- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061488984
感想・レビュー・書評
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本当に構造主義が初めて分かった。難しいことを分かりやすく書いている。
レヴィストロースがやりたかったのはそういうことなのね。
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基本的にはレヴィ・ストロースを説明することで構造主義を開設している。レヴィ・ストロースの悩みは人類学を機能主義的にすべて説明することが不可能だったこと。そこからソシュール(を学んだヤーコブソン)、モース、数学における構造主義からヒントを得て研究をした。
ソシュール言語学は「言語は差異のシステム」であり、そのため言語は恣意的であると言う。シニフィアンとシニフィエは恣意的に結びつけられているが、結びつきを解かれたとたんにどちらもなくなる。
モースはクラ交換を取り上げて「価値があるから交換する」のではなく、「交換するから価値がある」という発想の逆転を行った。この2人からレヴィ・ストロースは親族の基本構造の着想を得る。
さらに遠近法→射影幾何学→形式主義→<構造>と発展してきた数学から「神話素の置換群を調べることで神話の構造が見える」ということを発見?する。
又、ユークリッド幾何学の相対化などから、数学における真理が「制度」でしかなくなる。構造主義も同様にヨーロッパの知が相対的なものでしかないことを証明することになる。 -
[ 内容 ]
西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。
レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。
そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。
モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る!
[ 目次 ]
●『悲しき熱帯』の衝撃
●天才ソシュール
●レヴィ=ストロースのひらめき
●インセスト・タブーの謎
●親族の基本構造
●神話学と、テキストの解体
●構造主義のルーツは数学
●変換群と〈構造〉
●主体が消える
●構造主義に関わる人びと:ブックガイド風に
●これからどうする・傾向と対策
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
西欧文明中心の近代に終わりを告げ、現代思想に新しい地平を拓いた構造主義
まぁ小難しいことを言われてもよくわからないのがこの構造主義ってやつです
主にレヴィストロースについて書かれており、そこから構造主義とはどんなものなのかを解き明かそうとしている本です
哲学に関する本は一般に避けられるようなことが多いような気がしますがこの本は筆者の文章がテンポよく簡単に読み進めていける本だと思っています
人として尊敬される人って言うのは自分なりの哲学を持っており、そういう人っていろいろなものの見方を知っているような気がします
ぜひ構造主義にも足を踏み入れてみましょう -
未開の地におけるとっても驚くべき「構造」をレヴィストロースが発見、その考え方が他の学問にも応用できる構造主義へと発展した。『寝ながら学べる構造主義』は他の構造主義の代表者も紹介されていたが、こちらはブックガイド風にささっと紹介するにとどめている。こちらは構造主義の生い立ちを知るのに適していると思った。
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あと3回くらい読むと見えてきそう。ソシュールのくだりがわからん。
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構造主義の成立過程と、その内容について簡単にまとめられている。ただ親族の構造に関する説明が、わかりにくかった。大まかに掴むには良い。
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systemは構造主義を参考にしています。俯瞰的な視点を得るのにお勧めです。見識が広がります。
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構造主義、主にレヴィ=ストロースの仕事について紹介。(というかほぼこの人についての解説にページを割いてある)
先が気になって一気に読んでしまった。
読んで目からうろこです。
この考え方は結構色んなことに応用できる気がする。