、めくりたくて仕方ない刺激があることを理想にしたい。「右脳と左脳を交互に刺激せよ」表現で右脳、データで左脳を刺激する。頭の中で心地よい理解を作ることが出来る。
    好きなフォントを見つけるのも重要。フォントによって印象も変わる。
    いい企画を作るための5つのステップ
    1.企画する対象は「何者?」
    自分なりの「マイ定義」をもつ。「だからこそ」の魅力を掘り下げる。
    2.調べまくる。足で稼ぐ。
    何かの発想の糸口は、みんなが当たり前のように素通りしていたものに疑問を持つことでうまれる。長所短所も意識する。それらが「魅力」であり「らしさ」である。
    3.「今」という時代を捉える
    発掘した長所のどの部分を押し出したら勝負できるか。スポットライトを当てる場所はどこか。「私は今、時代をこう捉えている」と仮説を言語化する。「だからこそ、このポイントは魅力的で、他と比べて勝負できる」そう胸をはって伝える。
    4.誰の人生を救えるか?
    どんな人の力になれるのかを想像したい。どんな悩みを抱え、どんな状況で、どんなことに関心があり、どんなことを嬉しいと思うのか。届ける相手の輪郭を明確にする。
    5.大義名分のある企画を考える
    「これはやるしかない!」と思えてくるメッセージ。「心地よいこじつけ」を意識する。いい企画には、本音と建前がある。どうすれば相手が納得感を持って受け入れられるか考える。

  • ものは、言いよう。
    素敵禁止
    アイラブユーの訳し方
    伝える力はセンスではなく、かけた時間、、

    気持ち、温度感を含めて人に伝える、伝わるコピーには背景、発信者の思い、受け手への配慮や優しさ、、たくさんのものが詰まってる!
    自分にできる発信をしてみようかな、と改めて思った一冊。SNS始めるときに読めばクオリティが上がりそう!

  • 阿部さんの講義を聞いてからすっかりハマってしまった。読みやすいし、読んでいるうちに今進めている論文はああやって書こうとか、タイトルはこうしてみようとか筆を取りたくなる。プライベートも全て企画というのははっとした。休みの日なにをするのか考えるのもわくわくしてきた。企画書かくのに超参考になるし、一家に1冊置いていこうと思います。

  • 最近語彙が貧困で...ということで読んでみた。
    ちゃんと心をつかまれる本になっていた。
    大半は、コピーライターとしての働き方の本かなという感じで、実用的な言葉術が書かれてるわけじゃないけど、そりゃそうだ、簡単なものではない。
    心をつかまれたコピーはこうやって生まれたのだなと知った。
    心をつかむ言葉を生むには、日常の些細なことに感受性を働かせて心を動かすことが大切なのだなと思った。

  • 勉強します!いっぱいメモした。

    わたしは、言葉が好き。日本語を愛してる。
    だから、言葉選びに執着を持ちたい。
    なのに、うまく言語化できなくて、もどかしいことが多い。
    だけど、一番最後に阿部さんが書いてくださった
    “才能とは、掛けた時間だ。
    言葉にもしも才能が必要だとするなら、
    これから生きていく限り時間を掛けて育てていけばいい。“
    っていうお言葉をお守りに、
    好きなことから逃げずに、向き合いたい。


    これは初めて書くのだけれど、
    私は、言葉で、誰かを、救いたい。
    そしてできれば、救っていることを実感したい、から、仕事にしたいのかもしれない。
    もう遅いかな。傲慢かな。
    でも、わたしはたくさんの言葉に救われてきた。これからも救われる。だから、わたしも、自分の身から放つ言葉で、誰かを救いたい。元気にしたい。慰めたい。勇気を出してもらいたい。


    メモ_φ(・_・
    ・伝わる とは、思い出せること
    ・素敵禁止
    ・苦手なものと向き合うほど、相手への誠実さが求められる
    ・ほぼ全ての仕事はどんなふうに紹介するかで決まる=それはつまり相手のどこに感動をするか?ということだ。

    感動したコピー↓
    飲み狭間の戦い

    ・ひどい言葉を発すれば、最初に傷つくのは自分。嬉しい言葉を発すれば、最初に救われるのは自分だ。

    ・読み進めたくなる文章の仕掛け作り
    1 入り口で心をつかまれるか
    2 ストレスなく読み進められるか
    3 読み終えた後に感情を味わえるか

    ・読み手への配慮を忘れない
    配慮とは、すなわち優しさ
    読み手が読みやすいかを考えているかどうか

    ・企画書を相手に送る3つの心がけ
    1 自分は本気か
    2 相手は喜ぶか
    3 ほんとうにできるか

    企画が実現した後を妄想すること
    基本形↓
    自分はこう思った 経験
    自分はこう目をつけた 本質
    自分はこうできると思う 企画
    →一緒にやりませんか

    いい企画書作るために
    1.企画する対象は何者か?
    2.調べまくる、足で稼ぐ
    3.今という時代を捉える
    4.その魅力は、誰の人生を救えるか?
    5.大義名分のある企画(これはやるしかない、という心地よいこじつけ)

    ・手紙を書くように生きる。

    絶対大丈夫だ。
    才能とは、掛けた時間だ。
    言葉にもしも才能が必要だとするなら、これから生きていく限り時間を掛けて育てていけばいい。

  • まさに「ものはいいよう」である。言葉を媒介にして分かったつもりになるので,言葉によるフレームによって同じものでも白黒灰と別なものとして分かろうとする。だからこそ,言葉についてのさまざまを理解しておくことは有用である。本書はコピーライターである著者の仕事観や言葉観?が綴られている。言葉の機能にはいろいろあるが,コミュニケートする機能に注目している。人と人をコムする。知ってもらう,考えてもらう,動いてもらう。言葉に他者への強制力はないが,言葉をどう表現するか(コンテキストを含むアートデザイン)で人(自分を含む)を動かすことが可能であることを本書では示唆している気がする。

  • 優しい人柄伝わってくる本だった。インタビューで言われた言葉と書かれた言葉が完全一致でない理由がわかったような気がする。

  • コピーライターの基本。
    相手に何を覚えてもらいたいか

    企画する時にはまず「そもそもそれは何なのか?」を考えていく

    考えたいことに「的」をつけて考えてみる。
    それは「たとえば」どんなことなのか
    最後に「つまり」
    愛とはつまり、無意識だ。
    それなら「昨日も、夢に出てきたよ」かもしれない

    そもそもで問いを立て、たとえばで無責任に考え、つまりで覚悟を持って決める

    記事タイトルのつけ方
    ①文章中にある象徴的な一行を抜き出す
    ②内容全体を踏まえた上で俯瞰したタイトルをつける

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著者プロフィール

1986年生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学経済学部卒。98年電通入社。人事局に配属後、コピーライターに。言葉の力を味方につけて「世の中に一体感をつくる」コンテンツを企画する。映画、テレビ、音楽、イベントなど、エンタメ領域からソーシャル領域まで境界を越えて取り組んでいる。映画「アイスと雨音」、映画「君が君で君だ」、舞台「みみばしる」プロデューサー。ソーシャルエンターテインメントの「ダイアログ」シリーズのクリエーティブディレクション。BUKATSUDO講座 「企画でメシを食っていく」主宰。著書に『待っていても、はじまらない。-潔く前に進め』(弘文堂)、『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』(ダイヤモンド社)、『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

「2023年 『あの日、選ばれなかった君へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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