猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)

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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773133

感想・レビュー・書評

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  • 考えなしに読み始めてしまったので、軽~い設定に肩透かしをくらう。
    笑えるトコもあって、全体的にもおもしろいけど…、好みではなかった。
    表紙で気付かないとね>自分

  • 時代物。と思いきや本格ミステリ。だって時代物なのに「密室殺人」とか「見立て殺人」とか言っちゃってますし(笑)。ときどきメタ設定になっちゃうのもユーモラス。
    時代物が苦手でも、用語解説などはそこそこあるので読みやすいかも。どちらかといえば本格ミステリファン向けの一冊。いろんなネタがもりだくさんで。まさか○○トリックまでやってくれちゃうとはー!
    ただし、贅沢をいえば。わらべ歌の歌詞を全部知りたかったなあ。

  • 大富豪同心シリーズがとても好きで、その作者の新作と言うことで購入。
    結果、買って良かった。

    始まりからの"俺"の心の声等も面白く、いい感じだなと思っていた矢先のメタ展開。
    ここで私はちょっとガッカリしたのだが、読み進めると慣れてしまった(笑)。

    国許の奥村のターンではわらべ歌に悶絶。
    通勤電車内で読んでいた時だったので、笑いをこらえるのが大変だった。
    マスクしてて良かった…。

    やけに衆道の気をプッシュしているのが気になっていたけど、最後の最後で成る程&微笑ましい結末でニンマリしてしまった。
    最後のネタを知った後に、改めて最初から読み直したい…そんな作品。

    館シリーズや読者への挑戦状のパロディ…色々とクスリとさせられる。
    元ネタを知らなくても、ちょっとフザケた感じが大丈夫なら充分愉しい、読みやすい作品だと思う。

    同一主人公での続編は難しいかもしれないが、登場人物や藩が被ってるような、同じようなタイプの作品でシリーズ化して欲しいなぁ。

  • 2013/01/04読了

  • 時代小説ミステリー。おどろおどろしい内容なのかと思ってたら、かるーい感じでした。
    途中、途中でメタ的会話が挟まれるのが、自分にはちょっと残念。
    ミステリーや謎解きを自体の内容を楽しむというよりも、メタ的視点での展開を楽しむみたいな感じで、物語に入り込めませんでした。

  • ミステリ時代小説、とでもいおうか。東野圭吾の名探偵の掟、がダメだった人はダメかもしれない。
    江戸の屋敷で密室殺人!?王道が、などと江戸時代には似つかわしくない議論を繰り広げながら、ストーリーは進んでいく。しかも、わらべ歌になぞらえた首なし遺体が次々見つかるという、超王道。
    この設定を楽しめる方のみ読み進めてください。大仕掛けはそうありませんので。
    まあ、最後男として描かれていた主人公が、実は女性で…というオチもついてはいる。
    個人的には、時代ミステリなら、松井今朝子のような、しっかり系が好み。

  • メタ会話飛び交う、ぶっ飛び時代ミステリ。お猿のくだりにわらべ歌……。バカだなぁ、この作者(最上の褒め言葉)。連作短編と呼ぶには各エピソードの独立性が高く、その癖しっかり長編という変則構成のせいで、事件ひとつひとつが小粒に見えてしまうのが難点でしょうか。中途に伏線を仕込むためとはいえ、でっち上げ密室も引っ張るほどの解答かというとそうでもなく。捏造ものと聞いてイメージする方向性とは異なったのですが、終わってみると一連の流れが時代小説的なクライマックスの演出に繋がっており、思った以上に纏まっています。首切り死体の活かし方は時代ミステリならではですよね。

  • 今回は帯の勝利です。「お江戸で密室」「館ものに見たて殺人」って、何それ…買うしかないじゃん…。
    時代小説は正直、食指が全く動かないジャンルの一つなんですが、「ミステリ時代小説」というエンタメ感丸出しの今作はさくさく読めました(*^^*)意外と取っ付きやすいなと思ったけど、普通の時代小説はこうはいかないのかしら…。

    何と言っても、物語の随所に差し挟まれるメタ展開が面白い(笑)。「左様か」とか「しからば」とかしかつめらしい顔で話してたちょんまげ侍達が、「密室とか言っちゃっていいんすか?」「こーゆーメタ展開、読者はうるさくないすか?」っていきなりメタ談議始めるのが面白い(笑)。ミステリファンには好みが分かれるお馴染みの仕掛けですが、時代小説ファンには「突然何やってんのこいつら?」な戸惑いを与えること間違いありません(笑)。

    キャラ達がふざけたり歌ったりしながら物語の真相に徐々に肉薄していくのですが、ここまで「見たて殺人」と「首切断」がピッタリ嵌るミステリはなかなか無いのではないでしょうか。斬首や切腹が刑罰として残る時代の中で発見される首なし死体は、薄気味悪くも違和感なく探偵役達の前に現れます。そして、そこでも繰り返されるメタ談義!(笑)うーん、楽しい(笑)。

    「お偉い皆様を集めてさてと言い」をする前に挟まれる読者への挑戦状も、作者の茶目っ気たっぷりで、終始面白おかしく書いてるなこいつ…と思わせておいて、最後にし掛けられた思わぬトリックに、ミステリファンは「ぎゃふん」と言わされることと思います。
    あと、時代小説ファンの皆さん。今作に仕掛けられた最大のトリックを、皆さんなら冒頭から見抜いてしまわれるかもしれません(そうでなくとも違和感は感じられるのかも)。




    藩主の妾が住む屋敷の蔵で、藩士が腹を切って自死した。誰がどう見ても「自殺」にしか見えない密室という状況下だったが、スキャンダルを恐れた妾によって「他殺でっち上げ」を依頼された俺は、頼りない目付の男と「真相捏造」に乗り出すが…。
    一方、国元では不気味なわらべ歌になぞらえて次々と殺人事件が発生していた。

  • j時代劇ミステリー?と言うにはちょっと違うある意味とんでも本。にやにやしながらなんだかなあ、と思って読んでいたがルール違反は沢山あれど最後に騙されました。

  • 時代物ミステリという設定を逆手に取って思う存分遊んでしまったという、その心意気や良し。ここは素直に「マニアにおすすめ。さほどミステリを読んでいない人には『?』という感じかもしれないのでご了承のほどを」と書いておきましょう。

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著者プロフィール

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

「2021年 『騎虎の将 太田道灌下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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