俺ではない炎上

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575245196

感想・レビュー・書評

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  • 一気読み、そして振り返る為の二度読みをした。
    自分が最初から引っかかっていた点は正しかったが、何に引っかかっていたかとか、その他ほんの些細な単語もここには書けない。
    私が読む著者の作品3冊目なのだが、2冊目に読んだ作品の要素が入っているのかと思った。
    しかしそうではなかったが、①引っかかった点については正しかった。

    他に、二度読みをして気付いた点がある。
    それは全く伏線回収や種明かしはされておらず、たぶん著者は、あえて読者が気付かなくても良しとして書いていると思う。
    その小さな小さな②著者の仕掛けに気付いた時には震えた。

    私はTwitterなどの類いをやらないが、拡散希望だリツイートだ炎上だ犯人探しだの現象があるということくらいはわかっている。
    でも仕組みなどはわからないので、ツイートアクティビティというものについて説明してくれていたのは有り難い。

    ③著者が一貫して書き表したかった主題も、読者として、しかと読み取った。

    ネタバレになってしまう①②③は通常通り非公開メモに記す。


    第一刷発行、単純な脱字2ヶ所あり。
    ある人物がこだわった「おかしな日本語」とは関係なく、ただの脱字。

  • 浅倉さんの本を読むのは『6人の嘘つきな大学生』に次ぐ2冊目。予想もしない展開ですごかったのだが、真犯人の動機が一度読んだだけではいまいちすっきりせず、若干消化不良だった。それでも一気読みしてしまう面白さではあった。

  • タイトルに惹かれて読みました。
    逃げる逃げる、主人公の行く末が気になり、どんどんページを進められる面白さ。
    ただ、最後は展開が速く…もう少し丁寧でもよかった気がした。

  • SNSの成りすましにより殺人犯に仕立てられてしまったエリート会社員の逃走劇。

    またもや緊迫感とスピード感のあるミステリーで、引き込まれました。
    ネット上の情報過多や誹謗中傷のみならず、家族関係、経済格差、売春などの社会問題が盛り込まれていて、「今」をリアルに感じました。

    社会派の人間ドラマとして色々なことを考えてみたのですが…
    まずはネットに溢れている「自分は悪くない」「自分だけの価値観が正しい」という人間の心の声が恐ろしくなりました。
    次に実社会の人間関係の難しさを痛感させられました。
    「六人の嘘つきな大学生」と同様、人は誰でも多面性を持っているということが根底に描かれているように思いました。自分が思っている自分と周りから見えている自分は違うし、Aさんから見える自分とBさんから見える自分も違うということです。
    他意はないのに人に誤解を与えてしまう危うさ。
    良かれと思ってのことなのに伝わらないもどかしさ。

    主人公は四角四面なところがあって自分にも他人にも厳しく、周りに疎まれることにも気付かなかった人間だけれど、そこまで悪人とも思えず、孤軍奮闘する羽目になってしまうなんて同情してしまいました。

    ミステリーの部分は完敗。
    色々と違和感は感じてはいたものの、○○トリックだったとは気付かず驚愕しました。
    欲を言えば、もう少し深く犯人側の気持ちを知りたかったかも。

  • 予想できない展開でハラハラドキドキしながら読む手が止まりませんでした。
    犯人がわかる人いるんでしょうか。
    かなり考え込まれていて凄く面白かったです。

  • 2022/09/11読了
    #浅倉秋成作品

    自分に擬態したTwitterで殺人写真が
    投稿される。
    瞬く間に拡散、素性が暴かれ連続殺人犯
    として日本中の注目を集める。
    巧妙に気持ちよくミスリードされた。
    タイトルも終わってみれば秀逸。

    「嘘つきな〜」に続いて2作品目だが、
    著者の作品はホントにありそう感があって
    かなり好きだ。

  • しっかりとどんでん返しをくらった。
    全て読み終わったあとに、だからここがこうで、あそこがああだったのかと辻褄が合っていく瞬間が楽しい。
    インターネットの信憑性が怖い。

  • 犯人の濡れ衣を着せられた、エリートサラリーマンの逃走劇。
    人間の闇が見える作品。
    スピード感があって、一気に読んでしまいました!
    終盤の展開は、ちょっとビックリ。

    Twitterが発端となって、起きる事件、着せられる濡れ衣。
    知らないうちに、全く知らない人間たちによって尾びれ背びれが付いて、事件に関わりが無かったはずの主人公が凶悪犯に仕立て上げられてしまう。
    何でも利用して有名になりたいだけの人間、歪んだ正義感を振りかざす人間、事件を「コンテンツ」として遊びの材料にしてしまう人間…
    ネット界の闇を感じますね。
    全員が全員ではないけれど、一部の過激な意見の方が目立ってしまう。
    デマはもちろん、不確かな情報を流すのは止めましょう。。

    ただ、主人公も主人公。
    会社ではエリート階級で「裸の王様」だった。
    ありがちな人物像です。

    「初心忘れるべからず」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
    私の好きな言葉です。
    忘れると、この主人公みたいな事になりかねません。
    注意しよう。。

    真犯人の心情や、主人公の義母の発言動機が弱い感じはしました。
    個人的な印象は、SNS時代版の『ゴールデンスランバー』。(伊坂幸太郎さんの著書。映画しか観てないので恐縮ですが…)
    ハラハラドキドキしたい時にオススメです。

  • レビューし忘れなので簡潔に。
    初めての作家さんの作品でしたが、最初の入りからうまいことつかまされ一気見でした。
    そりゃあ、あそこまで完璧なTwitterのアカウントでなりすましされたらみんな騙されるよなと。最初は主人公が不憫で不憫で仕方なかったが、それだけで終わらないところが面白いところ。主人公に関して、誰もが認める仕事のできる立派な人間として描かれていると思いきや、それは主人公自身がそう感じていただけで、実はそこまで良く思わていなかったという事実。切ない気持ちとともに身につまされる話だと感じた。
    上記にある通り、主人公は犯人ではないわけだが、結末は全く自分としては想定外だった。そもそもそんな根本から騙されてたんかーいという感じで見事にやられました。犯人に関しては人まで殺しちゃう?という気持ちは多少残ったが、構成的にはお見事、十分楽しまさせていただきました。
    順番は前後してしまったが、この後に読んだ「六人の嘘つきな大学生」も面白かった。ぜひ今後の作品も期待したい作家さんです。

  • 遺体の写真つきで殺害をほのめかす投稿をしたとして、Twitterで特定された、大帝ハウスの山縣泰介。
    しかし本人は、Twitterを使ってすらいなくて……。

    とても面白かった!

    本人の私物や自宅を使った写真。
    本人としか思えない発言。
    10年にわたるアカウントの運用。
    自宅Wi-Fiを使った投稿。

    「偽アカウントです」と事実を言っても、警察を納得させられるとは全く思えない状況が、恐ろしかった。

    ネットの炎上ぶりや、泰介の逃亡劇。
    怒涛の展開に最後まで引き込まれ、読了後は改めて読み返してしまう。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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