くまちゃん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058283

感想・レビュー・書評

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  • 失恋したばかりで読んだから余計に心に染み渡った。
    面白かった。

  • 恋愛小説はあんまり読まないんだけど、角田光代さんってことで手にとりました。短編なんだけど、短編っぽくない小説。
    「自分を好いてくれる人じゃなくて、他の人を好きになってしまうのは何でだろうね?」とか「見当違いの相手にヤキモキ焼いて、スタコラ逃げ出したり、恋してる人って、恋しる時って、挙動不審になるのは何でだろうね?」とか「恋に落ちて、相手のことを知りたくなって、知って知って知りまくったつもりでも、結局、何もわかってなかったんだな。っていう焦燥感ってあるよね?」とか、読んでるうちに頭ぐるぐるしちゃってさ。
    小説なのにだんだん恋愛してる気になってきて、(しかもふられてる)すごく疲れた。
    やっぱ、角田光代、すげーな。

  • 2012.1.25
    角田光代お得意の、誰かの日常を切り取った系小説。凄くどきどきする訳ではない、わくわくするわけではない、だってそこに描かれてるのは日常だから。人が人に恋をし、ふられる、という、とてもありふれたこと。
    ふられ小説、という帯に、この本の中に今の私に必要な言葉があるんじゃないかと思って手にとった。

  • 角田光代さんの“ふられ”小説
    リレー形式で登場人物がふられていくのが面白い

    光の子で、久信が心の中で苑子につく悪態が
    自分は正しくて相手が間違っていると繰り返す子供の様だった
    相手の罵倒の仕方は女性的なのに、自分の正当化は男性的な気もした
    ゲイの知り合いがいるわけではないので
    なんとなくですがゲイっぽいな~と思った

  • 2011年11月9日購入。

  • みんながふられる。
    ふられると分かっているから読んでいても悲しい。
    読み終わって案の定ふられていてやっぱり悲しい。
    ふられるってつらいし悲しいし、こんなこと繰り返すなんてむなしい。
    こんな気持ちになるなら何でこんなもの読んでんだ、何のために生きてんだ。

    それでも
    「じゃあ読むのやめよう」って
    ならないんだよなぁ

  • 短編集。けど、登場人物に繋がりがある。
    主人公が恋していた相手が次の話の主人公になっているのですが、
    後半では前の話より前の登場人物が出てきたり。
    しかも、月日が流れて成長しているので、また前の話が読みたくなったり。
    失恋でも相手には嫌われていない振られ方だから(本人気付いてないけど)
    読んでいて後味は悪くなかった。

  • 短編小説だが、次の話が前の話に登場してくる話で面白い。様々な恋愛観や人生を垣間見れた。どの主人公も、前の恋愛を生かしつつ次の恋愛へ進んでいく前向きな気持ちが伝わった。

  • 久々に読めた一冊。

    苑子はくまちゃんにくまちゃんはユリエにユリエはマキトにマキトはキマちゃんにキマちゃんは信久?久信?に信久?久信?は文太に、失恋する話。


    失恋させた方も、失恋するってのが、それが良かった。なんか、多分普通の事なんだけど、人間一人の視点からでは見えないところだよね。

    話は短編だけど、全ての物語が繋がってて、短編じゃないところも良かった。

  • 本の雑誌増刊「2011年度 文庫ベスト10」

    6位

  • 登場人物全員が失恋するという連作短篇集。
    失恋も恋のうちであり、経験することで、これまで見えてなかった「何か」を得る。
    作品の一つ「アイドル」の中で、失恋した英之が、「だってあの女は、おれにはじめて恋というものの全容を、あますところなく見せたのだから」「やっぱすげえ女」と思うシーンに共感を覚える。いい恋愛してんなぁ。
    そして「光の子」。この連作集の中では異色だが、ラストシーンは泣ける。光が目に浮かぶようだ。

  • ひとと関わるのが怖くなりそうなときにまた読もうと思った。
    いいときに出会ったなあ

  • 似ているから好きになる恋もあり、あまりに違うから好きなる恋もある。

    誰しもその時自分に必要な相手と必要な恋をする。

    そしてあるとき、関係は終わる。
    それは必要であったものが、必要でなくなったから。たぶん、双方にとって。

    自分には必要でないということが分からないまま、過去にじっとうずくまる。
    なぜなら次に自分が何が必要か、自分には分からないから。あるいはまだ、だれも必要としていないから。
    けれど、不思議なことに自分は立ち直る。

  • とても共感すべきことが多い本。憧れではない愛なんてあるんだった前向きになれた。

  • あんまり好きじゃなかった。失恋小説だとしても、プラスな失恋じゃなくて、全部ズタボロになってた気がします。印象に残るような人がいなかったのが残念。

  • ただの恋愛小説かと思いきや
    ちょうどいい時に出会えた本

  • 2011/12/1〜12/4

  • 「希麻子のいう成功がどんなものかはよくわからないが,しかし,何かをやりたいと願い,それが実現するときというのは,不思議なくらい他人が気にならない。意識の中から他人という概念がそっくりそのまま抜け落ちて,あとはもう,自分しかいない。自分が何をやりたいかしかない,…それは何だか,隅々まで陽にさらされた広大な野っぱらにいるような,すがすがしくも心細い,小便を漏らしてしまいそうな心持ちなのだ。自分を認めないだれかをこき下ろしている間はその野っぱらに決していくことはできないし,野っぱらを見ることがなければほしいものはいつまでたっても手に入らない」
    「馬鹿だなあ,きみはなんか見て感動したんだろ,すげえって思ったんだろ,それだけでいいんだって,履歴とかキャリアとかじゃなくて,すげえって思うその気持ちの強さだけがこれからのきみを引っ張ってく力なんだぞってそう言うんだよ」
    「おれが成功していて,文太は失敗しているんだろうか。マスコミに取り上げられれば成功で,取りざたされなくなれば失敗なのか。…俺の感じた「すげえ」はそんなのとはちっとも関係ないような気がする。けど,何人もが「すげえ」と思ったからあの画家は美術館を作ることができたわけで,もしあのすげえ絵が自宅にひっそりと放置されていたら,すげえってことすら,だれにもわからないことになる」
    「才能だとなんだのが有効なのはいつも今しかないじゃないの。過去に何やったかなんて関係ないし,未来に何をしようが関係ない。今何者でもなきゃ,何者でもないってことよ。今何かしなきゃ,未来につながるものだってなんにもないってことよ」

    面白かった。短編がつながっていく感じとか。
    あんまり読んだことないけど,この人の文章は好きかも。

  • 連作短編7作。
    「読みながら数々の出来事を思い出した。不思議なことに、知らないことまで思い出せた。」
    解説の方、私の言いたいことを書いておられる(今度作品読んでみよう)。
    彼女の作品を読むのは、ほんとうに、怖いし、緊張する。
    今回は、某連載を数回読んでたので手に取ったものの、そうでなければ読まなかった。
    気付けば、「あの時どうした?」「あれはどうなった?」「あの人どうしてるんだろう?」
    記憶の片鱗に触れるたび、感情が甦る。
    番外編のような最後の1作が、救いになった。

  • 好き、こういうの。
    林久信の話が泣けた、久太。
    あと、ふられたときに
    自分のなにがいけないのっておもうきもち、
    よくわかるよ。

  • 2011/11/24読了
    なんかちゃんと読めなかったな。
    気持ちが読書に向いてくれない、そういう感じ。

  • 章ごとに振ったり振られたり・・・
    読んでいて思ったのは、少なくとも振る側は、振る相手をそんなに好きじゃない。振る理由はひとそれぞれかと思いきや、結構みんな似た理由だった。もっとバラエティに富んだ理由でもよかれと思われる。
    でも、最後から二つ目と最後の章は面白かった。最後の「乙女相談室」はそれまでのまとめになっているんだけど、後味をぐんと良くしたなぁと思った。

    解説にもあったけど、好きな人にずっと好きで居続けて貰えるなんて、奇跡に近い。でも私はフラれ小説を読んでも尚、「ずっと」を信じていたいと思う。

  • このタイミングでこうくるかという感じ タイトルと背表紙の紹介で軽く読めるかと思ったらえぐられた サクサク読めるが軽くないページが急に来る 夜読んでたら泣いてたね ある意味真夜中のあいつ以上 まだ昼下がりと呼べる時間で良かった

  • 角田光代さん、2冊目です。
    一冊目は八日目の蝉でしたが、全然違う読後感でした。

    連作短編となっており、一作目で振る側に回った人が、
    二作目で振られて行く、というようなつながりを持った作品です。

    そういう意味ではそのことに気づいてからは、
    どんなに幸せそうな空気だとしても最後には振られるんだなー、
    なんてちょっと寂しい気分で読むことになります。

    ともあれ、一つ一つの物語の中で別れ行く恋人たちの姿は、
    非常に共感できるもので、やっぱり恋が永劫に続くと言うのは、
    きっと難しいことなんだろうな、と思わされます。

    恋愛小説好きならお勧めの一作です。

  • 失恋をテーマにした短編集。

    最後の話が好き。

  • 角田光代のふられ小説はなんでこんなにも私のツボを突くんだろう。
    恋愛で行き詰まった時、この本を読もう。
    各エピソードの主人公がそれぞれ持ってる恋愛観。
    きっとそのうちのどれかがその時々の自分に当てはまるだろうから。

  • ふられ短編小説。1章でふったひとが、2章では主人公になって、ふられる。2章でふったひとが3章で主人公になって…。ものすごく気持ちがわかる。自分と好きなひとを重ねてみたりして。なんか、大丈夫だ、と思った。わたしはいま、石ころみたいな気持ちだけど、ほんとに石ころなんじゃないんだ、ってわかったから、大丈夫。

  • くまちゃん。タイトルに関係する人は序盤にしか登場しない。ふった人が次はふられるという流れ。短編のようだがそれぞれが繋がっていて面白い。どのカップルもフラれる方が純粋に相手が好きだったように思う。フラれる恋愛に出会って本当に好きだと思うのかなと思った。最後のネットの話はうーん。まぁですね。

  • くまちゃんから始まる失恋リレーオムニバス短篇集、とでも言いましょうか。
    最近読む本読む本が、この形式の登場人物が重複しつつリレー式につながっていく短篇集ばかりなのは、書きやすいからなのでしょうか。
    まぁ読む方もその方が楽なんですけどね(笑)

    角田さんの書く話は、長編でも短編でも、その根底にある種の無常観が潜んでいるような気がします。
    人生という河には、恋愛にしろ友情にしろ家族愛にしろ、移ろいやすく儚いものばかりが、ぷかぷかと浮かんで流れているのだけれど。
    その儚さの上澄みの下で、本当に大事な何かがゆっくりどろりと底を流れている…そんな印象の作品が多いです。

    些細な事、反対にとても大事な事、様々な事で恋人だった二人の恋があっけなく終わってしまう。ヒリヒリとやけどのような想いで苦しんでも、それでもまた新しい恋を始めるために歩き出す…恋とはそんなに良いものかしら、と思い、恋愛途中の姿を思い出すのですが、さほどカッコよかったり映画のように甘いものでもなく。

    ああ、人間って恋愛する生き物なんだなぁ…そんなことをこの短篇集を読んで思いました。
    儚くても、移ろいやすくても、それでも。

  • むかし、読んだことあった短編も含む話達。

    失恋かぁ・・・


    失恋て、わたしはすがすがしいな。

    でも、大人になってからは、しんどそうだな。


    つらかった失恋、

    もう全部わすれちゃった!

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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