世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派"プロフェッショナルのすすめ

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492555590

感想・レビュー・書評

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  • 疑似体験を目的に読む。
    世界で活躍する医師とコンサルタントが世界で活躍する人物になるにはどうすべきかということを書かいてくれている。本を読んで毎回感じることだが、マッキンゼーを経ている人達は、考え方が素敵である。自分もそうなりたいと感じる。一言で言うと、「プロフェッショナルになるには」ということが書かれている。環境を変えることの大切さを特に重要に説いてくれているのは、この本の特徴のように感じる。

    以下付箋箇所。

    和製ルールではもう通用しない
    プロという言葉が希薄だった日本
    日本では工場の熟練工や技能者といったすぐれた「職人的なプロ」はいるが、今後重要性が増すサービス分野におけるプロフェッショナルが少ないことも気にかかっていた。

    海外へ行くメリット
    ?自分のものさしを超えた出会いがある
    ?意思決定の大切さを学べる
    ?挫折に強い「いい加減さ」を学べる

    会社や組織でなく仕事を選ぶ

    自分を磨くには、場を変えることが大切
    大学院へ行くなら出身校以外の学校を選ぶ
    「純粋培養は必ず腐る」

    プレゼンの要諦は聴衆を意識すること

    組織の長はビジョンを語る力が必要
    医療の場合、他のメンバーも意見を言っていいが、最終判断は主治医が行う。

    コンサルティング会社
    「お前が顧客の所へ発表に行くとしたら、何と言うか」としょっちゅう聞くというスタイル。緊張感をもち続ける訓練になったし、常に「自分ならどうする」と当事者として考えるクセをつける効果があった。

    自分の生き方や役割を再考する
    野球のプロの全てがメジャーリーガーとなって活躍するわけではないように、マイナーも1A、2Aもあって、そこでやっている人たちすべてがプロなのだ。

    歴史を学び、歴史上の出来事から現在の問題を見つめ、国際動向のその背景を知り、それらから将来を見通すことによって、現状を考えるヒントが生まれる。歴史は常に繰り返しているのだから、現在だけを短期的に見るのではなく、長い人類の歴史を知り、それから学び、その中に現在の問題を位置づけるべきだ。将来の課題を先取りし、考えるという習慣を養ううえでも歴史観は身に付けておくべきだろう。

    若い人のメンターになる
    日本だと「何でそんなばかげた質問をするのか。自分で調べてこい。」海外だと、「質問にばかげた質問などない。なんでも聞いてこい。」

    自分で自分の枠をつくらない。
    新しいことに挑戦するときはいつでも、自分で枠をはめているのではないかと自問自答すべし。

  • ビジネスとメディカル。二つの分野で(国際派)プロフェッショナルの経験と知が結集された良著。

    国際派プロになるためのノウハウが世代別に書かれており、わかりやすい。
    「現場力」
    「表現力」
    「時感力」
    「当事者力」
    「直観力」
    の五つを磨き、即実実行に移していきたい。
    まずは著者に感謝の手紙を書くことから始めよう

  • 『ビジョナリーカンパニー?』や『フラット化する世界』に共通するものが非常に多い。グローバル化する世界で個人に求められる資質・意識・能力は、どの書もつまるところ同じ、ある意味では当たり前の話。ただし、それを実践するのがどれほど難しいことか、事実でなくプロセスを踏んでこそ、意味があると改めて確認させられた本。

  • 「世界級キャリアのつくり方」なんて、いかにもな題名だな…とこの書が売り出された頃には「敬遠」していたのだが、1年以上が過ぎ、ふと思い立って読んでみることにした。なにしろ「若者はなぜ3年で…」の衝撃以来、最近の私は「グローバルスタンダード」だとか「キャリアステップ」とかの言葉にやたら敏感になっているからだ。
    読んでみると、結構面白いことが書いてある。この本が新しいのは、「国際派プロになるためのキャリアステップ」という章で、20代(学生時代の過ごし方)〜(キャリア形成期の過ごし方)〜(キャリアアップ期の過ごし方)〜30代以降の過ごし方という4項目に分けてそれぞれの時代にやっておくべきことが書いてある点だ。例えば学生時代は、黒川清・石倉洋子両筆者ともに「異文化体験をせよ」、「多様な人に接しろ」とあり、日本・日本人を飛び出して様々な経験をすることの重要性が説かれている。またキャリア形成期には、「旬を逃さずに能力開発をする(石倉)」、「一流の人と仕事をする(黒川)」と、伸びしろがある内に一流とされる人々と仕事を共にすることで多くを吸収し、自らの糧にせよという。その後は「小さくても組織の長になってみる」、さらに後は「後に続く人材を育てる」という具合だ。シュヴァイツァーではないが、若い時の数年は自分のために使い、残りの人生は人のために捧げる、いう感じだろうか。こんな生き方ができたら理想的だし、実際のところ、心がけ次第で実践できなくはない生き方だと思う。ただし一流の人と仕事をする、というのはなかなか難しい。両筆者とも医者・通訳として若い時期に世界で仕事をしたからこそ、一流を間近で見ることができたのだろう。
    また三章で、プロに必要な能力して「現場力・表現力・時感力・当事者力・直観力」と5つあげられているが、今の私に足りないのはとりわけ、「当事者力」と「現場力」、そして「直観力」だと思う。

    最後に黒川氏の言葉で心に残ったものがあったのでここに写す。

    「全員が世界で一流のプロになる必要はない。プロのレベルはさまざまだ。山にたとえるならば、キリマンジャロもあるしエベレストもある、マッキンリーもヒマラヤもある。日本では、山と言えば富士山が一番高いが、世界に出れば、もっと高い山があることを知るだろう。その山の頂上に行くのに二週間もかかったと聞き、自分には無理だとあきらめてもいい。それでも、その山に登ろうとする人、登った人がいると知ることで、それなりに感動する。もちろん高い山にチャレンジして失敗してもいい。チャレンジした人は、周囲から一目置かれるのがプロの世界だ。
     だが、大事なのは富士山が一番高い山でないと知ることだ。確かに日本一だが、世界一ではないことがわかればいい。そして、世界に出てさまざまな価値観に触れれば、富士山もいいが、谷川岳や三笠山もすごい、それぞれのよさがあるのだと知ることができる。
     どの山を目指すかは、それぞれの価値観だが、世界には山がたくさんあることを知ることで、選択肢も増えるし、それぞれの選択を尊重できるようになる、みながエベレストを目指す必要はない。多様な選択肢はすべて、それぞれが社会に意味があるものだとわかることが大事なのだ。」

    「自分が一流には達しなくても、一流の動きを実際に間近で見てイメージできるというのはとても大切なことだ。若いうちに頂点はあそこだと知る。そして自分はトップ・レベルに比べて、どの程度の位置にいるのかがわかる。行けるかどうかは別として、エベレストはあそこだと見据えて、そこを目指すという気持ちが大切なのだ。途中で挫折してもかまわない。エベレストのレベルを知り、自分のレベルを自覚できれば、その後の自分の人生に大きな収穫となる。謙虚になる。」

    世界を知るということは、様々な選択肢の存在を知ることだ。私は大学に入って、自分が選びえたかもしれない選択肢と、これから選ぶことができる選択肢が数多くあることに気づいて、途方に暮れてしまった。そして自分が思い描いていた「夢」とは所詮誰かが敷いた典型的なレール上にあるものでしかなく、およそ創造的な人生とは遠いものだったのだ。私はなんとちっぽけな世界観で生きているのだろう…。
    しかし途方に暮れる経験がなければ、私は今頃そのレールの上に乗っかり、安穏としていたことだろう。そして自分に約束されたバラ色の未来を思い浮かべて理想に燃えていたかもしれない、ある日「こんなはずじゃなかった」と気づくまでは……。

  • 国際派プロフェッショナルの二人が世界級キャリア形成に必要な能力とその過程について語っている。個人の経験談も交えて書かれているが、そこはとばして要点だけおさえればいいと思う。これからの時代はその国から世界的なリーダーを何人輩出できるかが国力に直結する(大前研一も同じこと言ってる)。プロには大局観、歴史観、世界観、人間観、国際性が必要で、日本人にはその感覚が欠落している。だから若い人は高い志を持って常に自分の頭を使って考えながら生きていかないとダメだゾ!だってさ。あ〜俺も腐ってはダメだ!ガンバルゾ!

  • 著者の一人が高校の大先輩と知り、また私自身将来は世界を舞台に活躍したいと考えているので読んでみました。
    ちょっと日本人を悲観しすぎな気もするけど、ここに書ききれないくらい多くの点で、大きな刺激を受けました。
    <国際派>プロフェッショナルにならないにしても、ものの考え方、普段のちょっとしたこころがけなどは参考になると思います。

  • 体験談が語られていて読みやすかった。

  • 最近良く読む系統です。実際に国際的に活躍している男女二人による、プロフェッショナルへの道といった感じでしょうか。人脈を広げる、自己研鑽を積む、勇気を持って飛び込む、異文化に触れる、などなどが大事らしく、大体俺が思ってることと同じようなことでした。最近の読書の影響と思われます。こういう本ばかり読んでても目に見えるプラスにはなりにくいと思うんですが、考えを広げたり深めていくのには役立つと思います。実際、この本を読んで国際的な物の見方を身につけたいと思いましたし、もう少し歴史を勉強しようと思いました。この本の良いところは、書いてる二人が実際に国際的に活躍しているところ、また男女二人の共著であるところ、でしょうか。やはり言葉に説得力があります。また共著ということは、少なくとも同じようなプロ一人がこの本を認めていることになりますから、これもまた説得力があります。また男女ということで、違った視点があります。薄い本ですし、興味がある人は読んでみてください。ただ、著者のあまりのバイタリティに少し疲れます。

  • 仕事でこういう力が必要だなぁと感じていることについて書いてあり、とても共感できた。また世界で渡り合えるキャリアの1つの例としても参考になる。(2006/08/15)

  • これまで国際派のキャリアについてほとんど考えたことがなかったですが、この本を読んだだけで視野が広がり、国際派のキャリア、プロフェッショナルとは何なのかというのが少しだけわかるようになりました。今後は常に国際派を意識してキャリアを積んでいこうと思います。

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著者プロフィール

1936年生まれ。東京大学医学部卒業。1969年に渡米、1979年UCLA内科教授。1983年帰国後、東京大学内科教授、東海大学医学部長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術会議議員(2003-06年)、内閣特別顧問(2006-08年)、WHOコミッショナー(2005-08年)などを歴任。国際科学者連合体、国内外の学会および大学の理事、役員など幅広い分野で活躍。国会福島原発事故調査委員会委員長(2011年12月‐2012年7月)で AAAS Award for Scientific Freedom and Responsibility 受賞(2012年)、Foreign Policy 紙の100 Top Global Thinkers of 2012に選出。現在、MITメディアラボ、コロンビア大学客員研究員、GHIT(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)、日本医療政策機構などの代表理事・会長、政策研究大学院大学客員教授、東京大学名誉教授など。

「2016年 『規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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