- エンジェル エンジェル エンジェル (新潮文庫)
- 梨木香歩
- 新潮社 / 2004年2月28日発売
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大絶賛!もう読んでくれとしか言えない!!
私とおばあちゃん、二人の語り手が交互に出てくるという構成。
おばあちゃんの所は旧仮名遣い表記。
私の方はリアリスティックで、
おばあちゃんの過去の話はどこか夢語りのよう。
作者特有の、美しい文章と、構成、そして涼やかなオチ。
何故タイトルが「エンジェル」を三つ重ねたものなのか。
その意味も読み終えれば分かるだろう。
ページ上部にたっぷりと空白をもうけた、素敵な本作り。(単行本はもっと凝っていたという)
胸に迫る感動をここには書ききれないのがもどかしい。
小説を愛するすべての人に読んでほしい。
他の作品「西の魔女が死んだ」も素晴らしかったので、
ぜひ。
梨木さん、最高!
2014年2月14日
- のぼうの城 (下) (小学館文庫 わ 10-2)
- 和田竜
- 小学館 / 2010年10月11日発売
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めくるめく冒険活劇!…ではないが、思惑が交錯する新たな戦の物語として評価できる!!
派手な大立ち回りはないが、戦乱の世の地味な(笑)しかし魅力的な戦が描かれている。
篭城にも、いろんな戦いがあるのだなあ。
「城門での攻防」
「泥土のなか、騎馬戦で相対する」
「水責め」
丁寧な描写。
それぞれの人物の真理の交錯。
三人の友人のような部下も生き生きと描写され、
かつライバル石田三成の姿も活写されている。
「のぼう様」の内面ははっきりとは描かれず、
そこが本作の妙味となっているのは間違いない。
面白い!ヒットするはずだ。
・・・
物語の筋とは別に地の文に様々な説明が入る。
どこか司馬遼太郎的。
2014年2月14日
身辺雑記を文具にからめて。
判型がいい。
活版印刷かな?
まあ、…そこそこ。
2014年1月19日
- インド夜想曲 (白水Uブックス 99 海外小説の誘惑)
- アントニオ・タブッキ
- 白水社 / 1993年10月20日発売
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よくわからん。
なんとなく夜。そうでもないかも。
感じ取れない。
そう、つまりは落胆。
また他の海外文学を探そう。
僕にあった作品に出会うために。
2013年12月11日
- 一日江戸人 (新潮文庫)
- 杉浦日向子
- 新潮社 / 2005年3月27日発売
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「あの時代」への素晴らしき案内書。
知ってるようで詳しくは知らない江戸の「実際」を、
これでもかと細かく教えてくれる。
大量のイラストを駆使して紹介され、
文章も細やかなタッチで詳しい情報がどんどん提供される。
その小気味よさ!
知的好奇心をたっぷりと満たしてくれる、素晴らしい一冊。
2013年12月12日
- 雪沼とその周辺 (新潮文庫)
- 堀江敏幸
- 新潮社 / 2007年7月30日発売
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心地よい余韻を残す。これは本棚に置いておきたい。
地方の郊外とおぼしき風景に、人々が静かに暮らす。
物語と言えないほどの小さな変化が、登場人物たちにもたらされる。
いずれもささやかだが、確かな余韻を読者に味わわせてくれるものだ。
まるで静かな風景画の中を往来する人物を、
ほどよい距離から眺めているような。
優しい気分と穏やかな心。そんな読後感が心地よい。
いわゆる純文学系の作家だが、とても良い。
人肌のぬくもり。
今まで食わず嫌いだったな。
また時を改めて、読み返してみようと思います。
三島賞ほか多数の賞歴。すげえな。
2013年12月11日
- つきのふね (角川文庫)
- 森絵都
- 角川書店 / 2005年11月25日発売
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俺氏、絶賛。
ーー結末に、泣いた。
美しいタイトル。
少女と男性の交歓。
でしゃばらず、あせらず、あたたかな、語り合い。
やり切れない方向へと向かう現実に、どう立ち向かうか。
その方法に一つの可能性を見いだす過程が主題であり、
作者の書きたかったことなんだろうな。
森絵都は、信頼できる作家だ。
これからもどんどん、読んでいこう。
2013年12月11日
- LEGENDオブ日本語ラップ伝説
- サイプレス上野
- リットーミュージック / 2011年12月22日発売
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面白い!!ーー
一見レコードガイドのように見えるが、ヒップホップの内側からみたシーンの「実際」をつれづれなるままに綴ってある。
取り上げられたアルバムの話もそっちのけで他のトピックに脱線したり。夥しい人物、作品、挿話が登場し、みんな感心したりゲラゲラ笑ったり。
日本語ラップに詳しくないと楽しめないところも多々あるが、いまだ知らない深い世界へ踏み込んでみるのもありかも。
懐かしくも麗しい思い出の数々。やはりそれは「青春」というのが最もふさわしい。
2013年12月8日
- 談志絶倒 昭和落語家伝
- 立川談志
- 大和書房 / 2007年9月19日発売
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驚異的な記憶力に支えられた思い出話。
新たに発見された名人たちの写真を頼りに、談志が語り下ろした芸人たちの思い出。ネタの甲乙や人柄、はては楽屋での過ごし方まで、若き小ゑん(談志)が見聞きしたアレコレを書き残してくれたその労力に拍手。彼以外書くことの出来なかったであろう芸談、そして気持ちよく可・不可を断ずるするどい舌鋒。落語という芸をより深く楽しむための貴重な一冊。写真も一葉一様に素直な味わいがあり、素晴らしいもの。とくに金原亭馬生に対する愛着に胸を打たれた。
2013年12月3日
- ヒップホップ・アメリカ
- ネルソン・ジョージ
- ロッキング・オン / 2002年7月1日発売
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「ヒップホップとは?」という問いに真摯に答える大著。
その始まりから発展を、多くのMC、プロデューサーなど関係者の名前を出し詳述してゆく。ヒップホップの「神髄」を探り、掘り下げる。社会との関わり・影響を多面的にとらえる視点は水際立っている。
「ヒップホップから見たアメリカ」あるいは「アメリカにおけるヒップホップという存在」を理解するために本書は必見だろう。索引も詳しく、丁寧な作りに好感が持てる。
2013年12月5日
- ベトナム観光公社 改版 (中公文庫 つ 6-20)
- 筒井康隆
- 中央公論新社 / 1997年12月18日発売
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「火星のツァラトゥストラ」がめっぽう面白かったw
大阪弁とかww
なかなかに楽しめる短編集。
あと、著者近影が若いww
2013年11月26日
- 十八歳、海へ (集英社文庫)
- 中上健次
- 集英社 / 1980年7月19日発売
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60年代の若き男女の肖像。
都市や路地、ゲバなどのもろもろの情景。
特に雨に関する表現は秀逸、うなっちゃう。
でもあくまで文豪の若書き、かな。
主要作品を先に読むか、初期作品を先に読むか。
あなたが決めよ!
2013年11月26日
- ミューズ (講談社文庫 あ 90-4)
- 赤坂真理
- 講談社 / 2005年6月1日発売
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赤坂さんの「ヴァイブレータ」がぼくは大好き。
大学の論文にしたまでに好き。
映画にもなったよね。
この作品はより「文学」的。
以下引用。
「舐めるように見られて、言葉や態度でほめられて、はじめて体液を感じそれが逆流するのを感じる。」
「心臓の鼓動にほど近い、甘い脈の沸くスポット。」
彼女の作品は、つねに肉感的。
男と女の、肌と心の触れ合いを主題にすることが多い。
その「肉体」を強烈に意識させるテーマにグッとくる。
そんなテーマを描く小説家をほかに知らないからさ。
また機会があれば読もう。
2013年11月26日
- 這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)
- 逢空万太
- SBクリエイティブ / 2009年4月15日発売
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わたしはラノベ初心者です( ・`ω・)キリッ
・・・
異星人?神?宇宙人?・・・つまり人間ならざるものが地球で戦う物語。
アンド日常系。
クトゥルフ神話を下敷きにした世界観。
ってかそのクトゥルフなんちゃらをぼくは初めて知りました。
SFやファンタジーに多大な影響を与えたものらしいね。
それをうまく生かしてるなと好印象。
後半のおにゃのこ百合展開もなかなか面白い。
とっても楽しめたよ!
2013年11月26日
- 円朝の女 (文春文庫 ま 29-1)
- 松井今朝子
- 文藝春秋 / 2012年5月10日発売
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伝法な口調の「語り手」の地の文のおかげで、とにかくスピード感を持って読める。
主人公は円朝自身ではなく、あくまでその周辺の「女」であることが
他の円朝ものとは違う利点。
うむ面白い。
いろんな女。
ただ決め手に欠ける。
そんな読後感。
2013年11月26日
- 目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)
- 星野智幸
- 新潮社 / 2004年10月28日発売
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早稲田。三島賞、野間文芸賞。
冒頭からめっちゃ「文学」してる。
伊豆高原。疑似家族。ペルー人、サルサ。
ふーん。ぼやんとした読後感。
「読んでも得しなかったなー」が本心。
良くも悪くも文芸誌に載ってるような作品。
もう星野さんの本は読まないだろうな。
合縁奇縁。それが無かった。
2013年11月26日
- もののたはむれ (文春文庫)
- 松浦寿輝
- 文藝春秋 / 2005年6月10日発売
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処女小説。14篇。
詩人、評論家、教授、芥川賞。
インテリだけど時代と世界がよく見えている。
明治期の小説みたい。なんか雰囲気が。
文章も難解ではなくリズムも良い。
乳房を舐め回したり、そういう表現があるだけでぼくは読む気力が湧くしww
読み返してなかなかに味わえる作品集だなと思い返した。
捨てようと思っていたので。
5年後くらいに読み替えそうかな。
そうそう、大阪のしゃれた本屋「Berlin Books」で購入したのは
個人的にいい思い出。
「グラシン紙」につつまれた愛らしい一冊。
2013年11月26日
- マイルス・デイビス自叙伝 (2) (宝島社文庫)
- マイルス・デイビス
- 宝島社 / 1999年12月1日発売
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やたらめったら面白い!!
セックスの話、ドラッグの話。ジャズ界のキングは俗世にまみれたとびきりの「困ったちゃん」だった!!w 自らの半生を飾らずあくまで素直に語りきった当代随一の自伝だろう。なんと正直な告白の数々!燦然と輝く名盤に参加した多様なジャズメンたち、その変遷も詳しく分かる。ただ、音楽的な挿話よりも俗っぽい彼の「暮らしっぷり」が常軌を逸していてそれがとにかく面白くて面白くて…w ジャズに詳しくなくても、必見の一冊なのである!!
2013年12月3日
- ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]
- 新城カズマ
- ソフトバンククリエイティブ / 2006年4月15日発売
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まったくのトーシローの為に書かれた一冊。「これがあればライトノベルの全貌が分かる!」と言ってもいいかも。業界内部からの視点でありながら、あくまで客観的に概括、紹介しようというスタンスが貫かれている。その分作品への深い踏み込みは少ない。でもキャラ解説から年表まで載った労作であることは確か。個人的には「こんなもんかな」って感想だけどw
2013年12月4日
- クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
- 西尾維新
- 講談社 / 2002年2月7日発売
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2013年12月4日
- 魔法少女まどか☆マギカぴあ (ぴあMOOK)
- ぴあ
- ぴあ / 2013年10月12日発売
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大充実!
カラーも美麗、詳細設定、声優インタビュー。
ほぼ公式本?
おすすめ。
2014年1月19日
- 神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)
- ダンテ
- 河出書房新社 / 2008年11月20日発売
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いやあ楽しかった!ーー
目の前に現れるリアルな地獄の凄絶なこと!
おびただしい罪人がさまざまな苦行を強いられて、苦しんでいる。
それをただただ目にし、目的地へそぞろ歩いていく。
ダンテのおののきがこちらまで伝わってくる。
読む前はもっと抽象的で難解な作品だと思っていた。
それぞれの歌の前に訳者による「内容紹介」と、本文あとの注解により理解が進む。
とにかく情景が具体的で生々しい!その情景を見るだけで読書の醍醐味を与えてくれる。
おびただしい人名は読み飛ばして、ひと息に目を通しながら文章を味わうだけで大きく満足できる作品。
よーし、煉獄篇天国篇もサクッと読んでいくぞ!!
2013年11月13日
- ナボコフの文学講義 下 (河出文庫)
- ウラジーミル・ナボコフ
- 河出書房新社 / 2013年1月9日発売
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とにかく「精読」、引用ばっか、でも…ーー
引用が非常に多い。自説の主張が乏しい。
結局は何が言いたいのか?そればかり気になっていたが、気づいた。
「読み込む事によって、小説の醍醐味をとことん感じろ!」ってことだ。
引用の分量に比べ圧倒的に少ないが、
ナボコフの鋭い(時に鋭すぎる!)指摘がそこここに散りばめられていて、盲を開かれることが沢山。
その表現が典雅で詩的な表現で書かれていて、読んでいてふくよかな気持ちをもたらしてくれる。
・・・とてもじゃないが本書のレビューなんか書けんわw どだい無理なはなしw
・・・結局、世界文学の"超"名作を(断片的ながらも)感受させてくれたことには、いくら感謝しても足りない。
敬愛しまくるプルーストの「失われて〜」に関しては読んでいた頃(10年前)の感動を蘇らせてくれた。
そして憧れながらいまだ読んでいない(そしてこれからも読むことはないだろう)「ユリシーズ」に関しても、その魅力や叙述の圧倒的力を(断片的ながら)疑似体験させてもらった。
「ユリシーズ」の結末の引用で、思わず知らず泣きそうになった!あまりに良すぎて、つまり感動して!!
この感動をもたらしてくれただけでも、この一冊は忘れがたいものになった。
本棚に大切に収納します。
2013年11月12日