放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2010年11月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488400552
感想・レビュー・書評
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1980年代生まれの作家5人が書く、学園ミステリー。
物騒な話はなく、なじみのある学校生活というシチュエーションの中で起こった謎が明るく賑やかにほぐされていく。
『お届け先には不思議を添えて』(似鳥鶏)がわちゃわちゃバタバタしていて楽しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
・放課後は推理のお時間。
・いずれもけっこう楽しめました。
・名前だけでも知ってる著者が相沢沙呼さん一人だけだった新人作家(当時)たちの競演。全員生き残ってるのかしら?
【内容】
・似鳥鶏「お届け先には不思議を添えて」。映像研究会から送ったVHSテープの一部がぐちゃぐちゃになっていたのは何故? 楽しい雰囲気。
・鵜林伸也「ボールがない」。強豪高校野球部の練習でボールがひとつ紛失しどれだけ探しても見つからない事態をロジックで解決しようとする。シチュエーションがおもしろかった。
・相沢沙呼「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」。バレンタインチョコはなぜかき集められたのか? 物語としてよかった。
・市井豊「横槍ワイン」。大学の第三映画研究会の試写会の最中に起こったワインぶっかけ事件の真相は? キャラクタがよかった。
・梓崎優「スプリング・ハズ・カム」。高校の卒業式で発生した放送室ジャック事件の犯人は? せつなかった。読み始めたとこで、あるいはもしかしたら扉絵を見たときに「あの花」っぽいなと思った。 -
やってしまったかな。登録漏れかそれともそれぞれ別に読んだのか。
それぞれ読み始めると既読であるとわかった。
でも、面白かった。
第二弾が近々出るので期待しよう。 -
放課後+学園ものというテーマのアンソロジー。
梓崎優先生の「スプリング・ハズ・カム」が非常に秀逸でこれを読むために買ってもいいぐらい。オチ自体はリアリティにかけるが、読後にはもう一度最初から読みたくなってしまう。
相沢沙呼先生の「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」は青春ものっぽくて結構好きだった。 -
気鋭の若手作家5人による、競作短編集。
なので、一冊通しての感想ってもんはムリ(^ ^;
学校が舞台で若者向きなためか、
内容も文体も軽めで読みやすいものが多い。
何作かは「シリーズ物の一編」という体で、
前作を知ってるともっと面白いのかな、
と感じるものもありましたが(^ ^
もちろん単体で読んでも楽しめます。
最後に収録されている、梓崎 優さんの
タイムカプセルについての話は、「やられた」(^ ^;
最後の最後で、そう来るか、という感じで(^ ^;
一度驚いてから、アタマから読み返してみると
全然違った意味合いの作品として読める。
何て緻密で周到な構成力(^ ^
他の作品もぜひ読んでみたくなりました(^ ^ -
相沢さん目当てで。他の作家さんは初めてでしたが、どの作品も面白かったです。特に「スプリング・ハズ・カム」には涙ほろりという感じで、切ないけど、心暖まる感じで良かったです。
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食いつけなかった、今どき日常本格って難しいな
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≪放課後のために,学校へいこう≫
似鳥鶏さん…「市立高校シリーズ」は読もう読もうと思いながらも未読なので,今回の短編が初読み.流石です.こういうややこしいことをしてしまうのがミステリの醍醐味であり,面倒くさいところだよね.
鵜林伸也さん…恥ずかしながら,初めてお名前を知りました.しかし,作品はとても面白かったので,これから読んでみようかな?今回の作品のなかで,一番「ありえそう」なのはこれかも.
相沢沙呼さん…「ロートケプシェン,こっちにおいで」で読んだことあったので,思い出しながら読んだ.初めてこの作品で「酉野シリーズ」に触れる人には,若干の,気にならないほどのネタバレが含まれているかも.
市井豊さん…作品を読むのは初めて.今回もっとも「そんな理由で!!」のワイダニット.登場人物は大学生でも,アンソロジー内で浮いた感じはしない.
梓崎優さん…いや,もう,素晴らしい.「どんな伏線も見逃すまい」と気を付けて読んで,気を配った部分なのに,なぜかスッと読ませ,驚きとさみしさ,もしくは暖かさをもたらすラストを用意してくれている. -
謎解きの鍵は"あの頃"に戻ること
若手作家5名による学園アンソロジー。青春真っ盛りの彼・彼女らを取り巻く日常の謎に、素人探偵たちは果敢に挑んでいく。
良かったのは、鵜林伸也「ボールがない」と梓崎優「スプリング・ハズ・カム」。「ボールがない」は、高校野球部が練習中に消失したボールの行方を追う。荒削りな印象を受けたが、野球部員の一生懸命な姿が伝わってくるし、爽やかで後を引かない結末がぴったりはまっていた。「スプリング・ハズ・カム」は、卒業から15年後の同窓会の場で、卒業式に起きたある事件の謎に迫る。他の4作品とは趣が異なるが、話の出来としては特出していた。本書の締めくくりに相応しい作品だったと思う。 -
市井豊の『横槍ワイン』が一番良かった。なにより無駄な描写が少なく軽快で読みやすい。他のは文章が状況説明に必死すぎて読むのにちょっと疲れた。