神様のカルテ

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862592

感想・レビュー・書評

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  •  美しい物語だ。厳しい地域医療の現実を書きながらも、主人公の古めかしい口調など、どことなくゆるやかで穏やかな空気感を醸し出している。
     なによりも美しいのは、主人公が患者に対して誠実である事、それが感じられるので涙腺を刺激されてしまう。
     ほどよくユーモアが織り交ぜられた文章も読みやすく、登場人物も個性豊かでいい読後感。

  • 夏目漱石を愛読する松本市の病院に勤務する内科医の話.
    地域医療が直面する厳しい現実の中に、心温まる患者とのやりとりや同僚とのやりとりにホッとする.
    高齢の入院患者の心の中に去来するものは、想像しがたいものがあるが、みなそれぞれにそれぞれの孤独を感じているのだろう.

  • 4月に長野県に引っ越してきてGW に読みました。
    「日中は人目につかぬ地下にでも潜っていて、日が暮れると同時に街中へ飛び出し…」に笑ってしまった。
    私も地方の救急病院で医療職をしていたのて、当時の葛藤や胸がギュッとした事を思い出しました。

  • 大好きな本。
    この本を読んで、終末期医療に関わりたいと思うようになりました。
    これで良かったのか?
    もっと何かできたのではないか?
    終末期は、答えが返ってこないから。何をやっても自己満足にしかならないのではないか?
    たとえそう思うことが多くなっても、医療には限界があるから目の前の一人に対して切実に向き合おうという気持ちになれました

  • なんでこれまで読まなかったんでしょう。不思議です。今更ですが読んでよかった。泣くんだろうなあと思っていましたがやはり泣きました。職場で昼休みに読むのにはふさわしくない本です。
    独特の語り口調の文がとても好きです。続きを読むのが楽しみな本が増えて嬉しいです。

  • 2015年3月頃、読了。

  • 医療モノを初めて読みました。

    とても優しくてあたたかい医者と看護師、患者のいる病院のお話でした。

    地域医療・・・よくはわかりませんが、戦場なんだなぁ・・・
    随所で泣けました。第2話の桜の絵の書かれ方がとてもきれいでした。
    あとは、主人公の名前についてのエピソードがよかった。

    主人公はとても素晴らしい人なのですが、独特な一人称の語り口調があまり好きではなかったです・・・読み進めづらかった・・・(>_<)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「戦場なんだなぁ・・・」
      病気や怪我で、身体も心も弱っている人間と対峙するのですから、医療従事者にすれば、何所であっても戦場かも知れません...
      「戦場なんだなぁ・・・」
      病気や怪我で、身体も心も弱っている人間と対峙するのですから、医療従事者にすれば、何所であっても戦場かも知れません。。。
      もっと僻地・過疎地には、医者不在のところもあって、問題は更に深刻でしょう(西川美和監督の佳作「ディア・ドクター」はご覧になられたでしょうか?)
      「独特な一人称の語り口調が」
      チョッと、取っ付き難いかなぁ、、、
      私は深刻さを和らげているように思えて、結構好きでした。
      2014/05/01
    • yamatamiさん
      離島医療をテーマとしたマンガ、ドラマの「Dr.コトー診療所」は拝見しました。
      「ディア・ドクター」はまだ観ていないので観てみたいと思います...
      離島医療をテーマとしたマンガ、ドラマの「Dr.コトー診療所」は拝見しました。
      「ディア・ドクター」はまだ観ていないので観てみたいと思います!
      「神様のカルテ」も2巻3巻と出ているようなので挑戦しようと思います。
      2014/05/02
  • 小説家ではないので、書き慣れていない感じはあるが内容や個性的な登場人物は良い。大切なものは何か。

  • ありがちなお涙頂戴の類かなと思っていたのですが、
    妙にシュールな場面が多く、思わず笑ってしまう場面が多かったです。
    第1話はこれといった見せ場もなく、淡々と進んでいきます。
    第2話からはぐっと魅せる場面が多かったです。
    やはり安曇さんのところでは泣けました。

    ただ、愛しき細君のクセのある口調がどうしても受け入れられませんでした・・・
    (主人公の漱石調は全然気にならなかったのですが)

  • とっても優しくて力強い物語。
    登場人物のお互いを思いやる心に泣いてしまう。
    悲しかったり辛くて流す涙ではなくて、優しさにふれて胸の奥の方から溢れるような涙。

    この本からもらった優しい気持ちを周りの人に返していきたいと思う。

    • takanatsuさん
      「あるかもしれない、あったであろう話に、現実は甘くないと独り言を呟いていそう。。。」
      なるほど…。想像していませんでした。
      お医者さんほ...
      「あるかもしれない、あったであろう話に、現実は甘くないと独り言を呟いていそう。。。」
      なるほど…。想像していませんでした。
      お医者さんほどいろんな描かれ方をしている職業ってないかもしれません。
      その中にはこういうお医者さんに診てもらいたいと思うような理想像があって…うまく言えませんが、日々目の前のハードルは高くなっているのかもしれないですね。
      2014/04/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「お医者さんほどいろんな描かれ方を」
      生命、金、名誉、と色々なキーワードと結びつくからでしょうかねぇ?
      「日々目の前のハードルは」
      そ...
      「お医者さんほどいろんな描かれ方を」
      生命、金、名誉、と色々なキーワードと結びつくからでしょうかねぇ?
      「日々目の前のハードルは」
      そうですね、今ではセカンドオピニオンで、別の医者の見解を聞くのも普通になりましたから、シッカリしていないと「藪」の烙印が、、、
      2014/05/01
    • takanatsuさん
      「生命、金、名誉、と色々なキーワードと結びつくからでしょうかねぇ?」
      実際にお医者さんがいろんな事件やドラマを提供(というのも変ですが)し...
      「生命、金、名誉、と色々なキーワードと結びつくからでしょうかねぇ?」
      実際にお医者さんがいろんな事件やドラマを提供(というのも変ですが)してくれていますしね。
      素材としての力(というのも変ですが)がありますよね。
      どんなに描いても現実はさらに一歩リードしているというか…(いいことも悪いことも)
      「シッカリしていないと「藪」の烙印が、、、」
      結局お医者さんと患者さんの信頼関係が1番大切なんだろうなと思います。
      「先生がそういうんだから間違いないだろう」と思えるかどうかなんですよね。
      でもそれが1番難しいような気もするのですが。
      2014/05/02
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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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