- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591152409
感想・レビュー・書評
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飛鳥井千砂さんと加藤千恵さんが好きで手に取った1冊。
『ラプンツェルの思い出』と『夢のあと』が印象に残った。
ファンタジー要素はそんなに強くないです。現実寄り。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プリンセスが出てくる童話をモチーフに、というところは共通しているのですが、色々な書き方があるものだなぁと感心しました。
童話っぽさを残しつつ、設定を現代風にしたもの(歩く12人の女)、知らずに読めば普通の小説なんだけど、要所要所で童話をモチーフにしていることを感じさせるもの(ラプンツェルの思い出)など。どの書き方もそれぞれ面白かったし、作家さんの個性が出ていたと思います。
勢いがあって面白かったのが『鍋かぶり』。読んだ後にほっこりして好きだったのは『歩く12人の女』と『あの人は海を捨てた』(こちらはほっこりというよりじーんときた)。意外性があったのは『夢のあと』。
だけど、一番印象的だったのはやっぱり『ラプンツェルの思い出』かな。島本理生さんの作品って独特の雰囲気があるので(切なくて、少し残酷な感じ)。
『正直な彼女』だけ元の童話がわからなくて、調べたら『エンドウ豆の上に寝たお姫様』だとか。
あー、言われてみればそうか。 -
島本さんと飛鳥井さん目当てで手に取りました。島本さんはやっぱよかった、というか好きだった。残酷なせつなさと寂しさ侘しさ、そして醜さがぐわっとこの短い話に詰まっていて。よかった。
鍋かぶりが面白いというレビューをたくさん見たので期待したのですがこちらはさほど、期待はずれ。だけど、鍋かぶりというチャーミングな発想は好き。鍋取れて好きな人と結婚してめでたしめでたしがいいね。
個人的には最後の大山さんの夢のあとが意地が悪くて好きですね。眠り姫のオマージュなんだけど皮肉だなーって。順風満帆に、計画的に生きていた女は不妊につ躓き、ようやく37の年で妊娠したのだが事故にあいその後37年間眠っていた。夫も他の女と結婚しておりキャリアも失い、両親も死んでいて、残ったのは眠りながらも産み落とした王子のような我が息子。眠っている間に介護も育児も終わっていたというのが皮肉だった。
でもどの作品よりもやっぱり島本さんの話がよかったです。島の高校生が月に一度本島から一週間やってくる美容師との恋。その人は実は妻がいて……傷ついた彼女が最後にした行動、言動が、ずしんと、響いた。やっぱり好き。 -
レビューを見てると鍋かぶりがわりと評判がいいみたいだけどわたしはあんまり。トリの大山淳子さんの、なんかすごいもってきかたをするので、最後に読んでダントツ1位になった。
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最近はアンソロジーが人気なのかな??
いろんな作家さんを知ることができるので、読みたい本を探すときに便利かも。
実際、わたしも、最初の一作、寺地はるなさんの「鍋かぶり姫」を読んで、すぐにこの方の作品を図書館に借りにいきました。
飛鳥井さん、大山さんの作品もやっぱり好きだったな。 -
島本さんのみ。短編なのに良い文章だった。どきどきした。
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古今東西に伝わるさまざまなプリンセス・ストーリーを、現代に置き換えたとしたら、どんな物語になるのでしょうか? 人気の女性作家六人が、それぞれが選んだ題材をもとに物語を書き下ろすアンソロジー集。女性ならではの優しさあり、はたまたぴりりとする毒もあり、個性豊かで小気味良い物語が集まりました。
寺地はるな×鉢かづき姫
飛鳥井千砂×踊る12人のお姫様
島本理生×ラプンツェル
加藤千恵×エンドウ豆の上に寝たお姫様
藤岡陽子×乙姫
大山淳子×眠り姫