もう、聞こえない

著者 :
  • 幻冬舎
3.53
  • (48)
  • (153)
  • (178)
  • (27)
  • (3)
本棚登録 : 1453
感想 : 160
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036512

作品紹介・あらすじ

「女の人の声が聞こえるんです」。
殺人の罪を認め、素直に聴取に応じていた被疑者が呟いた。
これは要精神鑑定案件か、それともーー。


身元不明の男性が殺害された。
加害者が自ら一一〇番通報し、自首に近い形で逮捕される。
これで、一件落着。
自分の出る幕はない、と警部補・武脇元は思っていたが……。


事件の真相に、あなたは辿り着くことができるか。
伏線に次ぐ伏線が織りなす衝撃のミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 先に心霊ものであるというレビューをちらっと見たので、怖い話なのかな。読めるだろうかと思っていたら全くの杞憂でした。すごく面白かったです。

    以下、少しネタバレしている部分もあるのでお気をつけください。

    浜辺友介という身元不明の男性が中西雪実という30歳の出版社勤務の独身女性の家で、置物で殴られて死亡するという事件が起きますが、雪実は「女の人の声が聞こえるんです」というばかりで、正当防衛になります。

    この事件の前にあった15年前に19歳の足立美波が殺された事件と、去年から行方不明になっている雪実の職場の前任者で美波の幼なじみでもあった寺田真由の事件が関わっていることがわかってきます。

    そして雪実の聞いている声というのは、実は既に殺されていた真由の声であるということがわかります。

    ホラーや怪談話ではなく雪実と真由の仕事が縁で、事件の前から結ばれていた絆でおおもとの事件を解決していく様子は爽快で、とても面白くスカッとしました。

    話の展開も驚きの連続で、一気読みでした。
    殺人事件が3件ありましたが、暗くなく雪実と真由のやりとりがコミカルでもありました。

    このコンビで、続編が出ればいいと期待します。

    • くるたんさん
      まことさん♪
      楽しんだ感がとても伝わってくるレビューに拍手です( *′ω`ノ)ノ

      好き嫌い分かれそうだけど、面白かったですね♬
      ゆったんに...
      まことさん♪
      楽しんだ感がとても伝わってくるレビューに拍手です( *′ω`ノ)ノ

      好き嫌い分かれそうだけど、面白かったですね♬
      ゆったんにも惑わされたし、随所でうわっとやられました。

      私もまたこのメンバーに会いたいです♬
      2020/10/23
    • まことさん
      くるたんさん♪
      最後はゆったん消えてしまうのかと思って淋しくなりましたが。
      復活しているので、続編を期待してしまいました!
      くるたんさん♪
      最後はゆったん消えてしまうのかと思って淋しくなりましたが。
      復活しているので、続編を期待してしまいました!
      2020/10/23
  • 久しぶりの誉田作品。皆さんのレビューを読んで興味を引かれた。

    傷害致死事件を起こした中西雪実は取り調べで『女の人の声が聞こえる』と言い始める。担当刑事の武脇は精神鑑定案件か?と身構える。
    だがその後は親友が殺された事件を十四年振りに調べる寺田真由という女性の話が延々続く。
    読み進めるうちに直ぐ『女の人の声』と真由の繋がり、さらに真由と雪実の繋がりは見えてくる。となると、雪実が起こした事件の構図は?と想像を巡らしていく。

    ホラー? シリアス? と思いきや、時折コミカルな語りを入れてきたり、キャラクターも重すぎず軽快に読めた。三人も殺されていて、どれも暴走しなければ起こらなかったことでは?とも思うのだが、サクッと殺される辺り、誉田さんらしい。

    気になって調べたら、武脇とコンビを組む菊田梓は姫川班の菊田の妻らしい。こうやってちょこちょこ姫川シリーズとの絡みを入れてくるのがニクい。

    事件の構図については作家さんの仕掛けにより全ては分からなかったが、予想していたような皮肉なものでなくて良かった。
    だが雪実の『声が聞こえる』という証言を武脇ら警察がどう受け止めてくれるのか、そこが気になっていたがここにも思わぬ展開が待っていた。
    結果武脇はどういう調書を書き上げたのだろう。

    終章からすると、タイトルは違うような。
    久しぶりの誉田作品、楽しめた。

  • 再読、どんな物語かすっかり忘れていて、あらすじ読んでも思い出せなくて読んだ。
    親友を殺されて雑誌記者となった主人公も拉致されてあえなく殺されて埋められてしまう。
    幽霊となった被害者は後任の女性を導いて犯人を追う。こう書くとなんだそりゃ、なんだけど時間軸や構成の妙で最後まで楽しめる。

    2022/03/05読了
    新境地?いやいやこれは無いだろう。
    そんな風に思いながらも面白くて一晩で読んでしまった。後でもう一度読んでみよう。
    いやこれは、まんまと一杯喰らったような、でも笑えるような泣けるような。読書って楽しいなと思える一冊だった。

    作品紹介・あらすじ--------------------------
    「女の人の声が聞こえるんです」。
    殺人の罪を認め、素直に聴取に応じていた被疑者が呟いた。
    これは要精神鑑定案件か、それともーー。
    身元不明の男性が殺害された。
    加害者が自ら一一〇番通報し、自首に近い形で逮捕される。
    これで、一件落着。
    自分の出る幕はない、と警部補・武脇元は思っていたが……。
    事件の真相に、あなたは辿り着くことができるか。
    伏線に次ぐ伏線が織りなす衝撃のミステリー。

  • 肩のチカラが抜ける一冊。

    終わってみれば面白かった。

    傷害致死容疑をかけられた、すぐに泣く被疑者の取り調べからスタート。
    どんな展開が待ち受けているのか…予測がつかないままいざなわれる。

    進むページ、お財布や銀行が似合う人との電車での出会いといい、事件の根っこにあった、まさかのそっちか!といい、課長といい…どんどん肩のチカラが抜けて口は半開き状態。

    これは異色というか、斬新というか、予想外の楽しさ。

    騒々しい警察小説が苦手な自分にはある意味静かなのも良かった。

    本を閉じ真っ先に出るのは…うふふ…。
    巧いな。

    • まことさん
      くるたんさん。こんにちは!

      これ、私、面白かったー!!!
      星6つにしたかったくらい、笑わせてくれたし。
      真由が伊勢丹で試着して回る...
      くるたんさん。こんにちは!

      これ、私、面白かったー!!!
      星6つにしたかったくらい、笑わせてくれたし。
      真由が伊勢丹で試着して回るところとか。
      福沢諭吉の登場も。
      事件が、どんどんいい方向に解決されていくのもスカッとしました。
      今年のミステリーのランキングに入らないかな~?
      2020/10/23
    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♬

      わ、楽しませてたみたいで良かった!
      これは予想外の展開でしたよね。
      試着室あったあった!
      私は課長の居酒屋でのカ...
      まことさん♪こんにちは♬

      わ、楽しませてたみたいで良かった!
      これは予想外の展開でしたよね。
      試着室あったあった!
      私は課長の居酒屋でのカミングアウトがツボでした〜( ●︎≧︎艸≦︎)
      課長と真由で番外編読みたいぐらい!
      2020/10/23
  • 女の声がする、という供述から、スピリチュアル系の話かと危惧したけれど、違った。

    生者の声は聴こえないけれど、生者に言葉はなんとか伝えられる。
    制約のある状況で奮闘する幽霊は、どこかコミカル。

    事件そのものはうんざりする犯行だけれど、幽霊まわりがユーモラスなせいか、暗くなりすぎない。
    グロテスクな場面もなく、ラストも明るかった。

    菊田梓巡査部長がふと漏らす、夫の話ににやにや。

    諭吉の登場は、さすがにスピリチュアルすぎた。

  • 最初からスラスラと読みやすい。
    ミステリーだけど重くなく、
    刑事がクスッといい味だしてる。
    途中からファンタジー入ってくるけど、違和感なく読めて楽しめた!最後もよし。

  • 身元不明の男性が殺された、加害者女性が自分が殺したと自首をする。しかし、「女の人の声が聞こえるんです」と不思議なことを言い出した。
    ミステリーなんだけれど、なんかコメディー入ってる気がする。霊が出てくるけど、怖くないし、それ以外でもエグいとこないし、誉田さんの作品の中では珍しいのかなあ。最後は楽しそうだし。刑事の心の内も楽しめたけれど、予想外の内容で、また予想外の展開で、それはそれは驚いた。

  • 私が読む誉田哲也氏作品6冊目、そしてお久しぶり。
    表紙も不穏だし、本格的な警察もの推理ものだと思いながら読み進め、叙述トリック部分は見破っていたので驚かず。
    ところが途中から、この作品は思いもよらないタイプだと知ることになる。
    えーっ?!これってそういうアレ?
    そこでちょっと気分を削がれたが、そういうものと割り切り、気持ちを立て直して読んだら意外と面白かった。

  • 女性が部屋で男性を殺した殺人事件に端を発し、物語は意外な方向へと広がっていく。てっきりシリアスなミステリー作品かと思って読んでいたら、誉田作品の中でもどちらかというとユーモアを含んだ軽いタッチの作品に分類される内容だった。

    誉田哲也はあいかわらず女子高生を一人称で書くのが上手いなと再認識。現実離れした設定だが、暗さがないため不思議と読んでいて違和感はない。正直謎解きの要素は余りない。一方で姫川玲子シリーズに繋がる人物も出てきたりして、誉田ファンなら思わずにやりとしてしまう。最後は続編もあるのではという終わり方で、それはそれで読んでみたい。

  • 怖そうなタイトルと表紙で覚悟して読み始めたら、案外軽いタッチでテンポよく話が進む。
    今まで読んだ著者のイメージとは少し違って、これはこれで面白かった!

全160件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

誉田哲也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
百田 尚樹
東野 圭吾
横山 秀夫
誉田 哲也
凪良 ゆう
東野 圭吾
東野 圭吾
誉田 哲也
N
道尾 秀介
東野 圭吾
道尾 秀介
五十嵐 律人
今村 昌弘
宇佐見りん
夕木 春央
湊 かなえ
伊坂 幸太郎
塩田 武士
米澤 穂信
知念 実希人
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×