イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観 (河出新書)
- 河出書房新社 (2019年11月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309631141
感想・レビュー・書評
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異文化とはわかり合えないから、ただ、理解はしようというメッセージは受け取れた。インターネットによってより先鋭的になるイスラム教徒。文化の違いで殺されたくはないが、文化の違いにより人の命や権利がここまで変わるのかと思うと、わかり合うことはおそらくできない。
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イスラム教の現状理解と対応を知るのに大変有用。原典へのアクセスが容易になれば自然と原理主義的になる。
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第3回(テーマフリー)
チャンプ本
音声リンク:https://www.dropbox.com/s/sqbr21g3mgy5vsi/4.5.mp3?dl=0 -
イスラム思想・古典イスラム法の文献研究者として、中東情勢やイスラムに関係する世界情勢の分析を行っている飯山氏の本です。
東南アジア、南アジアで自爆テロが頻発、ユーチューバー系自爆テロ、ヨーロッパの治安悪化、イスラム教による女性差別、LGBT差別など、イスラム法を客観的に分析し、それに基づいたイスラム教徒の価値観や行動様式を解説しています。
単純に日本人はアラブ人から嫌われてないので、アメリカの依頼で中東に自衛隊を派遣するのは反対という人もいますが、そもそもイスラム教では無神論者、無宗教者などは迫害対象で、アフリカや中東で日本人がテロに巻き込まれた理由は納得いくものでした。
殺害されたイランの組織の人間は他国でテロなり工作を行ってるのに、殺したアメリカが悪いという意味不明なコメントの識者はちょっとおかしいだろと思っていたので、説明は腑に落ちました。
同時にイスラム教がアジアや欧州でも投資・経済や政治に与える影響が大きくなっている点は今後の動向を注視しておいたほうがいいでしょう。 -
①イスラム教の教えを受け入れるには、シンパシー(同情)ではなく、エンパシー(異なる価値観を持つ他社の感情を理解すること)が必要。
②イスラム教徒は全員が来世の存在を信じている。
③グーグルの発展により、一般信徒はよりコーランやジハードと直接的に向き合うことができ、実践するようになった。
コーランは神の言葉であり、一字一句正しい。
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メディアで語られるイスラム教とは、ほぼ真逆のイスラム教が語られる。イスラム国を始めとする原理主義者らのジハードが何を意味するのか、事実がようやく理解できた。
現代世界を生きるのであれば、一度は読む価値はある。 -
『イスラムの論理』の延長といった内容。所々目新しい内容はあったが、個人的には同書一冊で十分だと感じた。
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東2法経図・6F開架:167A/I27i//K
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イスラムは、Googleによりコーランとハディース(膨大)を誰もが直接参照できるようになった。「聖書に帰れ」がグーテンベルクの出版改革から始まったように、イスラムは今まさに宗教改革真っ最中。異教者の僕が神に言えることはないが、今後も増え続け、揺れが続くであろう彼らとどうしていくのかは、肝に命じておく必要があるだろう。共生というのは口で言うほど簡単ではない。
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イスラム教の今がよく分かる本。インターネットの普及によってイスラム教のあり方も大きく変わってきています。事実の積み重ねにより明らかになるイスラム教の今がよく理解でき、日本人とは全く違う宗教観を持つイスラム教徒を少しでも理解する事で、最悪の事態は避けることが出来ると思いました。日本人の平和なお気持ちだけでは間違った対応をしてしまいがちです。知らないでは済まされない。必要なのはシンパシーではなくエンパシーだと強く思いました。とくに第7章「イスラム教徒と共生するために」は何度も読んで頭に叩きこんでおきたいなと思いました。今年一番面白かった本です。(2020年1月13日現在)