スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765572

感想・レビュー・書評

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  • 感想は上巻

  • 何年経ってもこの本が1番好き。
    環とコウちゃんがたまらなく良い。

  • 読み始めたら止まらなかった。

    環の、コウキの、相手に対する優しさが、切ない。
    大事なもの、大事な人、があるってすごいな。生きてく力になる。

    人間って勝手だったり、偽善的だったり。ぶつかったり。誤解されたり、誤解したり。その全てが人間らしくて、愛おしい、と思える作品でした。
    人と思いっきりぶつかったりできる年齢が懐かしい(笑

    2020.8.22読了

    • kurumicookiesさん
      yitoyamaさん、
      読みたくて買ったものの、何となく後回しになっています。辻村さんの本って、読んでいくほどに最初の印象が変わっていきます...
      yitoyamaさん、
      読みたくて買ったものの、何となく後回しになっています。辻村さんの本って、読んでいくほどに最初の印象が変わっていきます。
      2020/12/02
    • yitoyaさん
      kurumicookiesさん
      辻村さんの本、私もまだ読んでないものがたくさんあります。登場人物がリンクしてたりするので、いつか全部読んでみ...
      kurumicookiesさん
      辻村さんの本、私もまだ読んでないものがたくさんあります。登場人物がリンクしてたりするので、いつか全部読んでみたい、と思ってます!
      2020/12/02
  • 最後「あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」この一言に全てが集約された。また、莉々亜に対する土下座は、彼女の真っ当なプライドの表れだと思う。徐々に読み進めていき、多くの伏線が回収される。環と光輝の関係性(接点)を理解できた瞬間、一気に視界が広がった。私としては、今後、2人は並行な関係性が継続すればといいなと思う、何故だろう?できれば対等なライバルであってほしいし、お互いが寄り添う感じで。辻村さんの本、毎回、深層心理を深くエグル感覚を体験しています。他の本も読む時には気合いが必要かも知れないですね。

  • 読み終えてしまった…あと数ページしか残ってない…この感情に至る作品にはなかなか巡りあえない
    そしてこれが辻村ワールドと思わせる人間味な思考の言語化と言うべきか特に狩野が公輝に打ち明けるシーンは繊細で丁寧に書かれてた印象を持った
    始めは狩野視点でどんな話なのかあまり掴めなくいろんな登場人物視点を見てく中で楽しみやこの話が何の物語なのかが分かっていくのが楽しくて、笑いと涙を繰り出されるラストだった
    少し分からなかった事も(can ableは流石に調べた)いつから知っていたのかの伏線が多くて2度読み絶対楽しめそう
    そして環、大好きだ‼︎‼︎

    好きなフレーズ引用
    何も聞こえない
    あの水は飲んではいけないのだ
    いいなこういう単純なメカニズムが自分の中にあるのって
    この方法で世界に関わりたいと望んでしまったから
    言いながら思う店長って誰だよ
    どんな風に形容してもまるで足りない

  • 後半にかけてどんどん物語が加速していって、伏線回収が凄まじく鳥肌たちました。

    チヨダ・コーキかっこよかった。

    何度も読み直したい素敵な物語でした。

  • 上巻は気になる終わり方だったが、下巻の序盤で止まってしまっていたものを上巻から再読。評価の高い本というイメージだったが、わたしには合わないのかな?と思っていたら…途中からもうページをめくる手が止まらなかった。個性豊かだけどもやっぱりみんな温かくて、人間味のある素敵な人たち。心温まる物語だった。上巻から引っかかっていた部分の怒涛の伏線回収があって、もう一度読み直したい。







    ★「ずるして手に入れた幸せは、長続きしたらいけないの。私はそんなの認めない」

    ★「小学校時代の彼らを恨みに思う代わりに、僕はそうやって僕と対等に接してきてくれた人たちに、人一倍感謝ができるようになった。僕はそういう自分を、それなりに誇りに思ってる」

    ★不幸に依存する人間は、誰かにその状態を見せるところまで含めてが、1つの儀式なのよ。

    ★「人間の運の良さって、最初からある程度決まってるんじゃないかなって思うんだ。」

    ★『人間は、「優しさ」か「強さ」か、そのどちらかを持っていなければ生きていくことなどできず、たいていはそのどちらか片方だけに目が行きがちだが、けれど人は意外とその両方を持ち合わせていると言う話。』

    ★人間の行動の真意なんて、所詮は受け取る側の気持ち1つによる。そしてそれはきっと、どれもがどれもそれぞれに正しい。

    ★私はずっと、いろんなものを守らなきゃって思って生きてきたけど、本当はずっと守られて、支えられていたんだってことを思い知る。

    ★かっこつけたいっていう考え方は、それを見ている誰かの目線なしにはありえない。

    ★「世界と繋がりたいなら、自分の力でそれを実現させなさい」

    ★挫折し、諦め、折り合いをつける事は、嘘をついて手に入れた幸せや楽しみよりきっと価値がある。

    ★「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」

    • さてさてさん
      よもぎもちさん、こんにちは!
      この作品、読了後時間が経ってしまったのですが、再読したい作品の筆頭です。お書きになられている通り、私もページ...
      よもぎもちさん、こんにちは!
      この作品、読了後時間が経ってしまったのですが、再読したい作品の筆頭です。お書きになられている通り、私もページをめくる手が止まらなくなりました。辻村さんの作品は他の作品の登場人物が色々なところで登場してトータルで読むと面白さがどんどん増していくと思いますが、この作品はその中でも要の一つですよね。幾つか抜き出されていらっしゃいますが、私はチヨダ・コーキの次の言葉に救われてきました。改めて素晴らしい作品だと思います。

      『いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく』。
      2022/05/17
    • よもぎもちさん
      さてさてさん、コメントありがとうございます!
      辻村さんの作品はやはり繋がっているんですねー!まだまだ読んでいなくて、すごろく順に読んでいく予...
      さてさてさん、コメントありがとうございます!
      辻村さんの作品はやはり繋がっているんですねー!まだまだ読んでいなくて、すごろく順に読んでいく予定です♪
      次の作品も楽しみに読みたいと思っています♪
      2022/05/17
    • さてさてさん
      よもぎもちさん、ありがとうございました。
      すごろく順、そうですね。たくさんありますが、とても読み応えのある読書だと思います。レビューを楽し...
      よもぎもちさん、ありがとうございました。
      すごろく順、そうですね。たくさんありますが、とても読み応えのある読書だと思います。レビューを楽しみにしています。
      今後ともよろしくお願いします。
      2022/05/17
  • 辻村さんは、なんて本を書くのだろう。
    今朝の通勤でこの上巻を読み終えて、今日中に下巻を読み終えた。読み終えた今、私はとても幸せな気持ちになっている。

    あまりに話に入り込みすぎて、この本の中と現実の境目がわからなくなっている。
    話に出てくるチヨダ・コーキの本を私も好きでいる錯覚になり、会社終わりに図書館によったついでに借りたいな、と本気で思ってびっくりした。小説の中の小説家なのに。
    家に帰って、こんな悲惨な事件があった、と家族に話そうになって気づいた。あの事件は小説の中で起きたことなのに。

    話の中に出てくる人物は、ひたむきに真剣に生きている。
    終わりの方の話は、嬉しく暖かい気持ちで読みながら、少し鼻の奥がツーンとした。
    どんな言葉を並べても、この本を読んでよかったという思いをうまく表現できないように思う。

  • 誰かを愛するってこんなに素敵なことだったかなと、ぼろぼろ泣けました。

    いつかまたもう一度上巻から読み直したい。

  • Audible読了
    うんうん、世間とかけ離れた唯一無二の愛。永遠性をにじませるラストにはうっとりした。怒涛の伏線回収もきれい。上巻では恋愛不感症を悟った私が、下巻でさらに叩きのめされた。がびーん、感じない。(表現)
    あーぁ、、やっぱり歳食ったんだなー。チクショウ。

    ──自分の力で世の中に関わろうとしろよ。
    そんな野太い叫び声を10代の私に送ってあげたい。赤川次郎さんとか水野良さんを読んで空想に耽ったあの頃に、こういう本も必要だったんだと思う。少し痛みを持ち合わせたような本が。

    ちょっと無敵感のある足長おじさんにも感じたけれど、そもそも足長おじさんって無敵だよね。タイガーマスクとか、VIVANTのベキとか。あぁっ。気づくとやっぱりおじさん目線で見てるわー。

    美しい物語に感じない冴えない中年が、若い足長おじさんにエールを送りながら読んだ。救われた娘の自立にも涙目になる。それはそれで、ありふれた唯一無二の愛なんだよね。

    これからクリエイターとして戦おうとする人たちにエールを。

  • 半期決算の月末と重なり、下巻を手にしてから読み終えるのに数日要してしまいました。

    まぁ、下巻を読みながら別の本を一冊読んでしまったのが原因でもありますが^^;

    いやいや、そう来たかぁ。

    正直、長いなぁ...と思いながら読んでいましたが、下巻の半分ぐらいから一気に来ましたね。

    そうかぁ...ふむふむ…

    なんか1人で納得しちゃいました。

    環とコーキの物語。

    過去を知ることで、今を知る。

    上手いなぁ。

    辻村深月さんの作品、まだまだ積読になってますが、次は何を読もうかな。



    説明
    内容紹介
    莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)


    莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。
    そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる
    。彼女は誰なのか。
    そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。
    内容(「BOOK」データベースより)
    莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に百二十八通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った一人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った一つの荷物が彼らの時間を動かし始める。
    著者について
    辻村 深月
    1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』(講談社文庫)で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。エンターテインメント界に現れた期待の新人として注目を集める。他の著書に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』(すべて講談社文庫)、『名前探しの放課後』『ロードムービー』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(すべて講談社)、『太陽の坐る場所』(文藝春秋)、『ふちなしのかがみ』(角川書店)がある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    辻村/深月
    1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』(講談社文庫)で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。エンターテインメント界に現れた期待の新人として注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • うーーーん……周囲の評判が良かったので期待して読んだけど、星3!!!


    上巻は全体像をふわっと描いて
    下巻は主に環とコウちゃんについて深掘りする
    という構成のように感じられた。
    そしてテーマは作家の努力や裏側や日常…ってところかなぁ。

    スロウハイツは、現代の「トキワ荘」。
    チヨダコーキはなんだか、現代でいうと米津玄師さん的な感じなのかなと想像しながら読んだ。
    自分のファンや、あるいは立場の弱い人に最大限の慈しみを与え、
    繊細で、才能に満ち溢れた、若者にとってのカリスマ的存在。
    (米津さんは幅広い年齢層に支持されているのでその点についてはチヨダコーキと異なる)

    気の強い環も、実は生まれつきの性格ではなかった。
    いろんな過去を乗り越えて生み出された今の環。

    下巻は伏線回収巻とされているが、回収されるのは下巻の後半になってから。
    だけど正直…ちょっと無理があるというか、うまく行きすぎるなあ…と、不自然に感じてしまった。
    あれもこれも興信所に頼りすぎ…笑
    そして、あまりに執念深すぎて引いてしまった……笑



    事件が起きたときに書かれた「天使ちゃん」の手紙の内容と
    環が莉々亜に創作について諭した言葉が
    印象に残った。
    「オリジナル」を生み出すのって本当に大変な作業。

    だけどファンからの手紙や反響は、
    作家にとってこれ以上ない励みになってるのだろうなと
    読んでて思った。

  • 下巻では、スーが正義と別れてスロウハイツを出ていき、そのスーが環と大喧嘩、結局ダメ彼氏と別れてスロウハイツに舞い戻る。コーキ作品を模倣した「ダークウェル」事件は、黒木の策略であるり、加々美莉々亜が「ダークウェル」のゴーストライターだったことが判明。その尻拭いで環が奔走するが、体調を崩してしまう。正義や狩野にも成功の兆しが見えはじめ、環が渡米を決意したことによってスロウハイツ住人もそれぞれ巣立ちの時期を迎える。

    次々と起こる出来事の中でも、特にコーキのことは他人事で居られなくなる環。第十章でその環の心の内が明らかとなる。チヨダコーキへの強い思いは、実は高校の時からの筋金入り。環の「私は彼に追いつきたい」、オスカーを手にしながら「私は、チヨダ・コーキを読んで、それを支えに生きてきました」と言いたい、という言葉に深い愛を感じた。環が仲間を募ってスロウハイツで共同生活を始めたのも、事件により帰る田舎を無くたコーキのためのプロジェクトだった。環自身は叶わぬ恋と諦めて行動を起こさないものの、スロウハイツの住人は皆環の気持ちが分かっている。恐らくコーキも。ただ、誠実でうぶなコーキは、環を幸せにする自信が無いためか環を温かく見守るスタンスを崩さないから、二人の関係はこれまで発展しなかった(もったいない)。

    最終章では、今度はコーキ目線で過去が語られる。コーキも、十年前に例の事件でどん底に落とされたとき、「コーキの天使ちゃん」の手紙に心を救われ、それが環だと知ると密かに心を強く惹かれていった。という訳で、上巻での伏線(パーティーでコーキが環と初めて会ったときに「お久しぶりです」と言ってしまったことや、高級ケーキ屋「ハイツ・オブ・オズ」のあり得ないコンビニ展開のくだり)はここでしっかり回収された。この辺は結構見え見えだったのだけれど、さすがに図書館のコーキ本や駅待合室のテレビまでとはねえ(予想以上でした)。とにかく先が気になってグイグイ引き込まれた。

    二人がゴールインするところまでは描かれていないが、ラストはもちろんハッピーエンド。こんなに相思相愛の二人がなかなかくっつかないって言うのも何だか切ないなあと思いつつも、種明かしの第十章・最終章では読んでいて鳥肌が立った。環、上巻では気の強い鼻持ちならない女というイメージだったが、一途ないい女だったんだなあ。

    下巻でも、ときどきスッと頭に入ってこない部分があって気になった。でもしっかり感動を味わえたから下巻は星5つ。

  • いい意味で裏切られました。
    途中までは、作家さんの物語にかける想いとか、信念みたいなお話しなのかと思っていたら…。

    自分の苦しい時に出会った人や作品、人生の中で出会うという意味。
    そして、運命があるのならば、再び出会いなおす。

    辻村さんの人を輝かせて書く力と、愛に、まさに「強さと優しさ」を感じました。

  • 外の世界と内の世界や他者と自己といった対峙する関係における在り方の難しさを、厳しさと優しさを持って描かれる辻村さんの物語には惹き込まれる。
    神様とか天使とか少し擽ったい存在にも、しっかり感動させられることに。

    明日のお昼は素麺にしようかな…
    海老フライは、ちょっと最近おなかにきちゃうので…

  • 現代版(小説の中の)トキワ荘「スロウハイツ」。自分の才能を信じ夢を追う人、才能を開花し始めた人、第一線で活躍する誰しも認める才能のあるチヨダ・コーキ。神様と天使もキーワード。

    上巻の伏線が、一気に全て回収される下巻。さすが辻村ワールド全開の展開です。怒涛の謎解きにページを遡って確認したりも忙しかった(^^; 語り手の狩野と環の関係が、もっと詳しく知りたかったなぁ。『凍りのくじら』の成長した芦川に会えて嬉しかった。

  • 好きな人のために生きている。
    好きな人がいたから生きた。
    決して、想いを伝えることはなく、
    遠くから、近くから、そっと見守ることしかできなかった。

    『スロウハイツの神様』(辻村深月)は、そんな不器用な人たちの恋のお話だ。


    大きな声で言いたい。
    お願いだから、上を読んだらすぐに下を読んで欲しい。
    上巻はこれといった大きなイベントもなく、展開もなく終わる。
    不満気に下を読んだらどうか。
    こりゃおどろいた、と散りばめてあった話が、一気に一つにまとまるのであります。
    下のスピード感は半端ないです。


    最後の、コーキの「お久しぶりです」。
    この言葉に、この物語の全部が詰まっているような気がしました。
    すごく感動した!


    何かに一途に打ち込むことって、私はこれまでなかったし、
    今後も縁が無いものだとおもってました。
    しかし、夢を追う彼らを見て、彼らがすごく格好よくって、
    すごく、羨ましい。
    彼らのように、追われるように、ひたむきに、
    頑張ることも悪くないなぁと思いました。



    それと、理帆子さんがでてきました。
    大人の理帆子さん、いい働きをしています。
    彼女は、もう、少し・不在じゃないのでしょう。

  • 下巻読了。最高に面白かった。上巻で散りばめられていた伏線のピースがハマっていく度にキャラクターの輪郭と深みが増していく。上巻では、少し冗長に感じられた登場人物のエピソードが、下巻ではもっと知りたいと変わっていた。ラストも納得の結末だった。『V.T.R.』も読みたい。最後に、上下巻読み終えて、以下の作中の台詞が印象に残った。公輝の台詞。

    「いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。」

    彼らに良い変化が起きて良かった。

  • 繊細な感情の動きの描写が素敵だなと感じました。
    上巻の伏線回収が楽しく、みんなの友情も優しく、ほっこりしました。

  • 伏線回収が素晴らしかった……、
    念入りに丁寧に読み進めていたつもりなのに、全く展開を読めなかった。なんて秀逸で美しい物語なの!

    作家や脚本家といったクリエイターに焦点を当てている以上メタ的な読み方もでき、辻村深月さんの描写の細さに息を巻いた。
    どの登場人物も愛おしいけれど、環と公輝に然るべき幸せな未来が見えて心から安堵した。みんな幸せになっていてほしい。

    ”怒りのモチベーションに、愛やユーモアが必要だということ“。環のこれを誰よりも理解しているのが公輝というのがもう、最高だ

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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