- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822241568
感想・レビュー・書評
-
ヤマト運輸創業者の小倉氏の本。
業界の「常識」を全て逆手に考えた「宅急便」が生まれ、進化してゆく様。
それはあまりにも「無謀」で、とてつもなくチャレンジングでダイナミックな冒険潭である。
また労働生産性の向上からマーケティング、業態の概念、と運輸業(だけでなく日本の産業)が近代化してゆく様を経営者視点から眺められる好著。
UPSにも触発されたとのこと、小売業然りこの時代は大いにアメリカの影響は大きい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宅急便事業は如何にして生まれ発展したのか。小倉昌男氏月間の二冊目。
同著「小倉昌男の人生と経営」よりも経営・経営者論寄り。経営手法として、同・異業種他社からの学習が多く取り入れられている。 -
時代は変われど参考にすべき点が満載、経営者でなくとも楽しめます。大きなスケールの中での細やかな目配りと先見と実行力。自己啓発本ではないのにやる気が出てくる一冊です。
-
たしかにヤマトのひとは人柄がいい。小倉さんの地域についての洞察、主婦は値切らない、資金調達、法規制への意識、さすがです。
-
『宅急便』生みの親、日本で初めて個人向け配達サービスを確立した「クロネコヤマト」二代目の小倉昌男さんがの著書。誰もが「儲からない」と反対した宅急便サービスを生み出し、そして軌道に乗せるまでの軌跡と、彼の経営哲学について。
経営者に必要なのは、頭の良さとか知識ではなく、熱意や決断力なのだと感じた。百貨店の物流をほぼ一手に担っていたところから、一気に宅急便へ事業を転換した時の決断力。不条理な規制があれば、通産省とも徹底的に闘う姿勢。サービスの質が上がれば必ず黒字になると信じて社員に伝え続けた「サービスが先、利益は後」。どれもとても印象に残ったエピソード。
どうなるかわからない宅急便なんかに命運を賭けないで、商業物流も並行して続ければいいじゃないか。規制があるなら仕方ない。利益が今すぐ出ないのは怖い。そんな声をたくさん聞いて、その上で自分の意志を貫くこと。簡単なことに思えるけれど、本当はそれがいちばん難しくて、だから価値があるんだ。ビジョンをどこまで具体的に描けるか、そこに人を巻き込めるか。そんなパワーのある人が経営者になるのだと思った。 -
ヤマト運輸で宅急便サービスを始めた小倉さんの経営書。
従業員を人柄で評価するということが良いと思いました。
そしてトップは学び続けるという姿勢がすごい!
全然古さを感じさせない、ビジネス書です。 -
ヤマト運輸の元経営者で、宅急便の生みの親である小倉昌男氏の自伝的な経営論の本です。
もともと、ヤマト運輸は戦前から続く老舗の運送屋さん。戦前は関東ではそれなりに名の知れた運送屋さんではありましたが、先代の成功体験による固定観念から抜け出すことができず、戦後、東海道間の長距離輸送の競争に出遅れてしまう。商業輸送での敗北が個人宅配事業に乗り出そうとした理由のひとつにあるようです。
宅急便開発以前は、個人宅配というと郵便小包ぐらいしかありませんでした。民間が入っていくには、デメリットが多すぎるということで周囲の人は皆反対していたようですが、アメリカで見たUPSの集配車を見て仮説を立てて、成功を確信したという先見の明はすごいと思います。
また、「サービスが先、利益が後」という強いモットーを感じました。「これからは収支のことは一切言わない。その代わりサービスのことは厳しく追求する」という経営方針が宅急便をより強くしていったと思います。顧客サービスの追求のために、翌日配達や時間帯指定、荷物の追跡サービスなどのシステムを生み出し、運送業というよりはサービス業に近い経営になりました。また、サービス向上のためには、国の規制とも断固として戦う。そういう姿勢にとても共感を持ちました。
彼は、メリットとデメリットの二律背反と戦ってきたと思います。ただ、「デメリットのあるところにチャンスがある」ということを教えてくれる本です。また、ただやみくもに行動を起こすのではなく、論理的にものを考えることの重要性を強く説いています。さらに言えば、高い倫理観を持つことをさらにあげています。宅急便のサービスが良くなっていったのも、顧客満足を高めるという「倫理観」があったからだと思います。これからの社会、企業に対して必要な考え方がぎっしり詰まったとてもいい本でした。 -
国と闘い、“宅急便”市場を創った男の論理。宅急便で日本の生活を変えたヤマト運輸元社長、小倉昌男。自ら筆を執り、その経営をケーススタディで書き下ろす。生涯唯一の書。
-
小倉昌男さんの論理が全開。「小倉昌男経営学」という本のタイトルにも納得