- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177634
感想・レビュー・書評
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世界企業を目指すのであれば、英語を話さなければならない。主張はいたってシンプル。しかし、そのシンプルなことが今まで誰もできなかったのだが、著者はその大きな壁に挑戦している。
全社員のTOEIC平均スコアが、2010年10月には526.2点だったものが、2012年5月には687.3点に躍進したと言う。これは恐るべき数字だ。誰か一人が躍進したのとは訳が違う。全社員の平均である。
英語を話すことのメリットが、海外とのコミュニケーションを円滑にすることは容易に想像できる。だが、著者の主張は、それだけではない。英語は、世界における楽天のサービスレベルを日本化する手段であり、楽天主義をグローバルに追求するためにも必要だと主張する。
この無謀とも言える挑戦に私が賛同できるのは、次の2つの点が評価できるからだ。一つは、英語化について来られない社員を切り捨てようとしていないこと。p.98のレッドゾーンスピーチで「必ずみんなで一緒にクリアしましょう。」と言っているのが嬉しい。もう一つは、はじめから英語が話せる著者が、新たに中国語に挑戦しようとしていること。
全体的な主張は共感できるのだが、文章としては、やや構成が冗長である。講演会であれば多少の繰り返しも我慢できるが、本で読ませるのならもう少しすっきりとまとめたい。また、p.175「言語鎖国をやめよ」というように、一方的な主張も気になる。
どちらにしても、私はもう英語に挑戦するつもりはないが、これから社会人になる人たちは、英語学習のモチベーションアップのためにも、一度読んでおいた方がいいかも知れない。 -
PDCAをがっつりまわして、目標を達成するところがすごいです。
生産性が落ちるからやんないとかいう会社は、太刀打ちできないですね。 -
世界で活躍する日本企業、楽天の社会実験とも言える社内英語公用語化プロジェクト。賛否両論だとは思うが、世界で戦うにはやはり必須と感じてきます。
個人の勉強だけでなく、会社を挙げて取り組み、英語がほとんどできない方が多かった状態から英語の能力上げて行ったというところに、自分も希望が持てる。 -
日本EC最大手、楽天が挑む会社のグローバル化戦略。
日本のGDPが下がってゆく中で、グローバル化を図るため、海外進出・・・。
なんてことを良く耳にすることですが、三木谷氏がどういう視点・手法で世界進出してゆくのか事細かに書かれていて、大変興味深かったです。
いつもどおり突拍子もない計画を立てて、淡々とこなし、仕組み化してゆく様はとても爽快です。
急速で行うM&A。
日本のノウハウを海外に持ってゆく為のヨコテン。
良い人間を国籍問わず採用する必要性。
膨張するグループの一体感。
情報スピードの重要性。
何故日本人が英語を話せないといけないのか、大変腑に落ちる本でした。 -
とても読みやすい本だった。
楽天では社内公用語を英語と決め、TOEIC750点を部課長昇進の条件としたという。
グローバルな企業の姿を求めれば、社員の英語力は最も基本的な「マンパワー」であろう。
世界企業として英語に取り組んだ「実験」の報告として、この本は興味深い。その決定の背景は、読めばなるほどと納得できる。
トップが会社の方針として決定したことを、どう実践していくかのパターンの一つが記されており、「楽天」の勢いが感じられる。
それにしても、韓国の某企業では、採用基準の一つがTOEIC900点以上と聞いたことがある。ビックリした記憶があるが、日本を取り巻く環境は、そういった流れなのかもしれない。
ビジネスにおいて、日本語にこだわる理由は、もはや見当たらないが、国の言葉としての日本語は、文化の継続という意味では軽い言葉にはできない。その観点からも、楽天の「実験」は継続していると言えるのだと思う。
面白い試みと、経営者の視点。
考えるべき課題は沢山あると思わされた一冊でした。 -
今後、英語が必要な環境になり、それならとブクログで抽選していたこの本に応募したら奇跡的に当選したので読んでみた。
楽天による社内英語公用化の軌跡と今後のグローバル社会において、英語がどれだけ必要になってくるか、ということが楽天社長の言葉で綴られている。
本の中にも書かれている通り、英語効用化には社内外から賛否両論が飛び交っていた。だが、社長が公用化に本気なのと自分の出世に大きく関わると知った社員は本腰を入れて取り組み、結果をだしていく。このような行動力と推進力があるからこそ、大企業として成長を遂げてきたのだろうと読んでいて思った。
また、「できるけどやらない」と「できないからやらない」では全く違う、という言葉が自分の心には引っかかった。無理だから、と決め付けるのではなく行動し継続していくことは大事なことだ改めて感じた。
ただ、この本はあくまで楽天による英語に関することであり、これを参考に英語の勉強をしていこう、というものではないようだ。そしてこれは社長の「視点」で書かれた物だから、まだまだ賛否の意見はたくさんあると思う。この本が楽天のすべてではなく、もっと冷静に様々な意見を見聞きするのが大事だろう。 -
全社を挙げての英語学習実験。
どうすれば英語が話せるかについては、過去に読んだ本同様、王道を歩まないとダメなんだなというのがよくわかった。
ほほーと思ったのが、英語をパソコンと同等ツールと表現していた点。
英語だけ話せてもねーなんてよく言っていたけど、たしかにその通り。Excelの操作がわかっても、じゃあExcelで何やるんですかと同じ事で、英語で何を伝えますかって話。それを再認識した。
一番面白かったのは、日本人もっと英語がしゃべれるようになろうよって部分。どうしたらいいかを色々挙げてくれてるんだけど、英語がしゃべれない英語教師はクビなんてあたりは大いに賛成。
ここまでやらないといけないのかーなんて思ったけど、やれば出来るんだなというのはよくわかった。結局は、やるかやらないかだ。 -
#まとめ#
■社内公用語を2年で英語化する。
⇒ 世界企業が英語を話すため
■たかが英語
⇒ やる前からできない理由を言わない。
⇒ やってみないとわからない。
■2035年日本のGDP比率は世界の5%
⇒ 世界に20倍のマーケットがある
■サムスンの成功
⇒ 韓国市場が小さいため、世界に出ていった
■業務で英語を使わない人
⇒ グローバル化しているので将来使う可能性がある
■社員にTOEICを受けさせる
⇒ 英語のレベルの見える化
■英語のスコアアップ
1.競争原理の導入
⇒ 部署のベスト5、ワースト5を発表
2.情報の共有
⇒ TOEICの得点アップの成功例を共有
■英語化に不満を持つ社員
⇒ 昇格候補者には午前8時~12時、仕事中に英語のレッスン
■英語力は特殊な能力ではなくなる
■英語は翻訳せずに使う