- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152094223
感想・レビュー・書評
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前作「開かせていただき光栄です」の続編。ガッツリ続編なので、これから読まれる方はまず前作から。
とりあえず、解剖医のダニエル、彼の弟子たち、盲目判事のジョンたちに再び会えたことが嬉しい。謎めいた言葉を刻まれた遺体に、何やら怪しげな思惑を持った人たち。そこに、まさかのあの二人が絡んできて、、、。複雑なミステリトリックもさることながら、余りに過酷で、無情過ぎる彼らの過去。あの二人にも本書で再会できたことは嬉しかったけれど、結局、前作以上に切ない結末に。こんな方法でしか決着を付けられなかったのか、、、残されたジョンたちも自責の念を抱え続けそうなそんな結末。でも未来は感じました。更なる続編があったらいいなと思います。 -
「開かせていただき光栄です」続編。繋がりがあるので、順番通りに読むことをお薦めします。
謎めいた言葉「アルモニカ・ディアボリカ」の意味をたどるうち、明らかになるさまざまな事件。やがてはナイジェルの過去にもつながり、物語は大きな広がりを見せます。
過去と現在をつなぐ多くの事象、そして徐々に浮かび上がる真実の姿はある意味、残酷。判事の苦悩も痛々しく、事件の終着点もハッピーエンドとはいかない余韻を残すけれど、後味は悪くありません。 -
18世紀のイギリスを舞台にした解剖ミステリ『開かせていただき光栄です』の続編。
前作から数年後のまったく別の事件を扱った話だが、前作の真相や犯人が土台となっているので、初めて読む人は注意されたい。
盲目の判事サー・ジョンと仲間たちが、胸に〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ!〉と書かれた屍体の謎を追ううちに、前作で自分たちの元を去った友人の影に気づく。腐敗した政治や、社会的弱者に対する差別が公然と行われていた時代背景を元に、犯罪が起こった哀しい理由もしだいに明らかになっていく。
前作同様、作者が八十歳を越えているとは思えない軽妙な筆致で、猥雑なロンドンと田舎のオックスフォード、現在と過去を行ったり来たりする。一緒に謎を追うサー・ジョンと身分の低い仲間たちとの格差(移動手段や食事の差)もしっかり描きながら、悲惨な出来事があった場所の過去の空気までが色濃く迫ってくる。これが謎解きや犯人探しと同じくらいこの本の醍醐味になっている。 -
面白かった。
主要人物のキャラも、だんだん思い出していった。
きつい描写もあるが、その背後の悲哀を描き、読ませてくれる。
18世紀イギリスの雰囲気が、生き生きと伝わる。
『開かせていただき光栄です』を前提とした続編。
前作を読んでおいたほうがいい。 -
前作同様、非常におもしろく読ませて頂いた。ただ、本書全体に漂う雰囲気を前作と比較すると、「切ない」と表現することができよう。その理由はいくつかあるが、それらを述べると、本書の楽しみがなくなるため、ぜひ読んで感じて頂きたい。
また、私はTwitterで知ったというか、本書を最後まで読むと、そのTwitter情報が真実性を帯びるのだが、どうやら続編がありそうだ。陽気なバートンズにまた会いたいなあ。楽しみに待ちたい。