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どれも読み応えがあった。
読んでどうして表紙が毛糸なのかわかった。
震災から一年足らずの刊行。多くの作家がこんな大変なときに何を書くべきか悩み考え抜いたと思う。その結果滲み出した言葉も物語も真摯だった。かつ、それぞれのカラーが出ているのはさすがだった。
やさしい鎮魂の話、原発への静かな怒りを伝える作品。自分に跳ね返る怒り。そして未来への祈り。それでも人生は続いていくという希望の話があり、粛々と非日常な日常を続けていく話がある。舞台となった土地柄かな、現代の民話のような雰囲気のものもあって、また何十年後かに読み返して「あの時はこうだった」と意味を持ってくるアンソロジーじゃないかと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年12月1日
読了日 : 2021年12月1日
本棚登録日 : 2021年11月29日

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