- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061819016
作品紹介・あらすじ
14歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。教え子の西之園萌絵とともに、島を訪ねたN大学工学部助教授、犀川創平は一週間、外部との交信を断っていた博士の部屋に入ろうとした。その瞬間、進み出てきたのはウェディングドレスを着た女の死体。そして、部屋に残されていたコンピュータのディスプレイに記されていたのは「すべてがFになる」という意味不明の言葉だった。
感想・レビュー・書評
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海鮮丼は好きですか?
どんぶり飯に海の幸がふんだんに乗ったあれです
まぁ僕なんかほら海の男(純然たる山育ち)ですから当然大好きなわけですが、世に言う海鮮丼論争ってあるじゃないですか?(ない)
曰く、海鮮丼のご飯は酢飯がいいか、普通のご飯がいいか?
世界中で侃々諤々の議論が交されてるわけですが、自分も研究者のひとりとして言わせてもらえば…
絶対に普通のご飯ですね!間違いないです
上にのってる海の幸をどのように捉えてるかによって意見は分かれると思うんですよね
具体的に言うとネタとして捉えるか、おかずとして捉えるかです
もちろん自分はおかずとして捉える派なので
『酢飯が邪魔になる』なんちて
さて『すべてがFになる』です
言うまでもなく日本ミステリー史に燦然と輝く名作なわけで、やはりミステリー好きとしては一度は読んでおかねばなるまい!と手に取ったわけですが、うん、読んだことあった〜
そりゃあそう、そりゃあそうですよ!この私が読んでないわけないじゃないですか!しかも自分理系ですよ!(知るか!)
ミステリーで最初に読者に提示される謎は題名であるべき派に属する自分としては(他になに派があんねん)すんばらしい題名ですよね
この謎が解けたときになるほど!って思えるかどうかでこのお話が肌に合うかどうか、もっと言えば森博嗣さんが合うかどうか決まると思うんですよね
ただやっぱり色んなところで「天才だから」で片付けられてるところが多いのがどうしても気になっちゃうんですよね
一方で天才たちから放たれる言葉や思考が、森博嗣作品の魅力でもあると思うんですけどね
いずれにしろこの「奇想天外」な密室トリックはミステリー好きなら一度は読むべき傑作だべさ!
コンピューター系の技術的な部分はしょうがないとしても全体的に古臭さを感じないところもやはり名作たるゆえんと思うったい!(語尾が定まってない) -
S&Mシリーズ ①
犀川助教授(今なら准教授かな)と大学生、西之園萌絵が
天才プログラマー真賀田四季(まがた しき)と出会う。
犀川ゼミのメンバーで、夏休みに合宿という名の旅行に出かける。
そこは自分の両親を殺した四季が閉じ込められてる島。
四季は真賀田研究所という所にずっとおり、
自分の部屋から外に出ることは許されていない。
その真賀田研究所に犀川先生と萌絵ちゃんが訪れる。
犀川先生は以前から天才プログラマーである四季に
会いたいと思っており、会えた!!と思ったら、
殺人事件に出くわしてしまう。
しかも殺されたのが四季。
さらに、殺された状況がどう考えても密室。
ってか、四季は普段人と会わずにモニター越しで
会話をしていたくらい。
誰がどうやって、四季を殺したのか。
勝手に期待をしすぎて思ったほどではなかったので
☆3にしちゃいました。
ごめんなさい。
まず、理数すぎて分からなかった!!!!!!
もぅ、謎解きは何言ってるのか、分からなかった!!!!笑
あと、萌絵ちゃんがお嬢様過ぎて、
全く感情移入できん!!!!!!笑
綾辻行人さんとか有栖川有栖さんとか絶賛してるから
勝手に期待しすぎてしまった…。
でもシリーズものだから、また読むんだろうなー笑 -
もう25年も前の作品なのか・・・
作中に出てくる技術やデジタルアイテムの古さは仕方ないものとしても
違和感なく、今でも面白く読めます。
初めて読んだのは学生の頃。
しばらく読書から離れていて久々に再読したけど、やっぱり森博嗣ミステリは面白い。。。
淡々と綴られる「事実」
その裏の「人の心理」
常人には理解できないものだとしても、それをそれとして飲み込ませるだけの理論があると思う。 -
「貴女に残された時間はあと十七ふんと四十秒よ」
十四歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、間 真賀田四季。教え子の西之園萌絵とともに、島を訪ねたN大学工学部助教授、犀川創平は一週間、外部との交信を断っていた博士の部屋に入ろうとした。ーーーーー
静かに進んでいく謎解きとストーリーに引き込まれた。キャラクターもしっかりしているのにミステリ部分に介入してこないので雑念なく没頭できる。最近読んだ本が逆にキャラクターありきの推理物だったのでその真逆な感じがちょうど良かった。古い作品にはその時のトレンドが盛り込まれているのでタイムスリップした感も良い。山根さんはいいキャラだったなあ。固体と液体の話も面白かった。 -
ドラマから入っての原作。ドラマより登場人物や設定も多く、違いも楽しみながら読めた。トリックを始め設定がIT要素たっぷりで、確かに理系ミステリと言われるだけある。(著者的にはミステリィ?)タイトルに込められた意味がわかったとき、ニヤリとしてしまうのはSEという職業柄かな。続きのシリーズも読みたい。
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葉月がコーヒーを淹れて居間に戻ると、蛹は縁側から庭に下りて煙草を吸っていた。コーヒーの香りで気付いたらしく、まだ眠そうな顔をこちらに向ける。
「つまり、極値で特異点と交わる一つの関数ってこと?」
指さしたのは、テーブルの上に置きっぱなしになっている古いノベルスだ。葉月はソファに腰を下ろし、カップを置くと、その本を手に取った。彼女がこの本を読んだのは、もう十数年も前のことだ。懐かしい、という感覚はない。たぶん、時々読み返しているせいだろう。
「……それどんな関数かパッと出てこないですし、萌絵ちゃんのことも忘れないでください」
葉月の突っ込みに、蛹は煙草をくわえたまま苦笑した。
「ところでさ」
と、蛹は言う。
「なぜ殺人は起こったんだと思う? つまり、犯人の動機だけど」
ふっと、シャボン玉で遊ぶ子供のように、小さな煙玉を吐き出す。それを眺めながら、葉月は答える。
「自由になるためじゃないですか?」
「そうなんだけどさ、こうまでして自由になりたい人間が、どれだけいるのかと思って」
なるほど、と、葉月は笑った。蛹の考えそうなことだ。
「本当に自由になりたい人間なんて、そんなにいない、っていう話ですか?」
「うん。行動の自由は、思考の自由だ。何考えてるか分からない人間だらけの社会で生きたいと思う人間は少数だろうし、自分がそんな風に思われることを望む人間だって少数だろう?」
「思考の檻、ですね。自由に考えているようで、つねに檻の中をぐるぐる回っているだけ、と」
うん、と。
蛹は頷く。
「だから、この人が求めたのは『行動の自由』なんかじゃなくて―――なんかこう、『自由そのもの』とか、あるいはその概念とか意味とか、そういうものじゃないかな」
「よくわかりませんが、なんかそういうアレってことですね」
「うん。だって、そういう存在であろうとするだけで、もうそれは『逸脱』なんだよ。もともとは、誰にとっても思考は自由だ。何ら制限されるものではない。ただし―――己が求める範囲において」
「この人は、どこまでも素数だったんですね」
「うん。自由は孤独に内包される、という話かも」
葉月は、冷めきったコーヒーに手を延ばした。蛹は新しい煙草に火を点けたところだった。彼は、眠そうな目で、自分が吐き出した煙を眺めている。
そういえば、と。
葉月はふと思いついたように、コーヒーカップから口を離した。
「よく、この作品がこんなに前に書かれたなんて信じられない、とか、何年経っても色褪せない、なんて言いますけど……やっぱり時代は反映していますし、そもそも、現実世界とのリンクは必ずしも物語の評価と結びつかないと思うんですよね」
葉月は言う。
蛹は少し考えてから、小さく頷いた。
「こちら側の世界に何があるかじゃない。彼らの世界に何があるか、だよ。それは、ただの定数だ。関数の挙動には大きく影響しない」
それから静かに煙を吸い込み、細く吐き出した。
「もちろん、どう楽しむかは『自由』なんだけど」 -
ミステリー小説をあまり読んだことなく
ネットで調べおすすめであり読んだが
とても面白かった
解決までに向かって行く際のスピード感や
最後の場面等とても良かった
名作、来ましたね。タグ名がスゴイw
この本のタイトル名ですが、めちゃくちゃ引きが強いですよね。
...
名作、来ましたね。タグ名がスゴイw
この本のタイトル名ですが、めちゃくちゃ引きが強いですよね。
なんだこの本、どういう意味なの?
そして読んでみると… うわぁぁ という感じでしたね。
こんばんは!
そうなんですよ
「引きが強い」いい兵庫県民ですね
間違えたいい表現ですね
そして読み終わってあらためて思ったのは読...
こんばんは!
そうなんですよ
「引きが強い」いい兵庫県民ですね
間違えたいい表現ですね
そして読み終わってあらためて思ったのは読む人を選ぶ作品だなってことでした
「うわぁぁ」をちゃんと感じられる自分で良かった