なれのはて

  • 講談社
4.23
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065331439

感想・レビュー・書評

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  • ひゃー、凄い!!
    まことさん、私の背中を押してくださりありがとうございます。
    本当に良かったです!

    うちの娘は、以前ジャニーズのNEWSのファンだったことがある。中高生くらいの頃だったと思うが、車で送ってあげる時、NEWSの CDを流して欲しいと言われ、よく聴いていた。

    そのNEWSのシゲですよ。

    そのシゲがこんな凄い物語を書いてしまうの!?

    シゲの本は娘がファンだった頃読んだことがあり、これがまた純文学のようなテイストで。
    えー?シゲってこんな凄い文章書くの!?と驚きだった。
    その話は芸能界のお話で、自分にはちょっと合わなかったのだが、今回はマスコミのお話。

    文章が綺麗で素晴らしいだけじゃなく、物語にもとても引き込まれる。

    最後の場面は、そうあってくれたらいいな、、、という願望が叶い、もう私の中で最高潮に(*^▽^*)

    普段の芸能活動だけでも、相当お忙しいであろうに、こんな凄い本を書いてしまうのか!!

    もーびっくりが止まりません。
    これ、直木賞取ってもよくないですかね?
    そのくらい良かったです!!

    • まことさん
      bmakiさん、おはようございます♪

      そうですよね!
      これ、直木賞でもよかったと私も思います。
      アイドルとしての作者のことは全然知らないの...
      bmakiさん、おはようございます♪

      そうですよね!
      これ、直木賞でもよかったと私も思います。
      アイドルとしての作者のことは全然知らないのですが、凄いですよね。
      bmakiさん、気に入ってくださってよかった。
      きっと気に入ってくださるんじゃないかとは思ってましたけど(*^^*)。
      2024/02/20
    • bmakiさん
      まことさん

      気になっていた本ですが、まことさんに背中を押してもらい、その後すぐに購入しました(*^▽^*)
      はい、間違いなく私好みの...
      まことさん

      気になっていた本ですが、まことさんに背中を押してもらい、その後すぐに購入しました(*^▽^*)
      はい、間違いなく私好みの作品でした(^^)
      ちょっとミステリっぽくて、先が気になる展開で。
      自信を持っておすすめできる本ですね(*^▽^*)
      まことさん、私に読む勇気を与えてくれてありがとうございましたm(_ _)m
      出会えてよかったです(*^^*)
      2024/02/20
  • 加藤シゲアキさん初読みです。
    直木賞の候補作ではこの作品が一番気になりました。


    JBCという会社のディレクターだった守谷はイベント事業部に異勤になり同僚の吾妻季久美の所有していた絵にサインされていたイサム・イノマタという無名の画家の絵で展覧会を開く企画を立てます。イサム・イノマタの絵には吾妻が惚れ込んでいたのです。

    そしてイサム・イノマタの名をみつけた秋田県へと二人はとび、秋田県警の長谷川に昔、起きたある一族の事件を調べてもらいます。
    調べていくと猪俣一族が起こした石油会社の社長である猪俣輝が重要な鍵を握っていることがわかります。
    守谷が輝にイサム・イノマタの絵の話をすると、輝は一億円でその絵を譲ってくれるようにと言い、守谷が断ると東京の吾妻の家に空き巣が入りイサム・イノマタの絵が盗まれます。
    イサム・イノマタとは何者か…?
    猪俣輝はなぜ、絵を集めているのか…?

    果たしてその絵は本当にイサム・イノマタが描いたものなのかという謎もみえてきます。
    輝の出生の謎。有能な、猪俣家の家政婦だった八重。

    本の帯には芸術家が招いた悲劇。暴走した正義。取り返しのつかない後悔。とあります。


    この作品は、一族の歴史を巡る、純愛と友情の物語だと思いました。
    話は戦前まで遡ります。
    そしてその謎がすべて解けたとき…。
    一枚の絵に込められていたすべての真実が解き明かされます。

    • まことさん
      どんぐりさん、おはようございます♪

      コメントありがとうございます。
      やっぱり、この作品気になりますよね。
      私は加藤シゲアキさんのこ...
      どんぐりさん、おはようございます♪

      コメントありがとうございます。
      やっぱり、この作品気になりますよね。
      私は加藤シゲアキさんのことは全然知らないのですが、アイドルが書いたとは(偏見?)思えないクオリティの作品でした。

      ミステリー好きならこの作品はかなり評価できると思います。
      図書館予約、早く回ってくるといいですね!
      楽しまれてください。
      2024/02/03
    • どんぐりさん
      こんにちは(^^)

      図書館本が届いて読み終わりましたー!

      なかなか濃厚な作品でしたね〜

      アイドルである自分のファン向けではなく
      作家と...
      こんにちは(^^)

      図書館本が届いて読み終わりましたー!

      なかなか濃厚な作品でしたね〜

      アイドルである自分のファン向けではなく
      作家として伝えたいことを
      作品されてるんだなと感じて
      今まで勘違いしててごめん!
      と言いたくなりました。


      2024/03/04
    • まことさん
      どんぐりさん、こんにちは♪

      加藤シゲアキさんって、金八先生に出ていたのですね!
      今朝、どんぐりさんのレビューで知りました。
      どんな方なんで...
      どんぐりさん、こんにちは♪

      加藤シゲアキさんって、金八先生に出ていたのですね!
      今朝、どんぐりさんのレビューで知りました。
      どんな方なんでしょうね。
      (私は知らないので)
      私もアイドルなら、姪たちが、読んでくれるのではと思い購入しましたが、とんでもない、うちの姪たちは、こんな凄い作品は読まないですね。
      2024/03/04
  • まずは謝ります。
    読まず嫌いをしてました
    ごめんなさい…!!!


    NEWSの加藤シゲアキの作品ということで、
    なんとなく遠ざけていました。

    金八の頃から知ってるアイドルの顔が
    どうしても浮かんでしまいそうだし
    おもしろいの??と思ってました


    でも二度目の直木賞候補になったことと
    ブクログでも高評価なこととで
    手に取ることにしたんです


    そしたら濃厚で読み応えのある作品でした
    かなり取材され、
    練り上げられた物語なのだろうと感じました。


    一枚の絵から始まり
    物語はどんどん広がっていきます
    戦争や、家族、障害への理解、
    報道のあり方など
    いろんなことが詰め込まれた力作です


    暗く重たいテーマではあったものの
    すっきりとした読了感でした


    ただ登場人物が多く、
    時系列も前後するので混乱し
    何度も読み返して整理しながら
    読み進めたため、
    ちょっとスピード感がダウンしてしまったことと

    登場人物に感情移入はしきれず

    星は3つにしました


    でも読んでみる価値あると思いますー!!

    オルタネートもなかなか手が伸びずにいたけど
    読んでみようかな。。

  • これは凄い。著者がアイドルなのにというバイアスがかかったにしても相当凄い。ちょっと読了後の興奮が止まない!
    創作にあたって、良い作品を作ろうと試みるのは当たり前なんだけれど、執筆に相当な時間がかかったんじゃ無いかな?読ませる為の努力、飽きさせない努力がビンビン伝わってきた。文体・構成によって、こんなにも強い作品を書き上げることができるんだなと、本作で著者を見る目が180度変わりました。
    読み進めている途中からとんでもない小説を書いたなぁと感心してましたが、内容も複雑に入り組んでいてまた良い。これは複雑だからこそ良い。
    本棚保管させて頂いて、またじっくり時間をかけて読ませて貰います。迷いなく⭐︎5です。

  • たった一枚の絵から多くの人々の未来が切り開かれてゆく… あまりに壮大な社会派ミステリ #なれのはて

    ■あらすじ
    テレビ局の報道からイベント部へ左遷された主人公は、同僚から一枚の絵にフォーカスしたイベントの相談に乗っていた。事業化や著作権の観点から開催が難しいと上司から却下されるも、実現に向けて絵画の作者について調査を始める。ところが既に作者と思われる人物は行方不明で、作者の兄も焼死体として発見されていたのだった…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    たった一枚の絵から、戦後の日本社会、秋田の産業を紐解きながら、家族や人間の絆、そしてを報道と芸術を使命を描いた社会派ミステリーです。

    シンプルに凄い!よくぞここまで調べた上、エンタメとして書き切りました。そのまま映画になってもおかしくない出来具合、濃厚な一冊でした。

    まず物語の壮大さに感服ですよ。現代に残された一枚の絵から、ここまでのストーリーに広がっていくなんて思いもよらなかった。もともとは作者を探していただけなのに、その家族、戦争と産業など、様々な歴史や背景を知ることになる。

    そこには人間ドラマがまるっと描かれており、当時の人々の鬼気迫る想いと情熱が伝わってくるのです。特に「なれのはて」に対する様々な価値観と向き合い方には、自分も現代社会を生きる者として考えされました。そしていつのまにか主人公に感情移入をしてしまい、夢中になって読み進めてしまうのです。

    しかし、いつの世も人が必死で生きているにも関わらず、戦争はすべてを不幸にしてしまいますね。終わってしまったことは誰にも覆すことはできませんが、なんとも切ない思いに胸を痛めました。

    また現代でも度々問題になる、報道の在り方についても警鐘を鳴らしてくる。資本主義とジャーナリズムの狭間で苦悩する者、胡坐を組む者。常に自分事として考えながら、どこに向かって生きていくのかが重要なんでしょう。

    ■ぜっさん推しポイント
    本作の一番の推しどころは、たった一枚の絵との出会いからすべてが始まるところです。忙しく人生を走り続けていると、つい見落としてしまうこともいっぱいあるのですが、本作の主人公たちが熱意をもってことに当たったことが、多くの人たちの未来を切り開いていきました。

    一枚の絵も、「なれのはて」も、いまを生きる我々も、100年先の未来のために何ができるかを考えていきたいですね。

  •  文芸誌『小説現代』10月号(9/22発売)にて読了。単行本の発刊より早いのと、本作の全編公開の他、加藤シゲアキさんのロングインタビュー、小説の舞台である秋田・土崎空襲現地取材レポートにも興味がありました。

     加藤シゲアキさん著作は『オルタネート』のみ読了済でしたが、全く印象の違う壮大な物語でした。
     TV局勤務の守谷京斗は、同僚の吾妻李久美が祖母から譲り受けたという、不思議な存在感を放つ作者不明の絵と出合います。この謎の作者を探っていくと、秋田・土崎地区のある一族の隠された歴史と土崎空襲がもたらした悲劇にぶつかるのでした。

     1945年8月6・9日の広島・長崎の原爆投下がトドメではなく、秋田市の土崎空襲は、14日夜から15日(終戦の日)未明にかけて、日本石油秋田製油所を目標にされ、多大な被害を受けた最後の空襲の一つとのこと‥。勉強になりました。

     一枚の絵の謎を追うミステリーを主軸に、戦争、芸術と著作権、報道と正義、家族‥、全てを詰め込んだ加藤シゲアキさんの本気度と覚悟を感じるとともに、大きく強力な物語の熱量の渦に巻き込まれてしまいました。
     たった一枚の絵から始まった物語は、想像を遥かに超えて深く、重かったです。

     加藤シゲアキさんが物語に詰め込んだ諸々のこと、これらの行き着く先はどこになるのか? いろいろな意味・対象をもつ「なれのはて」は、ただの没落なのでしょうか?
     終着点から起点・経過を振り返ると、結果の有り様や行き着いた状況には、無念さや悲しさ、寂寥の念が強いのですが、個人的には暗いマイナスイメージだけでない、心を強く揺さぶられるほどの重さ・深さがありました。

  • ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動となったテレビ局員の守谷京斗。
    彼の指導役となったのは吾妻で、早速彼女がやりたいイベント企画があるので手伝ってほしいと持ちかけたのは、祖母の遺品である作者不明の絵だった。
    裏には『イサム・イノマタ』の筆記体で書かれたローマ字。
    調べても出てこない無名の画家。
    画家の正体を探るべく、向かった先は秋田県。
    油田を掘り当てた一族に何らかの繋がりがあるのでは…と。

    なれのはて…それは苦しく激しく深い業のように思えてくる。
    見えない闇とすら感じてくる。

    ただその関わりのなかで一筋のひかりとなって現れたのが絵であったということだろうか。
    ラストも言葉にならなかった。

  • 正直、自分の感覚として「芸術」や「報道」に少し読みづらさを感じていた部分もあって、読むかどうか迷った作品ではございましたが、そうしたことを感じさせないくらいミステリー要素の強い作品で凄く惹き込まれました。

    物語は主人公がテレビ局のイベント企画部に異動することから始まります。物語の序盤から、主人公が抱えるトラウマが仄めかされ消極的な行動をとる主人公。しかし、新たな部署で出会った仲間に無理やり絵の展示会企画に巻き込まれることになるというストーリー。

    読み進めていくと、怪しげな資産家一族が登場したり、事件が起こったりと多くのミステリー要素が登場するとともに、絵の裏側に秘められた壮大なヒューマンドラマに思わず唸ってしまう作品でした。

    評価が少し落ちた原因としては、少し人物の相関図が複雑すぎる+こまめに読んでたこともあって、人物の出生や年齢などを把握するのに少し手間取ったことがあります。この資産家一族の相関図は物語のキーポイントでもあるので、今後読まれる方は是非相関図をメモしながら読まれることをオススメします。

  • ミステリー書評
    読書レベル 中級
    ボリューム 443頁
    ストーリー ★★★★★
    読みやすさ ★★★★
    トリック  ★★★
    伏線・展開 ★★★★
    知識・教養 ★★★★★
    読後の余韻 ★★★★★
    一言感想:
    【第170回直木賞候補作】
    社会派ミステリーが好きな方、秋田県出身の方にオススメの一冊です。

    とにかく読後感が最高でした。そして読み応えが抜群の作品です。さすが直木賞候補作とだけありエンタメに留まらず、大正から昭和(戦争期から終戦後)の時代を背景に繰り広げられるストーリーの中に、戦争、差別、暴力などを訴えつつ、ミステリー要素を盛り込んだしっかりと構成されたストーリーに圧巻でした。おまけとして、秋田県の方言がふんだんに使われていて、秋田県民には堪らないかもです(笑。

    ただ、純粋なミステリー作品として読もうとすると少し物足りなく感じるかもしれません。

  • 時は2019年。テレビ局の報道局に所属していたが、ある事件をきっかけにイベント事業部に異動となった主人公守谷。
    イベント事業部で同僚となった吾妻と、吾妻が所持する一枚の魅力的な絵で展覧会を開催する事を計画。
    展覧会の開催には作者の許可が必要。
    しかし、作者は1960年大晦日に行方不明となり、作者の兄も1960年の大晦日に焼死体として発見される。
    展覧会の開催の為に守谷と吾妻が、行方不明と死の真相解明に乗り出す。
    が物語のあらすじです。

    443ページと重厚感がありますが、読み易く、徐々に物語の真相に迫っていく流れに引き込まれました。

    戦争、障害、家族といったテーマを一つ一つ丁寧に描かれており、一冊の本なのに何冊も読んだかの様な満足感がありました。

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2022年 『1と0と加藤シゲアキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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