小学五年生 (文春文庫 し 38-8)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669089

感想・レビュー・書評

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  • 短編ですがどの物語にも引き込まれます。もしかすると重松さんの自叙伝では?と感じるくらいに情景がうかび小学五年生の自分はどうだったかなあと思い返しながら頁をめくりました。なかでも、バスに乗って、すねぽんさんは泣けました。

    • shukawabestさん
      小学五年生、僕が初めてクラスの仲良しグループに入ることができた年だったような。サンキューと初めて会ったのもこの頃だったかな。いつか読みます。...
      小学五年生、僕が初めてクラスの仲良しグループに入ることができた年だったような。サンキューと初めて会ったのもこの頃だったかな。いつか読みます。この作品。
      2022/05/26
    • shukawabestさん
      今、家にあったので読み終えました。なかなか赤裸々な心情が綴られていて、読みながら、小学五年生当時のような身の置き所のないような気分になりまし...
      今、家にあったので読み終えました。なかなか赤裸々な心情が綴られていて、読みながら、小学五年生当時のような身の置き所のないような気分になりました。良作だとは思います。
      2022/09/25
  • 2021年12月18日読了。

    娘が春から小学5年生になるので読んでみた。
    小学5年生の少年が主人公の短編集。
    女の子も出てくるかと思ってたのだけど、みんな少年だったこともあってか、小学5年生ってこんな感じだったかな?と自分の子どもの頃の感情を想像しながら(思い出せない!)読み進めた。
    5年生がどうだかはわからないけど、短いお話であっても感情移入できる心の機微を描くのがうまく、毎回主人公の少年たちの心が救われる様に親目線でホッとしたり、あたたかい気持ちになったりした。

    娘は鈍感力高めな様子だけど、すでに色々な感情の中で日々過ごしているだろうなと思う。
    これからおとずれる思春期で体験する色んなこと、色んな気持ち、たくさんあるだろうけど、心の支えになれるよういい距離感でそばにいられたらなぁと思う。

  • 小学校が一番人間関係難しい。

  • 重松さんは子供を描くことが本当に上手です。特に男の子。とても短いストーリーの主人公たちの経験することは学級委員の選挙だったり、バレンタインだったりと他愛ないものから身近な人の死や友達との別れだったりとシリアスな事まで様々ですが、読んでいて感じるのはやはり彼らのピュアさとしなやかな心です。こんな時が自分にもあったんだなと懐かしく思いました。

  • 何故この作者はこうも人間、特に子供の心情を描くことに長けているのでしょうか。まるで自分の「小学5年生」が蘇るようです。友との別れ、家族の死、異性を気にする気持ちなどを内面まで突っ込んで書いた作品です。なんだか懐かしくなりました。

  • どの断面も小学生たちへの愛おしさ、懐かしさ、ややこそばゆさ…を、めいっぱいに感じさせてくれる秀作。
    個人的に小学生時代転校を経験していたもので、なおさらしみじみと感じるものがありました。

    相変わらずの短編巧者ぶり。
    楽しませていただきました。

  • 話がたくさんあってややこしかった。

  • 葉桜
    色々動くが何も肝心なことは動かない。小さい時はそうだった。適切な動き方がわからないし、動ける範囲にも限界があった。

    おとうと
    …別にたいしたことないよ、もっときれいなの、いっぱいあるよ…オレ、知ってるから、今度アッくんに見せてやるから…

    友だちの友だち
    この設定なら、中編くらいで楽しめたかも。短編すぎて浸りきれない。死は重い

    カンダさん
    子どもから見えにくい大人の恋愛。カンダをカタカナにしてるとこに現れている。けど、破談の理由が赤裸々でそのムードが壊れた。中学生になって、次の彼氏にははまらなくて、カンダさんにも興醒めして、というのは思春期らしい。

    雨宿り
    ただでさえ短いのに場面が変わって忙しい。一個ずつ山場やオチがついてまとまる

    もこちん
    男子もバカだけど、ちょっとませた女子もまぁややこしい。あの全能感が男子にとっての黒歴史みたいに残るのだろうか。

    何小、フォーエバー
    気の毒。なんで最後いい感じに締まったのか謎。

    プラネタリウム
    こんな風にモヤモヤムラムラするのって男子だけなのかな。

    ケンタのたそがれ
    境遇には同情するが、問題行動ってこういう背景も大いにあるんだろうなぁ。母親を責められないが、子どもはこの境遇の苦しさから非行に走るんだなぁと感じられた。生活に満たされていたら、悪いことする暇がないんだな

    バスに乗って
    河野さんがなんか言ったら泣けてた。ありきたりだけどその方がよかったなぁ

    ライギョ
    ライギョは、釣れたんだろうか。障害は、まだ小学生の理解には及ばないところもある。障害よりもまず、人権意識を育てることが重要で最短。

    すねぼんさん
    シチュエーションがちょっと独特

    川湯にて
    これも独特。母の心情の深いところは子どもには見えない。でも浅いところは見えるのが切ない

    おこた
    独特


    委員選出の設定がうまくて、コンプレックスや見栄が綺麗に浮かぶ。こんな設定に遭遇したことはないけどすごい共感できる。自分もこんな小癪な子どもだった

    どきどき
    チョコが内心ほしい気持ちと滑っていく時間がテンポよく進んでいく。バカだと思ってたあいつが貰えて自分は…この世の終わり、自分はこれからもずっと…ってなるよね男の子

    タオル
    人が死ぬ、生きていくってことを実感するのは、葬式じゃなくてもっと違うタイミングであればいいと思わされた。

    あとがきより
    少しキャラを引き気味にして、小学5年生の少年が佇んでいる風景を描きたかった。いつの時代でも、どこの町でも、小学5年生のいる風景は、決して薔薇色に光り輝く時ばかりではないにしても、それでもやはり、かけがえのない美しさを持っていてほしいと願っているし、持っているはずたと信じてもいる。

    5年生、もしくはそれ以降の男子は悩みがいっぱい。境遇はそれぞれでも、悩み葛藤する場面はどれも共感できるものばかり。子どもにも勧めたいけど、男子にしかわからないかもしれないし、なんだか女子にはこの胸の内を悟られたくない。そして実際の5年生はこの情景や心情をどう受け取るだろう。過ぎ去ったからこそ、美しく感じられるのかもしれない。

  • 子どもに読ますためが、重松清さんは読ませるなー、と自分も読破。残念ながら子どもには響かなかったようですが…。
    「プラネタリウム」が良かった。ほのぼの系よりしみじみ系が多い短編集。

  • 小学五年生。
    私にとっても特別で色んなことが変化した
    年だったような気がする。

    この本を読んでいると私の中にもまだ
    小学5年生の自分がいるような気がして…。
    良い時間が過ごせたー♡

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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