「認められたい」の正体 承認不安の時代 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880947

感想・レビュー・書評

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  • 「人は何故認められたいのか」という根源的かつ誰もに重要な欲求について書かれた一冊。中でも承認不安の現代において、「自由と承認の葛藤」から抜け出し精神的に安定した人生を送るための筆者の意見も書かれており非常に興味深かった。

  • 人間の普遍的な欲求のひとつである承認欲求。特に、自分の抱く飽くなき承認欲求のルーツと自己不全感への対処方法を知るために読んだ。

    本書で分類している親和的承認、集団的承認、一般的承認が相互依存しないかどうかは別として、「現代のコミュニケーションは空虚な承認ゲームである」とは言い得て妙。

  • いろんなことがすっきりしたと同時にまたあらたな不安が・・・

    こういう本っておんなじこと何回も繰り返すのが常なの?

  • この本は、現代は誰もが他人から承認されたいという不安に満ちた時代であると述べている。どういうことかというと、現代は社会共通の普遍的な価値観が崩れ、私たちは参照すべき価値判断の基準を見失っていて、見知らぬ他人の承認を得ることが難しくなっている。だからこそ家族や恋人など身近な他者の承認を受けようと必死になってしまうという現状であるそうだ。さらに他人からの承認には三種類あると述べている。家族や親友、恋人など身近な他者からの親和的承認、クラスメートや同僚などある集団内で関係を持つ他者からの集団的承認、さらに見知らぬ人など、社会的関係にある他者からの一般的承認である。。

  • ぱらりとめくってみた。

  •  現代は承認不安の時代。なぜ認められたいという思いが強いのか,この本では紹介しています。
     フロイトなど有名な精神分析学者の言葉等を引用し,非常に納得のいく説明がされていたと思います。現代は価値観が多様化し,「自分が正しい」という保証が得られにくい時代であるため,人々は承認不安に陥っているというのが著者の意見です。ではなぜ,「自分が正しい」という保証が必要なのかというと,「認められる」ことは人間の生きる意味と等しいから。これを読んで,私は恐らく,「この世界にあなたは必要とされているから生きている」ということを人間は求めているのだと思いました。
     この承認不安の時代を生き抜くための方法が書かれていますが,非常ぬ難しいと思いました。(ここでは紹介を割愛)著者の生き抜くための方法だけではないと思いますが,承認不安の原因が少しわかったので,自分の中でも考えて承認不安と上手く付き合っていきたいと思います。

  • 他者に対しての驚くほどの無関心が、無差別殺傷事件を引き起こす起因になっているという。
    他者との関わりを絶った孤独な人間は、他者の内面を想像したり、共感を抱くことが難しくなっているようだ。
    極端に言えば、この世にいなくても構わない存在といったとこなのだろう。
    共感や憐憫も、怨恨さえも生じない存在とは、なんと虚しいのだろうか。
    自己への承認を渇望する人々が増えているのは、現代社会が、コミュニケーション重視になっていることが関係しているようだ。

  • 身につまされた。「認められたい」からどう脱却するか。

  • 「ありのままの自分」「自分という存在価値」を確かめるしっかりしたものさし(社会共通の価値観)がない時代であるため、身近にいる周囲の人々からの承認を必死に求めている。これは「ありのままの自分」「自分という存在」を他者という鏡でしか映すことができないのである。この状況から抜けることで、承認不安を解消することができる。

  • 「大きな物語」の凋落、ポストモダン

    絶対的な価値観の消滅

    承認不安

    大枠はこんなかんじ


    二章くらいまでは面白かった。
    後半解決策を示すなら、もっと具体例に踏み込んでくれたほうが読み手としては面白かったかも。

    新書との付き合い方がいまいちわからん。

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著者プロフィール

山竹伸二(やまたけ・しんじ)
1965年、広島県生まれ。学術系出版社の編集者を経て、心理学、哲学の分野で批評活動を展開。評論家。同志社大学赤ちゃん学研究センター嘱託研究員、桜美林大学非常勤講師。現代社会における心の病と、心理療法の原理、および看護や保育、介護などのケアの原理について、現象学的な視点から捉え直す作業を続けている。おもな著書に『「認められたい」の正体』(講談社現代新書)、『「本当の自分」の現象学』(NHKブックス)、『不安時代を生きる哲学』(朝日新聞出版)、『本当にわかる哲学』(日本実業出版社)、『子育ての哲学』(ちくま新書)、『心理療法という謎』(河出ブックス)、『こころの病に挑んだ知の巨人』(ちくま新書)、『ひとはなぜ「認められたい」のか』(ちくま新書)、『共感の正体』(河出書房新社)など。

「2023年 『心理療法の精神史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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