- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177634
感想・レビュー・書評
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楽天株式会社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の新刊。
このレビューを書いている「ブクログ」のプレゼントキャンペーンに応募したら、めずらしく当選し、23日までにレビューを書かなくてはいけない条件であることをあとで知って慌てて読了。せっかくいただいた本なので、いつもよりも詳細にレビューを書いていく。
楽天株式会社はグローバル企業を目指しており、2010年の年頭の三木谷氏のあいさつでは「真の世界企業を目指す」といういうことを語ったそうで、それを達成するために社内公用語を英語にすることに決定した。これを三木谷氏は「Englishization」という自身の造語で呼んでいる。
三木谷氏の見習うべき点は、これを達成するためにどのような方法論で展開していくかをきちんと考えていることだ。たとえば、英語を普通に使えるようにするには、1,000時間程度の学習時間が必要であると算出し、これは1日2時間英語に触れることで2年で達成できるとした。また、TOEICのスコアを人事考課に加えることで、強制的に英語の学習をしなければいかなくなる。中には、これが大変なストレスになる社員もいたそうで、このあたりの強制力については賛否あるだろうが、7,000人を超す社員を一同に動かすには、この程度の強制力は必要であると考える。
しかし、ただ強制的にやらせるだけでなく、TOEICのスコアが比較的伸びた社員の成功事例を取り上げてみんなで共有したり、社費で英語を勉強できるようにとフォローすることも積極的に行っている。
この方法は、社内公用語英語化だけでなく、ほかの取り組みに置き換えても通用する組織行動である。このあたりの組織の動かし方は、オーナー社長だからできることなのだろうか。「おわりに」では英語化が終わったら今度は社員全員にプログラミング言語を覚えさせようとしているなどと書かれているので、これも近い将来実現してしまうのではないだろうか。
強制的に英語化することで、業務のパフォーマンスは正直落ちると述べているが、これは短期的なことであって中長期的にみると、その分までカバーできるからやり遂げたのだそうだ。普通の企業では、この割り切りが簡単そうで実はなかなかむずかしいことではないだろう。
最後に、ぼくは三木谷氏の経営哲学にはほぼほぼ共感・賛同している。過去に読んだ『成功のコンセプト』『成功の法則 92ヶ条』に書いてあることは、いちいちごもっともだった。ただ、今回残念だったのは、社内英語公用語化を「実験」と呼んでいるところだ。たしかに実験に変わりないことではあると思うが、大切な社員を動かして「実験」という表現は避けていただきたかった。人間はマウスでもモルモットではないのだ。ましてや自分の社員たちなのだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽天の英語公用語化の内容が書かれた本。
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楽天が社内英語化に取り組んだ2年間の軌跡について語った本。
7月から完全に英語化したそうです。さすが創業者だからできることですね。英語にしたから業績が飛躍的に伸びるのではなく、全社一丸になって取り組む姿勢が、伸び盛りの拡大を続けている楽天にとって必要だったのかも。
そーいえば、同時期に英語化を発表したユニクロはどうなったんでしょうね。 -
大胆にも社内公用語を英語化した企業、楽天のお話です。
社内の英語レベルを計るのになぜTOEICを使ったのか、よくわかりました。また、日本が世界の中で生き抜くには絶対必要である「英語力」を底上げするために、先頭に立って改革をされている三木谷さんの行動力には頭が下がります。
また本書では、もちろん小中高の英語教育についても触れられてます。英語が話せない英語教員はクビにすべきだと。全くの正論だと思います。
そして、大学受験はすべてTOEFL にすべきだということです。私もそうすべきだと思います。残念ながら現在の大学の入試問題では、高校の英語教育は大学受験をメインターゲットにしているので、現状から抜け出すことが難しいです。
日本を大事にしたいからこそ英語教育に力を入れなければならないという、三木谷さんの気持ちがよく伝わる本でした。 -
タイトルから、英語の話せない者はいらない、日本の公用語も英語にすべき的な話になるかと考えていたが違った。英語はあくまでビジネスにおけるツール。インターネット業界は競争スピードが非常に早いので、交渉や最新研究もスピーディーに行う必要がある。特に最新研究は英語で発表されることが多いので、それを素早く読み解くのに英語が必要不可欠。そうしたビジネス英語を身に付けるための環境も整えてるようなので、良い試みだと思う。
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楽天という企業を一種の実験台にした英語化プロジェクト。
三木谷さんのポリシーは、納得できるものだと感じる。
私は長年、外資系企業にいたのだが、1980年代から外国人の参加する会議は全て英語が公用語だった。
日本人同士の会議中のひそひそ話も、日本語厳禁だった。
だから、楽天社員の苦労もよく分かる。
6章に書かれている、日本の「言語鎖国政策」も、分かる気がする。
というか、同意見である。
多くの企業人にお勧めしたい一冊である。 -
楽天社内の社食からあらゆる会議に至るまで、全てを英語化する徹底ぶりには驚きました。また、2年間の社員の英語公用化への格闘ぶりの過程に至るまで興味深く読む事が出来ました。
とにかく隙間時間を利用して英語を学ぶ社員の涙ぐましい姿は、高校受験や大学受験まじかの学生に見えなくもないので、苦労したんだなと感じ入りました。
確かに、ネット関連の技術はそれが日本語に翻訳されるまでに、時間がかかるので英語を読めた方が有用だし、仕事の選択肢も広がる。そういう事を考えると英語を学ぶのはやっぱり大切かな。 -
2年前に社内英語公用語化を宣言した楽天が、どんな意図でそのようなプロジェクトを始動したのか、そしてその後どのような経緯で大部分の英語公用語化をしてきたかというプロセスが書かれています。どうやったら英語が身に付くかという勉強本ではなく、世界で闘える組織を作るには何をすべきかという考えが書かれたビジネス本ですね。書かれていることはそこまで新しいことではないかと思います。しかし実際にここまで大規模な組織改革を実際に急進的に進めてきた会社というのは日本には稀ですね。そういった意味では面白い本だと思います。また、英語を勉強しなきゃいけないと感じている人にはモチベーションアップの本にもなるかと思います。実際に僕自身も学生時代以降まともに英語を勉強せずにここまで来ているので、これを契機に少しずつでも勉強をしていこうと思いました。
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三木谷 浩史 (著)
世界企業は英語を話す。「英語公用語化」で、日本は復活する。「社内では英語が公用語」、あなたならどうするか。楽天2年間の実験で確信した、成功のためのマニフェストとは。 -
楽天の社内英語公用化について書かれた本。
グローバル化が進むこれからの時代のビジネスにおいて、英語によるコミュニケーションが必須になるという点については全くその通りだと思う。
また、そのために社内において英語を習得するための体制も整備している点も共感が持てる。
基本的に意見には賛同できるが、本全体においてもう少し掘り下げた話をしていただければ、もっと興味深い本になったんだろうなとは思う。