殺意の対談 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055960

感想・レビュー・書評

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  • 「神様の裏の顔」がおもしろかったので、他のも買ってみました。
    これもなかなかおもしろかったです。

    最初、女優と女性作家の対談で、それが終わっちゃってサッカー選手の対談に移ったので、ああ、短編なのかと思ってたら、何気に繋がってて後日談がわかったりと、こういう趣向好きです。
    最後はちょっと無理があるような気もしたけど……(笑)

  • これは、ずるい(^ ^;
    かなり色々と「禁じ手」を使ってる感じ(^ ^;

    体裁としては「短編集」で、
    色々な雑誌などに載った対談集を集めた本、
    という心づもりで読み始める。

    インタビュー記事の合間に、話者の「心の声」が混じり、
    段々とその比率が逆転していく(^ ^;
    ごく表面的なつながりしか無い、と思われる
    対談の参加者達が、実は深いところで意外な関係が、
    ということが、読者には徐々に分かってくる。

    最初の内は「ご都合主義もここまで突き詰めれば
    気持ちよいくらいだ」などと思いながら読み進むが、
    徐々にゾクゾクするような要素が増えてきて。

    しかも、関係なく独立した記事だと思ってたが、
    とある共通点に気がつく...ころに、その「共通点」が
    テーマとなった作品が登場して(^ ^;

    さらにさらに、後半になると「それまでに全ての話が
    すべて深いところでつながっている」ことが判明(^ ^;
    登場人物達の狂気は深みを増していく(^ ^;

    最初は「お笑い」かと思って気楽に読み始めて、
    徐々にじわじわと恐怖感を味わわされ、
    最後の最後はちょっとホッとさせられる...
    作者の変幻自在なストーリーテリングの技は
    見事と言うほかはない(^ ^

    いや〜、ちょっと、これは面白かった(^o^

  • 様々な雑誌に掲載されるべく書かれた対談記事の合間に、対談を受ける人々の思惑が差し込まれている斬新な手法。コメディ調の軽快な登場人物たちの会話と毒のある本音が、全体を通して連作になっていくにつれて、ゾッとするような軽妙な罠に結びついて行きます。とてもロジカルに組み立てられていて、かつエンタメ感もある面白いミステリーでした。この作家さんは初読みですが、元お笑い芸人だそうです。芸人さんは多才ですね。他の作品も読んでみたいと思います。

  • 表向きはにこやかでも、実際に腹の中で考えていることは真っ黒でドロドロ。
    途中でこの人優しい人だなと思っても、いやいや実は○○してるし(読者だからわかること)騙されるな、なんて思いながら読んだ。
    最後はちょっと強引すぎるかな?と思ったけど、面白かった。

  • 作品は面白かったのだが、『私情対談』を読んでいたのに文庫版改題と気づかずダブルで買ってしまった。またやってしまった……。ただ、内容は結構忘れていたので楽しめた。

  • 対談形式でかかれた珍しいミステリ。
    登場人物全員が、全員何らかの事件や死に関りがあることが徐々に明らかになっていきます。

    作者さんが元芸人さんということもあるのかエンタメ性がとても高く、ミッシングリンクに次ぐミッシングリンク、どんでん返しに次ぐどんでん返しで、読んでいて勢いがあってとても楽しいです。

  • 著名人同士での雑誌の対談、と言う設定。台詞も脚本形式になっていて、対談という形を忠実に再現している。

    そして、読み進めていくうちに作者の術中にハマる。
    台詞の後に、鉤括弧で語り手の胸の内が明かされているのだ。しかも、話している言葉とは全く裏腹のハラグロ発言が乱発されていき、その内容は徐々にエスカレートしていく。
    そして、彼らが胸の内で語る内容は、少しずつリンクしていくことがわかり、ゾッとする。

    「神様の裏の顔」でも感じたが、藤崎さんは人の腹の内の黒い部分を描き出すことが上手い。今回も、よくこういう手法を思いついたな、と、思わず拍手したくなってしまう。

    しかし最初の章では面白く感じたものの、あまりにもダークな告白が続くもので、中盤からお腹いっぱいになってしまったな…。個人的にはもう少し救いや光の感じる部分が欲しかったな。
    ということで、星4に近い星3とさせて頂きました。

    藤崎さん、調べたら元芸人さんとのことで驚いた!

  • こういうタイプの小説は好きだし、自分でもよく書きます。
    趣味で。そんな経緯もあり、前読んだ『神様の裏の顔』が結構面白かったので、期待しつつ手を出してみた。

    私がよく読めてなかっただけか、ただの勘違いなのかもしれないけど、正直あれれ?って思った箇所がいくつか。
    というかこれ、同じこと何回も言ってないか? 自分が疲れててデジャブしてただけ?
    同じこと思った人いないかなあ。

    最近、過去に読んだ本をもう一度読み返してみようとか考えてるので、思いついたら再読してみます。
    違う感想を抱けることを信じて。

  • 『神様の〜』に続き、藤崎作品二作目。前作の時、特徴的だった“心の声”をより前面に押し出した作品かな。どの対談も面白く、こんな感じなのかなぁと、時に楽しく時に恐ろしく読みました^^ 特に気になったのは…人気バンドの対談です。女性Vo.がハンパねぇな、と。星三つ半。

  • 「神様の裏の顔」同様、心理描写が面白い。今作は裏の顔が全面に出過ぎてる感があったけど。裏の顔は見え隠れするからこそ面白いものなのだと思う。
    あらすじ(背表紙より)
    人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われたのだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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