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マアジナル (角川文庫)
- 田口ランディ
- 角川書店 / 2013年10月25日発売
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個性的な作品だと思います。
深いかもしれない。
でもよくわからない。
面白い気がする。
でも人を選ぶ気もする。
とりあえず混沌。
2013年11月6日
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ブルー・ゴールド (朝日文庫)
- 真保裕一
- 朝日新聞出版 / 2013年9月6日発売
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水を巡るビジネスの攻防。
個人的には、もっと壮大なスケールのお話を創造していたんですが、以外とこじんまりとした印象でした。
面白いんですけどね。
2013年10月26日
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【映画化】完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 乾緑郎
- 宝島社 / 2012年1月13日発売
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うーん…。
この作品を単体で評価するなら、決して悪くはないと思うんですよ。なので、一部評価が高いのも理解できます。
ただ、プロットがやや似通った「クラインの壺」という作品があり、そちらの方が個人的にははるかに面白く、かつはるかに昔の作品なので、後発のこちらにはどうしても「二番煎じ」な印象が拭えません。
結果として厳しめの評価にはなりますね。
2013年10月10日
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新参者 (講談社文庫)
- 東野圭吾
- 講談社 / 2013年8月9日発売
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帯には「人情という名の謎」とか、とにかく人情がらみの部分が強調されていたような感じでしたが、読んでみると、少なくとも人情が謎解きや捜査に直接影響しているようには感じられませんでした。
原因も動機も結局は被害者家族の個の事情ですし。
とはいえ、舞台を下町に設定し、周辺の市井の人々を(間接的に)事件に絡め、総合的に一つの物語にまとめあげているあたりが、さすがの手腕だと感じました。推理物というよりは短編集として面白かったと思います。
2013年10月4日
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誰にも書ける一冊の本 (光文社文庫 お 37-5)
- 荻原浩
- 光文社 / 2013年9月10日発売
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楽しませていはいただいたが、なにせ短い。もっと掘り下げてくれればより深みが増したのでは。なんだか、短編集の一編を一冊にした感じ。
個人的には、こんなに紙の厚い文庫は初めて見ました。
2013年9月30日
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ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)
- 松岡圭祐
- 新潮社 / 2008年8月28日発売
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解説にもあったとおり、主人公が勘違い野郎です。イライラしながら読み進めました。
こうした人物が様々な出来事と対峙することで成長していく…というのはよくあるパターンかと思いますが、この作品の場合、「成長」というよりは「切り替わってる」感じです。おいおいどうしたその豹変具合。
まぁそうした人物描写はおいとくとして、かの有名な夢の国の裏側を(虚実ない交ぜにしつつ)実名で描写しているのは痛快で面白く感じました。
ちなみに私はこの夢の国(というかこのあたりのもろもろ)を快く思わない側の人間ですので、ヘイト描写を面白く思いつつも、作者の身の安全を心配してしまいます(笑)。
2013年9月26日
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二度寝で番茶 (双葉文庫)
- 木皿泉
- 双葉社 / 2013年9月12日発売
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この方が脚本を担当された某ドラマがとても好きなので購入。
エッセイとイラスト、写真を含めたトータルなパッケージの雰囲気が秀逸です。
(書籍に対してパッケージと称するのも違和感がありますが、まあそこは置いておくとして)
こういった感性からああいった作品が生まれるのだなぁ、という納得の一冊です。
2013年9月21日
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声出していこう (光文社文庫 あ 53-3)
- 朝倉かすみ
- 光文社 / 2013年8月7日発売
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うーん。
一つの事件を通じて人々の生活の機微をあぶり出す…ような内容なんだろうかとは勝手に思ったているのですが、なんともモヤっとしているというか、着地点が見えなかったというか、釈然としないまま読み終わった感じ。
登場人物の会話がなぜだかテンポ悪く感じられてしまったのも、のれなかった一因かと思いました。個人的に。
2013年9月14日
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スパイクス ランナー2 (幻冬舎文庫)
- あさのあつこ
- 幻冬舎 / 2013年4月10日発売
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前作が「ランナー」というタイトルのわりにランナー色が薄かったので、期待を込めて購入。
お、今度はランナーっぽい内容ですね。しっかり競技してます。
まあ別にそうじゃなきゃいけないってわけじゃないんですけども、タイトルからしてスポーツ青春小説を期待する向きもあるので。
とはいえ若干あっさり気味なところもあるので、更なる続編に期待。
2013年9月1日
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センセイの鞄 (文春文庫)
- 川上弘美
- 文藝春秋 / 2004年9月3日発売
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センセイと呼ばれるそれなり(老境)のお年の男性と、30代の女性の恋愛物語。
…ということになるんですよね。
私的には、恋愛に至らずに、前半〜中盤の微妙な関係性のまま物語が収束してくれることを望んだのですが。
もとより現実味は薄いお話なので、であればなおさら、なんとなく恋愛関係に移行しそうでありつつも、いややっぱり、それはないよね〜、でも…みたいな含みを持たせつつ、物語がうやむやになって欲しかった、などと思うのです。
2013年8月18日
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掏摸(スリ) (河出文庫)
- 中村文則
- 河出書房新社 / 2013年4月6日発売
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うーん。漠然とした印象。
帯のあおり文句につい、もっとドラマチックで強烈な展開を期待してしまっていたのかもしれません。
2013年8月12日
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新装版 青い壺 (文春文庫)
- 有吉佐和子
- 文藝春秋 / 2011年7月8日発売
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タイトルは「青い壺」ですが、壺関係ない気がします。
とはいえ、市井の庶民の生活のひだをあぶり出す秀逸な描写には、手練の技を感じずにはいられません。
(手練、という表現を使いたくなるあたりには、有吉佐和子のネームバリューに気圧されている可能性もなくはなく)
2013年7月30日
うーん。
舞台の描写といい、時折「おっ」と思わせる秀逸な表現といい、随所に光るものがあるお話だとは思ったのですが、全体的にはなんとなくぼんやりと散漫な印象が残ってしまうような…。
2013年7月20日
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震える牛 (小学館文庫)
- 相場英雄
- 小学館 / 2013年5月13日発売
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犯罪小説としては、そんな立場の人がそんなことに直接手を下すかなぁ…という点をはじめ、いくつか気にはなりました。
が、この小説の本題は、社会のある種の構造の現状に警鐘を鳴らすことにあるのかと思うので、その点では心に重くのしかかるものがあったと思います。
2013年7月18日
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さよなら渓谷 (新潮文庫)
- 吉田修一
- 新潮社 / 2010年11月29日発売
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暑さの描写が秀逸。
読んでいて、うだるような感じが伝わってきます。
…これは褒めてないですね。
男女の業というか、理屈で割り切れない感情というか、そういうのは伝わってくるのですが…なんだろう、あまりピンときませんでした。
人生経験が少ないからでしょうか。
2013年7月2日
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模倣の殺意 (創元推理文庫)
- 中町信
- 東京創元社 / 2004年8月13日発売
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トリックは面白いと思いますし、犯人も意外でした。
私、根が素直なのかもしれません。
2013年6月16日
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密やかな結晶 (講談社文庫)
- 小川洋子
- 講談社 / 1999年8月10日発売
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消滅、が日常的に起こる島。
…というだけでは読んでない人はなんだと思うかもしれないけれど、読んでる人でもなんなんだと思うシチュエーションなので、そこはさておき。
島という規模の割には鉄道もあるし、消滅によってある種の産業が丸々失われても経済活動が存続していくからには、それなりの規模なわけで。
日本と同規模の島なのかもしれない。
もしくは日本を指して「島」と称しているのかもしれない。
…と考えると、様々な抑圧を粛々と受け入れる国民性を示唆している気もしつつ、メッセージ性は主題ではないとも感じるので、そんな穿った見方は置いといて。
いずれにせよ、いつもながら不思議なお話を紡がれる作家さんだと思います。
2013年6月11日
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激流 下 (徳間文庫 し 22-7)
- 柴田よしき
- 徳間書店 / 2009年3月6日発売
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サスペンス、という観点だけで捉えれば弱い部分もあります。
事件間に関連性を匂わせつつも実は偶発だった、という展開が多く、真相の解明に至る推理にも必然性はあまり感じられません。
ですが、そのあたりは作中でも登場人物によって語られていますし、またそうした観点から評価される作品でもないかなと思います。
登場人物がそれぞれしっかりと描かれていますし、そこから織りなされる人間模様とエピソードは、切なくも魅力的でした。
非常に引き込まれる物語だと思います。
2013年5月8日