世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派"プロフェッショナルのすすめ
- 東洋経済新報社 (2006年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492555590
感想・レビュー・書評
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久しぶりに良い本に出会った。
中でもPart2「国際派プロになるためのキャリアステップ」は22歳でこれから社会に出るというタイミングで読むことができて良かった。
著者のキャリアも巷のキャリア本の著者とは全く異なるもので、面白い。
また、自身の子どもが生まれた際にも参考にすべき点が多数ある。
オススメ。
大学の図書館で読んだけど、買おうか迷うくらいです。 -
印象に残った言葉
・組織に所属していると同じ階級で、個人を分けている。
日本はまずは、会社名、部署名、何年目か、最後に名前を名乗る
→典型的な縦社会である
・一つの会社に属し、その中で上手いことのぼって来た人と、個人の力のみで戦ってきた人とは全く感じが違うのである。
・国際プロは自分の技能、能力によってキャリアアップする。組織や肩書に関係なく、個人で勝負できる。組織は自分の知識や技術・スキルを活かす場にすぎない。
また圧倒的な知識と技術を持ち仕事の完成度が高い。 -
国際派プロフェッショナルとして現在も国内外問わず活躍されているお二人のキャリア形成から現在の仕事術にまで、広範囲にわたって経験談が書かれている。他の仕事術やらなんやらの啓発本とはまた違った側面(具体的なエピソードなど)が盛り込まれていて楽しく読むことができた。いかんせんスケールが大きいので実際想像できない部分や同意できない部分もあったけれど、全体的な内容としてはわかりやすく興味をそそられるものが多かったように思う。
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1冊で、お2人のプロフェッショナルのお話を聞けます。企業で活躍されてきた方と医師として活躍されてきた方というお二人ですので、分野の違いからどちらも興味深く読むことができます。
でも共通点もたくさんあります。やはり、プロフェッショナルですね。
もちろんいきなりプロフェッショナルになることは難しいですが、お二人のようなモデルを知ることで、自分の将来も考えられるし、もっと自分を磨いていこうと感じました。 -
* プロフェッショナルとは
- 圧倒的な知識技術を持つ
- 自分の仕事にパッションとプライドを持つ
- 個人で勝負する
- 充実した生活を送る
- 自分の主張見解を明確にもつ
- 安住しない
- 余裕があり誰に対しても新設
* プロフェッショナルになると
- 社会的な仕事の可能性が開ける
* 20代まで(学生時代)の過ごし方
- 成蹊中学高校
- 子供のころから多くの人とコミュニケーションすることが重要
- ボーディングスクール(全寮制)
- 小さな失敗をたくさんする
- フェリス女学院 中学高校
* 海外へ行くメリットは自分の物差しを超えた出会いがあること
* パッションやスキルを間近でみる
* 一流の人に会えなければ伝記でもよい.ラーマン効果のラーマン
* シンポジウムなどで素晴らしい人に出会ったら積極的に自分からコンタクトをとるべき
* 30代の過ごし方
- 群れない,個人として周囲と付き合う.独りよがりでもよくない.ケンカ別れはよくない.
- プレゼンは自分の能力を商品として売る機会
- ダボス会議などでは必ず誰かが,あなたの質問に対して私はこう思うなどとコメントしてくること
- 小さくてもリーダーになる
- アメリカではリーダーが決める.いやなら部下は好きなところに行けるから.
- 「私も全然わからないがなんとかなる.なんとかなる気だけはある.時子音のなさを顧客に見せてはいけない」
- コンサルティングは万人向きでなく,仕事だけになる.
- 30代には自分の適性を知ることが大事.ライフステージに応じてどこを目指すか自分で選択する
- 今は時間がないからこのレベル,時間ができたら上に行こう,というのもあり
- 自分に理由をつけて納得する.人のせいにしない.夫の病気で休職した時の話
- 日本にはこういう歴史があり,その延長線上に現在があり,今世界はこういうパラダイムで動いているから,近隣諸国とはこういう関係になっている..だから現在の日本の問題はこうで,次はどうすればいい,という話ができるとよい
* 国際プロフェッショナルの要素
- 現場力,表現力,時感力,当事者力,直観力
* ケーススタディで学生に恥をかかせてはいけない,質問をしだいに高度にして,そこまでは考えなかったな,と気づかせる
* あるアイデアが浮かんだということは世界で何十人もの人が同じようなアイデアを持っているということ.だから早く実行に移すことを考える.
* 直観力を高めるには自分の担当以外も考え全体を俯瞰する
* 政治も大事.どのように伝えるか,まずはリーダーに相談するなど注意を払うべき -
全く技術を持たない人間はどうしたらいいのだろうか
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本書は、グローバルに活躍できる人間になるためにはどう考え、どう仕事をしていけば良いのかを指南している。
若い時期には多様な感性に触れ、キャリアの始まりの時期には小さな失敗を多く経験し、ある程度のキャリアが構成されてきたら、それを広いフィールドで活かす、という、ありふれているといえばありふれている内容とも言える。
たしかに、得るものの多い本ではあるが、石倉氏の執筆部分では、非常に高いレベルのことが要求されているように感じるうえ、また、彼女自身相当なエリートであるにもかかわらず、あえて自分を卑下するような表現が逆に鼻につく。
対して黒川氏の執筆部分には、大変考えさせられる部分が多くあった。自身がスーパースペシャリストであるにもかかわらず、グローバルに活躍する人材となるためには専門バカでいるだけではダメであると説いている。歴史や哲学、政治経済など、さまざまな分野に関心・理解を示すことの重要性を指摘している点は、非常に共感できる。
また、日本では多くの企業経営者が「評論家」になってしまっているという指摘も面白い。人の批判をするのは簡単。建設的な議論ができる人こそ、トップにふさわしい。私も仕事をしていく中で痛感しているところである。