アルバトロスは羽ばたかない

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024581

感想・レビュー・書評

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  • 2015年11月読了。★3つ

  •  児童養護施設を舞台とした、学園ミステリ短編集。
     施設の子どもたちに関わる不可思議を解明すべく、若き保育士の女性が奔走する。
     血生臭い事件を扱うのではなく、いわゆる日常の謎解き系。
     季節ごとの章立てによるオムニバスであり、その構成自体に基づいた叙述ミステリでもある。
     個々の事件そのものは難解ではなく、寧ろ人々の心理考察に重点を置いており、青春群像劇の要素もある。
     各人の台詞が説明調に長いのが少々鼻につくが、少年少女の鬱屈や純粋さが鮮やかに描かれており、清新な印象の残る作品。

  • 児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春奈は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子供達にかかわる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手がかりが隠されていた。

    四つのエピソードを連作短編のように挟み、一つの大きな結末に向かっていく七つの海を照らす星の続編にあたる長編。非常に丁寧にエピソードを重ねた叙述トリックが気持ち良い。はるのんがんばってる。

  • 犯人に目星をつけて読んでいましたが、犯人以外の部分でどんでん返しがあり何度も読み返してしまいました。
    登場人物が多くて覚えられるかな、と思いましたがそれぞれ個性がありキャラが立っているのですんなり覚えられました。
    特に始めの界くんの話が好きです。

  • 「七つの海を照らす星」の続編。

    長編小説だが本題の章の間にそれまでに起こった出来事を
    挿入し連作短編的な感じになっている。

    本題は校舎の屋上から転落したのは他殺か自殺か事故かということを突き止めていくミステリーである。



    <ネタバレ>

    転落したのが高校生の瞭でありそれを主人公の春菜が
    突き止めていくように見えるのだが、実は転落したのが
    春菜であることが隠されている叙述トリック。

  • 『七つの海を照らす星』の続編。主軸となるエピソードの合間合間に、四つのエピソードを挟み込む、という体裁は凝っていて構成の妙を感じます。また、真相が明らかになる際に受ける衝撃もかなり大きく、強烈な印象を残すのですが、それと同時に突きつけられる現実は、あまりに非情で辛いものがありました。でも、描写の端々に感じられる子供達への愛情の深さは前作同様で、主人公のひたむきな気持ちには胸を打たれます。作中で引用されるエンデの希望に関する言葉も、とても素敵で感銘を受けました。

  • 日本推理作家協会賞候補(64回/2011年)

  • 子供の頃に感じた純度の高い苦しみを思い出す。
    登場人物達がみんな純粋だった。
    起きた事を。想像で補う事で生きる希望に出来たり、誰かに遅くなってから知らされたりする所が現実に近いなと思った。

  • 騙された。前作あるようなので通して読みたい。

  • 丁寧に、丁寧に作られた良作ミステリー。

    クオリティ高いです。

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