たかが英語!

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177634

感想・レビュー・書評

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  • 企業を英語化していくということについて知りたくて読みました。世界の情報についていくためには英語を学ぶということが重要なのは、楽天のようなインターネットビジネスだけでなく様々なビジネスについて言えることであると思いました。

  • 「英語ができない人間がダメな社員」という空気にならないようにしたとありますが、会社のためとはいえ、勉強する環境をこれだけ整えてくれる企業、羨ましいです。出来る人ばかりでしたら、「お前は遅いからダメ」と発言の機会を与えてもらえなかったでしょうから、みんながあまりできない状況というのも逆に良かったのでは?!通常の会議の倍の時間をかけてたりもしたそう。勉強会などあっても名目上なだけで大して役にたたず大体、影勉しているのが世の常ですから。

     楽天は平均年齢31歳の若い会社ですから、英語をもっと学びたい。活用したいという人間がいたとしたら入社するのにとてもおもしろい会社ですね。

     メディアの言っているような英語の出来ない人間を排他するためでもなく100%社内公用語化を目指しておられるとのこと。

     ガラパゴスを目指さない挑戦ですね。

     英語の先生で英語の喋れない義務教育の先生が首というのは賛成です。多くの人は教養を学ぶために学校に行くわけではなくて、社会に役に立つために学校に行かなくてはならないのだから、今の時代学校で習った英語だけで旅行程度だったらできるようではないと・・・教育としてはもはやダメでは。

     ちなみに私は著者の考え方に賛成ですし、語学を学ぶことによってコミュニケーション力も上がるような気がします。

  • この試みは凄く面白い!

  • グローバル化する社会において、英語を社内公用語にする会社はどんどん増えていくことでしょう。個人的には賛成ですが、保守的な方が多いのもまた事実。されど英語なり。

  • 楽天が社内英語公用語化のニュースを発表したとき、賛否の議論がいろいろあがった。私もどちらかといえば否の立場だった。

    だが、考えたらマスコミなど間接的にその話を聞いただけで、直接三木谷さんの考えを聞いたり読んだりした上ではなかった。

    英語公用語化が楽天の実験であるとこ、グローバルな世界で会社を存続させるためには必要不可欠だという判断、それから、必ずしも正しい英語でなくてもよい、間違ってもよいというスタンスであること、社員へのバックアップがさまざまな形で仕組み化しようとしていること、などなど読んでみると納得することが多かった。

    そう、たかが英語! というスタンスは共感できた。
    また、このような社内実験をこうやって公開していることも好感が持てた。

  • 一般的な日本の社会人が英語を習得するのに、どれだけの時間が必要か?
    1000時間だそうだ。一日1~2時間勉強するとして2年で習得できる計算。そうか、2年か…
    今年の7月に全面的に英語を社内公用語に導入するってことだったのだけど、実際に今はどうなっているのだろう。

  • たかが英語。英語は単なる通過点。

  • テレビ報道を通して三木谷氏率いる楽天グループが、社内言語を英語にするというプロジェクトに取り組んでいることは知っていました。この本はそれを推進している彼がこの2年間での中間報告も含めて記しています。

    この本を読むまでは、会社全体で社内言語を英語に変えるなんて社名を売り出す広告のような感覚で取り組んでいるのではという斜に構えた見方をしていましたが、彼の考え方を読んで、楽天の企業戦略を垣間見た気がしました。

    楽天が今後縮小していく日本市場に本社を置きつつ、新たなサービスを展開して、海外で通用するようなサービスを提供していくために、英語を「特技」ではなく「ツール」として使いこなしていく重要性を、まずは楽天グループの人たちに、最終的には日本のビジネスパーソンに伝えたかったのでしょう。

    奇しくも私勤務している外資系の日本支社では、昨年(2011)8月から支社長が米国人になったこともあり、自然に社内公用語は英語になっています。その1年前から一緒に働く同僚も本国から派遣されてきましたので、会議は勿論のこと、食事までも英語を使うようになりました。

    そこで気づいたのは、彼らは仕事をしている限りは、私たちの使う完全でない英語(この本で紹介されている表現では「グロービッシュ」)でも十分に理解してくれることです。実際には彼らはネイティブの英語よりも、インドや中国、韓国等の「お国訛り」を聞いているからだと理解しました。

    英語で書かれていることを翻訳して理解するのではなく、英語を英語で理解して、それで返答する感覚も次第に分かってきました。
    2年前に楽天がこの取組を初めて、追随した会社、非難した会社、面白おかしく報道した会社等、様々ですが、少なくともこの2年間で楽天は大きく変わったことは事実のようです。

    大変な思いをしている社員は多くいると思いますが、それでも、印象的に残ったのは、多くの人が英語を理解できるようになって、それまで、英語だけ話せて目立っていた人がそうではなくなり、仕事の中身で評価されるようになったという点です。

    これが「たかが英語」と三木谷氏が言っている点なのでしょう。私も社内で英語でプレゼンするたびに、汗をびっしょりかきますが、終わった後の爽快感を感じられるのもそのお蔭かなと思います。今後も英語に精進していきたいと思いました。

    また、英語によるコミュニケーションがビジネスをシンプルにする手段である(p36)というのは私もこの数年で実感しました。更に、グロービッシュを話すことは、英語による文化的な侵略から自分たちの言語や文化を守ることになる(p150)という考え方は私にとって「目からウロコ」でした。

    後書きにありましたが、三木谷氏はこのプロジェクトを始めたと同時に、中国語を習い始めたそうです。私も最近学び始めた同志として共感しました。

    以下は気になったポイントです。

    ・なぜ楽天は社内公用語を英語に変えるのか、その理由は、世界企業は英語を話すから(p5)

    ・2050年に中国は全体の29%のGDP、インドが16%、日本は3%を占めるに過ぎないと予想されている(p16)

    ・日本人口は2010年に1.28億人だったのが、2050年には25%減少して
    9515万人、労働人口は、8128→4930万人となる(p17)

    ・言語をマスターする上で何より重要なのは、その言語になるべく長く触れ、使う時間を十分にとること(p24)

    ・一般的な社会人が英語を習得するために必要な時間は1000時間、楽天のインド人が日本語を習得するのに、毎日10時間、3か月かか
    ったので(p27)

    ・日本語を許可したのは、日本の法定書類や国内顧客向けの用語、文書のみ(p31)

    ・楽天が社内公用語とするのは厳密に言えば、いわゆる「英語」ではない、グロービッシュ、比喩やユーモアを避け、シンプル英語で表現するプレインイングリッシュである、ここははっきりさせたいポイント(p33)

    ・英語によるコミュニケーションがビジネスをシンプルにする手段である(p36)

    ・みなが英語をしゃべれるようになると、それまで英語が得意で目立っていた人も、周囲に埋もれて目立たなくなってしまう、本当に必要なのはその人の専門知識であり、ノウハウであることが際立つようになる(p109,110)

    ・楽天市場の特徴は、1)ライブに近い形で消費者とコミュニケーションがとれる、2)ロングテール(多くの商品を並べられる)、3)ロングページ(詳細な説明)である(p146)

    ・グロービッシュを話すことは、英語による文化的な侵略から自分たちの言語や文化を守ることになる(p150)

    ・インターネット企業は、グーグル、アマゾン、イーベイ、アップルといった企業に集約されつつある、楽天はその中で戦っていかなければならない(p155)

    ・大事なのは自分の持っているボキャブラリーを使って表現しようとする努力である(p166)

    ・翻訳するのではなくコミュニケーションに力を入れる、英語を英語で理解する(p168)

    ・中国人に中国語で話ができるだけで、相手の反応はまったく違う、中国語で話し掛けた方が良い印象を与えられる(p187)

    2012年9月17日作成

  • 本来英語を学習するのは外国人と意思疎通のため(のハズ)だから、細かい文法ミスを恐れて話せなくなるのは本末転倒だと思うけど、前置詞や時制、単数複数は必要ないと言いきられてるところにはひっかかりましたが、共感できたところが多くあり面白く読めました。やはりあまりに文法がひどいと、仕事のやりとりで誤解が生まれたり下に見られたりはするのでは…?
    バイリンガルレベルでもないレベルで英語講師をしているので最後は少し耳が痛かったですが、確かに英語教師が話せないと英語を使える生徒は育たないと思います。英語圏ではないけど、長年海外生活をしていた先生のレッスンは英語を使うことが重点されてて良いなと、感じます。でも、保護者は受験英語や、英検など形で結果が見えるものを、求めているので、それに答えないとという葛藤が。徐々に三木谷さんがいうように使える英語を試験で図るような教育にシフトしていってくれたらいいな。
    海外へ行ってビジネス英語を、学ぼうかと思ってましたが、日本で英語を多く使える会社を探すのもありかと改めて思いました。

    前月行った中米への旅行で申し込んだオプショナルツアーにいた外国人達がバイリンガル、トリリンガルばかりで本当自分の語学力の低さを感じたのと、世界では2言語くらい当たり前という感覚になりました。

  • ・これからの日本企業は世界企業にならない限り生き残れない。
    ・世界のマーケット規模の20分の1ということは世界には日本の20倍の市場が存在することになる。このことの意味をもっと真剣に考える必要がある。
    ・インターネットは国境のないビジネスだ。
     今まで英語は必要なのか?と疑問を持っていた自分に対し、これらの言葉から英語の必要性が理解できた。

     日本が英語を勉強しているにも関わらず話せないのは、英語の先生が英語をしゃべれないこと、入試において翻訳、英訳が基本になっていること。なるほどと思えた。と同時に、怒りも覚えた。しかし、ここで教育システムを恨んでも何も解決しないので、これから学んで行く姿勢が大切なのだと考える。
     
     市場の大きさから言って、英語の次は中国語だと思っていた。しかし、楽天の考えでは、英語の次にマスターするべきなのはプログラミング言語だと言われている。単純に、なぜ?社員全員がプログラミング言語をマスターするべきなのだろう?という疑問をもったので、次はこの話に関する本を出してほしいと思った。

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著者プロフィール

三木谷浩史(みきたに・ひろし)
1965年神戸市生まれ。88年一橋大学卒業後、日本興業銀行に入行。93年ハーバード大学にてMBA取得。興銀を退職後、96年クリムゾングループを設立。97年2月エム・ディー・エム(現・楽天)設立、代表取締役就任。同年5月インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を開設。2000年には日本証券業協会へ株式を店頭登録(ジャスダック上場)。04年にJリーグ・ヴィッセル神戸のオーナーに就任。同年、50年ぶりの新規球団(東北楽天ゴールデンイーグルス)誕生となるプロ野球界に参入。11年より東京フィルハーモニー交響楽団理事長も務める。現在、楽天株式会社代表取締役会長兼社長。

「2014年 『楽天流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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