- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334038731
感想・レビュー・書評
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この本は大きく分けると2種類のコンテンツがある。
1つは不倫の文化史。不倫は古今東西様々な形で行われてきたことについて丁寧に説明。
もう1つは不倫の必要性を認めたうえで、それをどのような形で害なく実行できる体制を社会が整えるべきかを説いている。
1つ目のテーマは面白い。著者がよく勉強しているであろうこともわかる。
けど、2つ目のテーマに関しては著者が何を言わんとしているのかよくわからなかった。
「不倫ウイルス」という言葉を定義づけをきちんと行わずに導入し、それをいかに根絶するかを説いているのだが、そもそも対象がきちんと定義づけされていないから何を言わんとしているのかよくわからない。
1つ目のテーマについては充実しているだけに、残念である。
■自立とは、多くの依存先を確保している状態を指す
■生物学的に見れば、一夫一妻制はガラス細工のように壊れやすい代物
■人類が狩猟型生活を行っていた時代には、階級が生じにくいことから一夫一妻制が多数派だと考えられている
■一夫多妻制の社会で複数の妻を持つのは5~10%程度の裕福な男性のみ
■18世紀までのヨーロッパでは、性に関して自由主義的な考え方が普通だった。が、アメリカに渡ったピューリタンは極めて性に厳格
■不倫によって得られる強烈な性的快感は人生の充実に影響を与えない。覚せい剤の使用と同じようなもの
■近代以前の社会には、「リスクの少ない、制度化された婚外セックス」が存在していた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不倫学とは?難しいですね。
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学問としてアプローチはしているが、納得感はあまり感じられない。
男女それぞれの事例は示唆に富んでいるが。 -
読了。今の自分にとって、
不倫したりされたりする心配は、遠いので、途中から自分の心のテンションが下がった。交際クラブの話は、ドキドキした。不倫は、やはり子供がいたらアウトと思う。それだけと思う。
この考えが、はじめからあったわけではない。やはり子供ができて、育児に少しだけ関わったからと思う。子供が生まれてきたとき嬉しかったが、父親の自覚は1ミリもなかったと思う。それが、一緒にいると変わりはじめたと思う。子供が自分を母親の次の存在と認識してもらったとき、自分に自信が生まれた。
将来、奥さんが、どんなすばらしい素敵な男の人をつれてきて、今度からこの人が新しいお父さんよと言っても、私が承認しなければ、ありえないと思った。揺るぎない信頼をもらったと思う。だから裏切ったら駄目だと考える。でも思春期になるとお父さん臭いと言われるのだろうな。もう言われてるし、覚悟はできたので、乗り越えれるだろう。子供にとって大事なのは、お母さん、お父さんが仲良くしてることが、一番大事なことと思う。それをするにはどうするかを話し合うことなのだろう。 -
借りたもの。
何故、不倫をしてしまうのか――?
男の本能説など、言い訳に過ぎない。
もっと丁寧に現代社会から歴史などの観点から「不倫」を読み解いてゆく。
未熟な個人の問題としてだけでなく、「社会問題」として考えるという。
そしてこの本の目標は、「不倫ワクチン」なるものを手に入れるため、様々な愛の形――人間関係について模索する。
ただ、この「不倫ワクチン」、要は「ハームリダクション」のようだ。
一口で“不倫”と言っても、様々なタイプがあること、パートナーとのコミュニケーションの不足や、盲信して社会的・人間的な破滅のリスクがあることなど挙げていく。破滅的な不倫の場合には、私には性虐待の傷を垣間見る……
不倫が起こるのは、コミュニティ、人間の交わるところ何処にでも起こりうるという。
「不倫」をしない絶対的な予防策もない。ならば、(自他どちらも)「不倫」によって破滅するのではなく、自分も、パートナーも、家庭も壊さない「不倫」はあるのか――?
パラドックスである。著者はそれらを「不倫ワクチン」として、様々な性愛のカタチを挙げてゆく。
しかし、「ワクチン」の例えが使われるように、副作用がある。
バランスを崩してしまえば破滅してしまうこと、また社会的なロールモデルが存在しない(存在できない)という、またしてもパラドックスになった。
結局のところ、「不倫」ができるのは、精神的にも肉体的にも健康で、経済的・時間的余裕を持ち、夫婦関係や家族関係が安定している人間でなければ務まらない。
それこそ、紫式部『源氏物語』の光源氏のように……
副題にある通り、「社会問題」として考える本だが、男性寄りすぎる印象を受けるのは、結局のところ今まで女性に苦渋を舐めさせた、アンフェアな分野だったからだ。
ジェンダー論や男女性差を強く意識させる……
男が“絶倫(肯定的意味合いが強い)”で女が“淫乱(否定的意味合いが強い)”と評されてしまう点からも……
斎藤環『関係する女 所有する男』( http://booklog.jp/item/1/4062880083 )にあるように、関わり合い方の根本発想が異なる。
所有原理(タテ)が原動力である男(この本では”性欲ベースの動機”)と、繋がり・関係性(ヨコ)を重視する女――この2つがきちんとバランスよく交わる(✚)ことが大切なのだが……
生物学的に人間は多夫多妻、と言い出すのかと思ったら、結局人間は一対一の関係性しか築けない事を仄めかしている。
それは夏目祭子『知られざる最強の創造エネルギー なぜ性の真実『セクシャルパワー』は封印され続けるのか』( http://booklog.jp/item/1/490502742X )でも言及されていたけど……
結局、人間は一筋縄ではいかないのだ。
多様である……ラース・フォン・トリアー監督『ニンフォマニアック』は極端だけど……
不倫「する」「しない」「させる」「させない」の本ではなかった。良かった。 -
軽く読める内容ではなかった。
不倫をただ嫌悪していた私としてはためになった部分もあるけど、考察内容に疑問も残る。
サンプルが少なすぎる。 -
ちょっと哲学的すぎる。