鬼物語 (講談社BOX)

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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062837811

感想・レビュー・書評

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  • 400年前に忍が眷属を初めて作った時の話と八九寺真宵が逝ってしまう話。江戸初期だから若干時代劇テイストが入るのかと思ったがそこは完全に忍目線で語られるのでほとんど時代劇要素はない。400年前の日本ということで自分の想像力の中でなんとなくその世界を創造するのだけど、単純に読んでる限りではまるで架空の世界のように思えてしまう。過去の世界なんてだいたいそんなものかもしれないが、話を聞いてそれをイメージ化出来ないというのはやはり語り部の問題だろう。怪異に語り部をやらさないというのは正解だと思う。八九寺の語り部は読んでみたかったが。
    しかし、たしかに、まよいマイマイを読んで誰もが思ったであろう、八九寺はなぜ成仏しないで街に居続けるのかという、今までずっと棚上げされてきた疑問を、ちゃんと精算してくるとは!小説ながら現実って厳しいなー!と消沈した。最後の「かみまみた」は涙なしには読めない。未練たらたらでいなくなったことを誰にも話せないのもなんだかつらくなった。物語シリーズがだんだんと暗い雰囲気になっていく。

  • 少女と幼女と童女がアララギくんと『くらやみ』に追われる物語。
    語り部はアララギくん。
    猫物語(白)の間にアララギくんに何があったのか、これで判明します。

    『くらやみ』にまつわる忍ちゃんの過去バナ。
    チラチラと出てきていた臥煙伊豆湖も本格的に絡んできて、あの子との別れ、そして意味深に忍野扇が登場。
    この忍野扇っていう子も、敵なのか味方なのかよくわかりませんね。裏でいろいろ画策してる雰囲気があって、ラスボスっぽい印象なんですが。

    でもこの巻はなんといってもあの子との別れでしょうね。
    アララギくんとのやりとりが好きだっただけにとても残念です。
    別れのシーンは涙腺ヤバかった。
    それと、少女と幼女と童女とあんなことしちゃったアララギくんはうらやまけしからんです。

  • 第2シリーズ、ラストの一個前。
    時系列的には、「傾物語」のつづきで、
    「猫物語(白)」とは、表裏のような関係。
    (白)で張られた伏線が、色々と回収されているが
    (白)を読んだのが昔すぎて、記憶が、うろ覚え…
    (3作空いてるし)。

    目に付いたところ、覚えているところでは、
    ・忍とのペアリングが切れる(羽川が一人でいる忍を目撃)
    ・エピソードが、仕事のため日本に来る(羽川が会う)
    ・「しんぱいすれな」のメール(羽川、受け取る)
    ・何でも知ってる臥煙伊豆湖(何でもは知らない羽川と会話)
    ・扇が「何か」(「何か」って、何だっけ?という感じだが)
    前巻で予告された、学習塾跡炎上事件(神原絡み?)については、
    今回でも回収されず。
    時系列的に、次に当たる「囮物語」とは、
    この後の仕事で(?)、暦が臥煙から「お札」を受け取り、
    その存在を扇が、千石に教えて、という流れ。

    今回は、正体不明の「くらやみ」に追いかけられ、
    それに、四〇〇年前にも会っている、という忍の回想から、
    「くらやみ」の正体とは何なのか、という謎解きがメイン。

    忍、八九寺に加え、珍しく斧乃木余接も出ずっぱりという、
    幼女3人揃えの布陣。

    印象としては「傾物語」のSFチックな感じが近いか。

    70Pから170Pくらいまで、忍の過去の回想。
    一人称にしてくれた方が読みやすかったと思うが、
    今回は臥煙も同じスタイルで話す関係か、セリフスタイルに
    なっている。
    しかも、一人芝居風に、相手の台詞をカットして、
    推測させる、という形なので、あまりスラスラと読めない。
    とにかく、ここまでで、半分以上。
    186Pで逃亡。
    その後、道に迷って、221Pで、ようやく臥煙が登場、
    話は一気に収束(種明かし)へ。
    八九寺について、延々と話し、266Pまで
    (この40Pが今回の解決編)
    エピローグは273Pまで、いかにも怪しい扇と、
    暦の会話。時系列は、「囮物語」の次に位置し、
    千石の話も出てくる。

    で、いよいよ最終巻(第2シリーズの)へ、という流れ。

    鬼半分、八九寺半分(よりは少ないが)、バトルなし、と
    あまり焦点が絞り切れていない感じの、小粒な印象の回。
    しかし、「くらやみ」の正体を考えながら、山中を
    3人でさまよったり、忍とペアリングが切れて、
    普通人間バージョンに戻った暦とか、着地点の見えない
    「冒険性」とヒキは、相変わらず読ませるし、面白い。

    忍の一人目の眷族については、ずいぶんと引っ張っていたので
    (「傷物語」から?)まあ、ラストを前にして、
    一応、回収しておきます、という年末大掃除みたいな話。
    これで、憂いなく、完結へ、ということで。

    忍の回想を「時系列」としてとらえれば、
    「傷物語」より、さらに遡った、本当のエピソード1とも言える。
    ペアリングの切れた忍視点の話とか、臥煙に頼まれた
    仕事(エピソードと共闘し、神原も参加)とか、
    相変わらず話の取りこぼしは多く、いくらでも続けられそうな雰囲気ではある。

  • 読み始めたのは夏だったのに、年またいじゃいました(^_^;)
    ほんと西尾維新さんは裏切らないなぁ、という感じです!はい!
    そしてさっそく次の『恋物語』を購入いたしました(*≧艸≦)ワクワク!

  • タイトルから想起されるキャラと主人公が微妙に違う展開になってきたシリーズである。
    宗教というのは人が人のために創り出したものだと思っている八百万の神国日本人は多いんだな。現在の世界の大きな弊害にもなっている一神教信者とその利用者にぜひ広めてもらいたいものだ。
    終わりに向けて始まった感だが、あれ?あと1冊・・・無理っぽくないですか?

  • 化物語シリーズ第二期ラスト直前物語。
    作中で説明はされているものの、このシリーズは年表がないと話がどうなっているのか迷子になる。
    偽物のあとで傾のあとで、猫と花と囮の前の話・・・のようだけども。
    問題の詳しい説明は中盤にようやくなされ、残り少なくなってきたところで一気に解決するのは囮と展開が似ているような。
    (囮解決してないけど)
    傾も解決としては強引だったので、(これもある意味解決してない)
    後半に一気にきて眠気も無視したくなる程目が離せなくなるのが難点だが、結末として納得できる作品。

  • 副題「しのぶタイム」が秀逸だと思う。「しのぶ」は、「忍」でもあり、「偲ぶ」でもあり。

  • あらすじ

    八九寺真宵を生き返らせようとタイムスリップしたが,失敗して現代に戻ってきた阿良々木暦は,八九寺といつものように他愛のない話をしていた。そこに何の前触れもなく得体のしれない『くらやみ』が二人の目の前に現れた。即座に阿良々木と八九寺はその『くらやみ』から逃走する。たまたま出会った斧乃木余接の助けで『くらやみ』から逃れることのできた阿良々木は,忍野忍にその『くらやみ』に出会ったことを伝えた。

    鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが,四百年前に最初の眷属を生み出したときのことが明かされる。

    感想

    ネタバレが含まれるので,未読の方は注意してください。

    前作の『囮物語』のラストは,撫子がラスボスという予想外なものだったけれど,今作の『鬼物語』もそのタイトルからすると,意外なラストだった。八九寺が成仏し,物語シリーズから去るというラストだとは思わなかった。八九寺は母親の家に着くことができ,しかも,タイムスリップで生き返らすこともできないし,戦闘要員でもない以上,物語シリーズにおいて物語を動かす役割はもうないから,いらないといえばいらない。ただ,阿良々木のロリコンネタや八九寺との掛け合いは楽しかっただけに残念。

    肩車のキスには,ホロリとした。

  • 忍ちゃんかわいいな、てかロリ3(?)がいい味出してる(笑)
    まよいちゃんが語り手の話も欲しかったなぁと思った、うん。
    一番綺麗な終わりだった気がする。

  • 忍が表紙なので忍の話かと思いきや・・・・八九寺の話でした!
    傾物語と逆パターンね。

    語り部が暦に戻り、登場キャラの少女と童女と幼女に囲まれて暦がハッスルするも・・・最後はすこし悲しいお話。

    愛すべきキャラが消えるというのは・・・本当に・・かなしい。

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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