母にも見せることの無かった、少女の日記。
十代半ばと若年で、すでに完成された独特な感性をもっている。
素晴らしい、素晴らしい!
日々の何気ない出来事や、
明日はいい子でいようとする姿を微笑ましく思う反面、
病気を受け入れようとする健気な姿勢や、
病気を憎む心、淋しい、怖い、などの
本音を垣間見るたび心苦しくなったり…。
少女が生きた軌跡を辿る…素敵な時間だったなあ…。
母の日記が、更にとどめだ。
日々弱りゆく娘の心配する母の日記。
読んだあとしばらく涙が止まらない。
我が子を想う回想が、切ない、苦しい、美しい。
巻末の<私>は生きている、の穂村さんの解説が素晴らしい。
短文の中に隠された少女の気持ちを紐解いてゆく…。
2013年6月8日
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私を知らないで (集英社文庫)
- 白河三兎
- 集英社 / 2012年10月19日発売
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読んでいる最中胸がずっとドキドキしていた。
ページを捲る手が、止まらない。
丁寧で綺麗なとても素敵な文体。しかし、さらりと読みやすい。
心理描写がとても上手いと感じた。ぐっと、引き込まれる…!
読みながら、登場人物達に、羨望し、同情し、共感し…。
感情をフルに使って読み進めたなあと読了後に感動する。
久しぶりだ、この感じ。胸が何かで一杯になる。
ああ、これだから読書はやめられない…
せっかく生まれたのだから、一秒も無駄にすることなく、生きたい。
精一杯人生を楽しみたい。そんな彼女の生き方が、凄く素敵だと思った。
2013年5月13日
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ナイルに死す (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 15)
- アガサ・クリスティー
- 早川書房 / 2003年10月1日発売
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面白かった。とても、面白かった。
クリスティのミステリ作品中最も長大なボリュームの本作。
確かに手に取った瞬間、これは厚いなあ…!というのが第一印象だった。
それにミステリなのに、しばらく読み進めても中々第一の殺人が起こらない。
沢山の登場人物達が丁寧に描かれ、ゆったりとした旅の様子が描写されている。
読了後にふと思ったのが、これはクリスティが感じたナイルの雰囲気なのではないだろうかと。
ゆっくり流れる時間。悠久の土地。何となく、素敵な雰囲気を感じる…。
はじめに書かれている訳者の『はじめは少しゆっくり読んでください。』
という一文の意味も、読了後に頷ける。
これは、のんびりと、ゆっくりと読む小説なのだ…。
これは愛の話である。
作品中に垣間見れる様々な愛が、時には恐ろしく、時には可愛らしく、時には少し可笑しい。
誰が殺され、誰が犯人でどういう動機だったのか。
そういった分かりやすい推理小説の面白さだけでなく、
登場人物達の恋愛模様がとても、気に入る。
あまりの面白さに一気に読んでしまったが、
また今度、ゆっくりのんびりと読み返すことにしよう…。
2013年5月12日
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風の歌、星の口笛 (角川文庫 む 10-1)
- 村崎友
- 角川書店 / 2007年10月1日発売
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ディックやホーガンのような、どこか海外SFを思わせる作品。
世界観に目新しいものはなく、SFの定番のような設定だけれど
そんな事は気にならず、素直に楽しく読めた。
確かに面白い、けれど何か、惜しい。
世界観も登場人物もストーリーも悪くないぶん
何かが少し足りない気がして、口惜しい。
ミステリーを謳わずにSF作品としてなら良い完成度なのにな、と思いました。
SFミステリという先入観無く読みたかった、なあ…
2013年5月1日
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LOADED 幻の麻薬潜水艦を追え!(WIRED Single Stories 005)
- Jim Popkin
- コンデナスト・ジャパン / 2011年11月25日発売
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世界そこかしこで、これほどまでに麻薬の需要があるのかと思うとぞっとしない話である。
2013年4月29日
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女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)
- 森博嗣
- 新潮社 / 2004年1月28日発売
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2013年4月25日
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結晶世界 (創元SF文庫) (創元推理文庫 629-2)
- J.G.バラード
- 東京創元社 / 1969年1月10日発売
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結晶化してゆく世界。死と隣り合わせであっても、結晶世界が「永遠の死場所」そのものであっても、神秘的な結晶世界に魅せられる人々…。もしも世界が終わるとして、小説のように結晶で覆われた美しい風景の中でその最期を迎えられるなら。世界の終わりも中々悪くないんじゃないかと思った。
2013年4月21日
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にょっ記 (文春文庫 ほ 13-1)
- 穂村弘
- 文藝春秋 / 2009年3月10日発売
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思わずおーいお茶が飲みたくなった
くすっと面白い
2012年10月3日
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薬指の標本 (新潮文庫)
- 小川洋子
- 新潮社 / 1997年12月24日発売
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私だったら何を標本にしてもらおうか…
今は思いつかないけれど
これから先、標本にしたいものに出会えるといい
2012年9月30日
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シュレディンガ-の哲学する猫 (中公文庫 た 77-1)
- 竹内薫
- 中央公論新社 / 2008年11月25日発売
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さらさらと読め、面白かった。
そして読み終わった後に気づく。これ哲学の本だったのか…
哲学もそこまで敷居が高くない。きっと。
自分で考えるということは、楽しいことだと再認識。
2012年9月30日
心配するのはもうやめよう
2012年9月28日
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STAR EGG 星の玉子さま (文春文庫 も 22-1)
- 森博嗣
- 文藝春秋 / 2007年12月6日発売
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重力って偉大だ
2012年9月28日
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フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
- サイモン・シン
- 新潮社 / 2006年5月30日発売
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数学者はロマンチスト
2012年9月15日
像の消滅だけ繰り返し読み返す
お洒落で好き
2012年9月12日
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燃えるスカートの少女 (角川文庫)
- エイミー・ベンダー
- KADOKAWA / 2007年12月21日発売
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なんじゃこりゃあ。変。面白い。意味が分からない。面白い!
2012年8月27日
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とりつくしま (ちくま文庫)
- 東直子
- 筑摩書房 / 2011年5月10日発売
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自分が死んだ後、何かひとつ非生命体にとりつけるなら
私は何にとりつくのだろう
2012年8月26日
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夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫 お 31-6)
- 小川洋子
- 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2010年6月25日発売
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淡々としている、少しだけ怖い
ちょっとだけ極端で、可笑しい人たちの話
面白い話たちだった
2012年8月26日
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日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心 (青春新書インテリジェンス)
- 飯倉晴武
- 青春出版社 / 2003年1月7日発売
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大切にしていきたい
2012年8月24日
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ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
- 辻村深月
- 講談社 / 2009年4月15日発売
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心の傷というのは、外からではわかりにくい
しかし自分の傷も案外自分ではわからないのかもしれない
2012年8月23日