- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608645
作品紹介・あらすじ
自ら「地獄を見た」と言うほど、数々の修羅場を潜り抜けてきた鈴木宗男が、いまだから語れる秘話を満載。角栄、中川一郎、金丸から小沢、小泉、プーチンまで、手に汗にぎるエピソード、内幕を明かす。読めば、カネ、人事、権力闘争をめぐる「永田町の論理」が浮かび上がる。
感想・レビュー・書評
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2022年11月読了。政治家の著作は時間経ってから読むほうが面白い。これも2012年6月に発行され、10年が経っている。
この本の最後には「いつの日か、鈴木宗男をみろ、鈴木宗男の後ろ菅義偉を見よう、私はこう言わしめる結果を残したい。だから人生は、死ぬまで闘いだと思っている。」とある。前段はともかく、死ぬまで闘いだと思っていることは今現在のあり方からみてもよくわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の筆者である鈴木宗男さんは、昭和44年9月から中川一郎氏の秘書となり、現在、日本維新の会の国会議員として活躍している政治家です。
筆者は言います。「秘書となってからの私には、お盆も正月もない。365日働いた」(19P)と記載があります。その頃から日本国のために粉骨砕身働いていると理解しました。また、昭和55年5月の衆議院と参議院のダブル選挙だったときの会話なのですが、筆者は、当時の大平正芳首相とは、考え方を異にする反主流派に属していたため、大平首相の批判をしていたのですが、心筋梗塞で亡くなってしまったため、中川先生に対して、演説の内容を「変えるしかないです。死者に鞭打つのは、日本人の感覚としては絶対ダメです。逆に敬意が必要ですから、ここはもう、大平さんほど偉い人はなかった。これで行きましょう。」(39P)と言った部分を読んで、私はとても柔軟性を持った政治家であると認識しました。ここで大平首相のことを少しお話させていただくと大平首相は私の地元香川が生んだ偉大なる政治家です。派手なことはせず地味な印象の方でしたが、保守本流の政治家の一人です。(大平さんのことを理解したいのであれば、「大平正芳」(服部龍二)が分かりやすいです。また「大平正芳」(福永文夫)も新書版で読みやすいです)
平成3年1月、筆者が外務政務次官であった時に湾岸戦争が始まりました。イラクで働いていたベトナム人がカイロで足止めとなっており故国に帰れないためベトナム政府から援助要請があった際、筆者が日本航空と全日空の飛行機をチャーターし、パリ、成田を経由してハノイに送り届けたことを読んで、世界が日本に求めている国際貢献を実行したと思いました。(136P)
筆者は、平成3年10月に第2次世界大戦中にリトアニアで外交官をしていた杉原千畝さんの名誉を回復しました。(183P)杉原さんとは当時の外務大臣の訓令に違反し、ユダヤ人に対してビザを発給し、6,000人の命を救った方です。人道的な活躍をした方の名誉を回復したこと本当に意義のある素晴らしいことだと思っています。
筆者は、北海道の出身ということもあり、北方領土返還交渉にも長年、尽力されてきました。当時のソ連の指導者である、ゴルバチョフ、エリツィン及びプーチンとも面談して交渉を行ってきたということが挙げられます。(158P~199P)筆者は言います。「日本政府にも外務省にもいま、ロシアと太いパイプを持つ人材がいないのだ。」(197P)私も同じ思いを持っています。今の日本で北方領土返還に向けて熱く煮えたぎるような気持ちを持っている国会議員は鈴木宗男さん以外にはいないと思っています。鈴木宗男さんと以前、外交官であった佐藤優さんがタッグを組んで対ロシア外交を立て直して欲しいと切に願っています。
最後に筆者は言います。「政治というものは、弱い人や困った人を助けるためにある」(229P)私も同感です。筆者である鈴木宗男氏には、これからも日本国を素晴らしい国とするため、いつまでも活躍していただきたく思っています。
素晴らしい本を出版してくれた筆者と出版社に深く感謝いたします。ありがとうございました。 -
鈴木宗男さんが自身の政治家人生をふり返りつつ、日本政治の内幕を語った本。
故・中川一郎の秘書になり政治の世界に飛び込んだ鈴木宗男さん。長年、政治の世界を見てきた鈴木さんがご自身の半生を交えながら、政治の舞台裏や鈴木さんが考える政治家の資質などを本書に書いています。
人間関係は大切にしなければいけません。そのためには誠実に人と接すること。そうすれば、ピンチになっても必ず手を差し伸べる人が出てきます。 -
2002年の小泉政権時代、官僚や議員が寄ってたかってクビにした外務大臣の田中さんの騒動に「マキコ」まれた形で、自らも衆議院の運営委員長を辞任した鈴木宗男氏。その後マスコミと検察のリークによって本人もまさかの「有罪」となってしまったのだが、本書はそこから1年半の収監を終えた直後に発表した手記。北海道の高校を出て拓殖大を卒業後、「北海のヒグマ」と呼ばれた同郷の議員・中川一郎の秘書からスタートした鈴木氏が、田中角栄の豪快な政治手腕や、師である中川氏の自殺を契機に出馬した事に対するバッシング、さらにはロシア通としてプーチン大統領と1対1の交渉に臨んだ際の鬼気迫るやりとりなど、修羅場をくぐり抜けてきた男の闘いを赤裸々に描く。本書のストーリーは2009年に民主党が政権を取った時点で完結しており、それまでに取り沙汰された自らの嫌疑には触れていない。海外利権疑惑などで「疑惑の総合商社」とまで野党の議員から罵倒されはしたが、その議員も後に詐欺で逮捕されて疑惑まみれという魑魅魍魎な政治の世界においては、鈴木氏が白か黒かの結論が出るにはまだまだ時間がかかりそう。
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政治家の勉強ができる本。
マスコミの報道とはかなり違っていました。 -
【ノート】
・本屋で目にとまった。大丸の三省堂。
・政治家の自叙伝なので、まぁそういう内容だが、中川一郎にはじまり、田中角栄、金丸信、竹下登などに関する記述は面白い。ゴルバチョフやエリツィン、プーチンとの会談の話も興味深く読めた。ムネオハウス報道の頃は利権まみれの悪徳政治家だと思っていたが、佐藤優さんの著書の影響もあり、どうやらそうでもなさそうだと最近思い始めてる。
・昨年11月に帯広に行った時、別のホテルに投宿した同僚が鈴木宗男がいたと言っていた。いつか機会があれば会って話してみたい。
・「民主主義とは折り合いをつけていくことなのだ。(P119)」 -
鈴木宗男が、田中角栄、中川一郎、金丸信、小沢一郎、プーチン、田中眞紀子&小泉純一郎について綴った一冊。
自分を追い落とした田中眞紀子&小泉純一郎に厳しいのは当然だけれど、それ以外の人物に対しては的確に記しており、インサイダーしか知りえない情報も含めて非常に勉強になった。 -
中々わかりやすい。飯島氏の新書を読んで以来の感覚。
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レビュー省略