星の子

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514745

感想・レビュー・書評

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  • 宗教2世という言葉が今のように知られていない頃に書かれた作品。それなのに、例のあの事件のあの容疑者を思い浮かべてしまう。叔父さんも容疑者の叔父と重なる部分がある。
    信じている人は純粋に信じていて、外側から見た時の異様さには気がつかない。
    そのコントラストが見事です。

  • 22年9月5日読了

  • 宗教一家に育った主人公の話。

    あのなんとも言えない宗教の空気と、それを信じている人たちは善いと思ってやってる感じ。

    そして、それを外から見た時の異様さ。

    その中に入ってしまっている主人公の生き様がリアルでおもしろかった。

  • 映画を観てよくわからなかったので読んでみたけど、けっこう原作どおりだったみたいで、読んでもやっぱり、これはどういう話なんだろうと思ってしまった。

    こういう新興宗教のことはあまり知らないけれど、よく描かれているのではないかなと感じた。
    藁にもすがる両親の思い、その後も手放せない信仰。二代目であるちひろは、自然に宗教を受け入れているけれど、周りに変だと思われていることも知っていて、ちょっとやだなと感じる場面もありながら、大好きな両親とともに宗教と関わりながら生きていく。
    ちひろは反発してもいい環境ではあるんだけど、家族が大好きで、宗教にもなんとなく参加しつつ、淡々と生活している印象。この淡々とした感じが、心地いい。この子好きだな。

    何かが起こるわけでもなく、最後両親になかなか会えないのは事件か?と思ったらそういうわけでもなく、星を眺めて終わるというラストは、どういうことなのかな。このまま平穏に、小さな波もありつつも、家族で穏やかに暮らしていくという描写なのかな。

  • 何かを心の支えにして生きていくことは悪いことではない。ただ、いわゆる宗教2世の方たちは、自分でそれを選んだわけではないのが難しいところだなと思いました。

    ちひろにとって、当たり前のことを「おかしい」と果たして言えるのか。周りの人は目を覚まさせようとするけれど、覚めた先に幸せが待っているとも限らない。何が正解なんだろうとおもってしまいます。

    それほどドギツい描写もなく、ときどき怪しさの感じられる部分があるものの、全体的に穏やかな雰囲気なのがある意味不気味なのかもしれません。

  • 異常なのに、中に入ってしまえば異常という認識が薄れるってことなのかな。異常でも親子だし。

  • 今村さん3冊目。
    この作品は、両親が怪しい宗教にのめり込んでしまい、それが普通だと思ってきたちひろが成長、世の中の普通と違う現実に葛藤しつつも、自分の居場所はやはりここなんだな、と感じた、と言う事なのかな。
    作風は柔らかい感じで読みやすかったが、他の登場人物がイマイチわかりにくかった。落合さんの息子とかどう言う理由での登場だったのだろうか。後からの登場を期待したが結局なかったし、意図がわからなかった。
    親の世界観はダイレクトに子の"世界"となる。何が本当に子のためになるのか、よく考えたい。

  • 宗教に溺れる親を持つ女の子の話。
    『好きな人が信じるものを信じたい』

  • 誰にでも起こりうる事なのか…正直、殺人事件などよりもこのような話の方が身近に感じ、鳥肌が立った。
    ちひろちゃんは救われてほしい。

  • うーん.
    わらをも掴む気持ちで試した水がきっかけで入ってしまった宗教.
    娘の幸せを願ってのはずが…娘と離れる事になってもやめられないものなのかな… .

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

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