• Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591141663

作品紹介・あらすじ

30人の人気クリエイターが語る、とっておきの“私のおやつ"!

子どもの頃にいつもお母さんがつくってくれた懐かしいケーキ、自分で初めてつくったクッキー、友だちの家でごちそうになった不思議なおやつ、いちばんお気に入りのスイーツ、どんなに豪華なお菓子より魅力的だったアレ……30人の人気クリエイターが「おやつと言えばこれ! 」というとっておきを、それにまつわる思い出とともに語ります。
ポプラ社の小説誌「asta*」掲載の人気エッセイ30篇をまとめた、おいしい記憶がたっぷり味わえるエッセイ・アンソロジーです。

★執筆者一覧(50音順) あさのますみ/天野頌子/彩瀬まる/安東みきえ/伊藤たかみ/絲山秋子/犬童一心/内澤旬子/大崎梢/大島真寿美/加藤千恵/金原瑞人/壁井ユカコ/越谷オサム/中脇初枝/梨屋アリエ/仁木英之/原宏一/東直子/平松洋子/平山夢明/万城目学/益田ミリ/ ミムラ/宮下奈都/森まゆみ/森見登美彦/椰月美智子/山崎ナオコーラ/柚木麻子

感想・レビュー・書評

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  • それにしても『三時のおやつ』とは
    なんと甘美な響きなんだろう。

    生まれた時からコンビニがある今の若い人にはピンとこないだろうけど、
    僕が子供だった頃はまだ
    ご飯の時間以外に何かを食べるなんてすごく贅沢なことだった。
    (勿論お金持ちの家は普通に食べてただろうけど)

    幼い頃に両親を亡くし児童養護施設で育った僕には
    そんなおやつの記憶も数少ないんやけど、
    母親に唯一作ってもらったホットケーキと
    食パンの耳をカラッと揚げて砂糖をまぶした「カリッと揚げ耳パン」の味は
    今でもまだ舌が覚えている。

    あっ、あと施設で作ってもらったいちごやメロン味のフローズンデザートの「シャービック」と
    (知ってる人いる?)

    友達の家に行くと必ずおばさんが作ってくれた
    もやしとコーンたっぷりの
    「サッポロ一番味噌ラーメン」も忘れ難い美味さだったなぁ~。


    ということで本書は、
    伊藤たかみ、犬童一心、大崎梢、大島真寿美、加藤知恵、越谷オサム、東直子、宮下奈都、柚木麻子など
    三十人のクリエイターたちがおやつにまつわる思い出を語った、
    食いしん坊体質なアナタなら
    よだれタラタラな食エッセイ集。


    中でも面白かったエピソードを挙げると
    夜中の三時にお餅を揚げて塩で食べる「揚げおかき」を作って食べた絲山秋子さんの話。
    (しかも本人は記憶にないらしい笑)
    同じく絲山さんで笑ったのは、小学生時代、荷物用エレベーターを自ら作って木の上でバナナを食べていた話。
    木の上で誰にも邪魔されずに食べるバナナは笑いたくなるほど美味しいらしい(笑)

    あと、桃太郎世界を支配し動かしているものは明らかに吉備団子で、悪い鬼をやっつけたのは桃太郎ではなく吉備団子なのだと
    吉備団子最強説を力説する森見登美彦さんの話。
    吉備団子に似ているという奥様へのノロケ話は必読(笑)。

    さつま芋や煮干しなど昭和初期っぽい(笑)おやつ人生を歩いてきた女優のミムラさんが出会った、
    ぴょんぴょん飛び跳ねるくらい衝撃的な美味さのグミベアーの話や
    (必然性のないもののほうがおやつ感が強く、ご飯から遠いほうがよりおやつっぽいという考察には妙に納得)

    「おやつ、まだ~?」
    「あともう少し、三時になってから~」
    という親子のやりとりにほっこりし、
    塩トーストの衝撃に
    読んでる僕の喉までごくんと鳴った平松洋子さんの話。

    他にもタルトへの過剰な思いに爆笑必至の万城目学さんの話や
    母や妹に食べさせたくて大好きな給食のチョコクリームを食べずに持って帰る益田ミリさんの話にはちょっとウルウルしたし、
    僕自身東京に来て初めて食べた時はその美味さに感動すら覚えた、
    ペヤングソース焼きそばの隠された謎に迫る(笑)原宏一さんの話も面白かった。


    疲れを癒やし
    気分をリフレッシュさせてくれる
    おやつという存在。

    おやつを食べているとき、人は脳内幸福物質が分泌され
    誰も彼もが笑顔になれる。

    そして職場や学校で人間関係を円滑にするコミュニケーションツールとしても
    絶大なる力を発揮してくれる頼もしいヤツ。

    日本人の美意識からくる
    「おもてなしの心」は
    実は三時のおやつという習慣にも
    ひそやかに息づいているような気がします。

    表紙も可愛いのでインテリアにもなるし(笑)
    (どんなインテリアや!)
    一つのエピソードがサラッと読める長さなので
    通勤通学のお供にもピッタリだし、
    食エッセイ好きなら
    なおさら至福の時が過ごせる一冊ですよ(笑)

  • 30人のクリエイターによる、おやつエッセイ。子供の頃に食べた懐かしいおやつから、大人になって初めて食べたような物まで様々なおやつがエピソードと共に綴られている。中にはおやつ?と思うようなものもあるが、美味しいものの話は読んでいて本当ニヤニヤしてしまう。わかるわかる!とか、初めて聞いた!とかいちいちリアクション大きくしながら一気に読んでしまった。おやつの思い出って、なんだか幸せを感じてしまう。
    私の思い出のおやつってなんだろう?小さい頃のタマゴボーロ、ヒロタのシュークリーム、ピープ(シフォンケーキみたいな菓子パン?今でも時々食べます)、おばあちゃんが作ってくれたはったい粉(はったい粉の話も文中にあり。)、アメリカンドーナツ、パウンドケーキ、ゼリエースとプリンミクス、ツインクルチョコレート…思い出は尽きない。

  • うふっ。思わずにやけてしまうほどの、
    懐かしくておいしそうなおやつがてんこ盛りです。
    そして、この豪華な作家さんのラインナップ♪

    まず「サンボのとらバターで焼いたホットケーキ」は外せない。
    「サンタの長ぐつ」履いた!履いた!
    「吉備団子」初めてホンモノを見たときの感想…わかる~。
    だって桃太郎が犬、猿、雉を釣って(失礼)鬼を退治したパワーの源ですよ!
    おむすびのような大きいお団子を想像しちゃってたもの。

    定番のお菓子も、皆さん独特の食べ方のこだわりがあったりしてね。
    初めて聞くお菓子や、なかには「おやつなの?」と言いたくなるような思い出の味もあって楽しかったです。

    そんな私の思い出のおやつは、母の手作りのケーキ。
    そのなかでも一番好きだったのが「マドレーヌ」
    それもケーキ屋さんみたいにラッピングしてあってね。
    ランドセルをしょって学校から帰ってきて、ドアを開けた瞬間、
    母の焼くケーキの香りがしたときの、あのうれしかったこと!
    今と違って、製菓材料を揃えるのがそう簡単ではなかった時代。
    (生クリームは近所のケーキ屋さんから牛乳瓶で分けてもらっていたみたい)
    その頃住んでいた仙台のサトー商会(?)というお店に、
    よく母に連れられて行った記憶があります。

    偏食で、食の細い子供だった私が大喜びで食べるので、
    なんとかおやつででも栄養を摂らせようと、がんばってくれたんだと思います。
    こうして書きながら、今では自分一人で大きくなったみたいに、
    母に向かって生意気な口をきいてしまう自分を反省しきりです。

    なんだか自分の思い出のおやつ自慢みたいになってしまったけれど、
    誰もがおもわず「私の思い出のおやつはね~」って話したくなるような、
    至福の一冊だと思います♪

    • hongoh-遊民さん
      「児玉清さんのような方」?、それはとんでもない思い込み(笑)児玉氏の足元にも及ばない、本を読みのがただ好きな、しがない年金生活者です。これか...
      「児玉清さんのような方」?、それはとんでもない思い込み(笑)児玉氏の足元にも及ばない、本を読みのがただ好きな、しがない年金生活者です。これからもブクログに読んだ本の感想を載せるので、気が向いたら寄ってください。
      2015/06/23
    • 円軌道の外さん

      杜のうさこさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がないプロボクサーです。
      遅くなりましたがリ...

      杜のうさこさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がないプロボクサーです。
      遅くなりましたがリフォローありがとうございました(^o^)
      (あと、沢山の花丸ポチ押していただき感謝感激です!)

      それにしてもお腹が鳴りだすほど
      素敵なレビューですね!(笑)
      ケーキ屋さんみたいにラッピングしたお母さん手作りのマドレーヌのエピソードに
      ほっこり胸があたたかくなりました。

      僕もこの本、表紙の破壊力に
      まんまとヤラれ購入したんですが、かなり面白かったです。
      絲山秋子さんやモリミーやミムラさんや原宏一さんの話が好きでした。

      しかし、おやつって不思議ですよね。日本人なら誰しも一つくらいは思い出のおやつについて
      小一時間くらいは語れそうですもんね(笑)

      とりとめないことダラダラと書いてしまいましたが(汗)、
      杜のうさこさんの本棚を拝見したところ
      猫や料理やパンやお菓子など
      好きのツボも似ているみたいで
      嬉しくなってしまいました(笑)
      またオススメありましたら
      教えていただけると嬉しいです。

      ではでは、これからも末永くよろしくお願いします!

      コメントや花丸ポチいただければ
      必ずお返しに伺いますので
      こちらにもまた気軽に遊びに来てくださいね。
      (お返事は仕事の都合によってかなり遅くなったりもしますが、そこは御了承願います…汗)

      ではでは~(^^)
      2015/06/27
    • 杜のうさこさん
      円軌道の外さん、はじめまして!
      こんな拙いレビューを気に入って下さって、ありがとうございます!
      私も同じく、この表紙につられました~
      ...
      円軌道の外さん、はじめまして!
      こんな拙いレビューを気に入って下さって、ありがとうございます!
      私も同じく、この表紙につられました~
      美味しい本の誘惑には抗う術を持ちません(笑)

      そして、フォローと、たくさんの花丸をありがとうございます!
      (まるで、スターマインのプレゼントみたいに嬉しいです)

      実は、だいぶ前からこっそり本棚にはおじゃましてました。
      「うわぁ~好きなものがいっぱい!」って、わくわくしながら♪
      自分の大好きな本棚さんを見つけたときの感動は、円軌道の外さんならもちろんわかってくれますよね~。
      ですから、フォローしてくださったときには、嬉しくて嬉しくて~!!

      それにしても、円軌道の外さんは本当に楽しくてやさしくて温かい、素敵なレビューを書かれる方ですね~。

      でも、ひとつだけ困ったことがあります(笑)
      それは、レビューがあまりに面白くて、自分の本読みのペースが遅くなってしまうことです(^.^#)

      私もレビューするときは、なるべく素直な感想を書きたいと思っています。
      そのせいか、テンションMaxだったり、逆にとても感傷的になってしまったりで(汗)お恥ずかしいです。

      ブクログ始めてまだ半年足らず、レビューもコメントも、いまだにドキドキです。
      こんな素敵な出会いができて、本当に嬉しいです。
      こちらこそ、気軽に遊びに来て下さいね♪
      末永くよろしくお願いします!!
      おススメもぜひぜひです♪

      では、また、遊びにいきますね~!
      2015/06/28
  • おやつにまつわる思い出は誰でも持ってるかも。
    私は何だろう?小学校の時の給食のパンを持ち帰って、おじいちゃんと一緒に食べた事かな~

    本の中では東直子さんのパウンドケーキが、とっても作ってみたくなって印象に残りました。

  • 子どもの頃のおやつの時間を懐かしく思い出した。
    母が作ってくれたおはぎやパウンドケーキ、友だちとそろばん教室の帰りに寄る駄菓子屋さんで買った、ひも付きのいちご飴や、きなこ棒などなど、読んでいるうちに小学生の頃の記憶がひょっこり顔を出して、家の台所の匂いや、夕方の街の色までなぜだか思い出してしまった。
    こんなことまで思い出させてくれるなんて、おやつって、不思議な力を持ってるんだなぁ。

    30人それぞれのおやつが、それぞれのスタイルで紹介されているアンソロジー。読んだことがない作家さんにも出会えて楽しかった。
    伊藤たかみさん、原宏一さん もっと読んでみたくなった。
    柚木麻子さんの「煮りんごセラピー」、益田ミリさんの「チョコクリーム」好きな話でした。

  • あなたの特別なおやつって何でしたか。それに答えるかのようなエッセイ集。作家や俳優や映画監督など、形は違えども皆クリエイターの30名が語る各5頁。「あ」行の「井村屋のあんまん」から「ら」行の「ロバのパン屋さん」まで、中にはこじつけもいいとこの(笑)おやつの名前が並ぶ並ぶ。それぞれにイラストも付いていてほっこり。

    聞いたこともなかったおやつ、読んだことのなかった作家に興味を惹かれます。やはりいちばん好きだったのは、もともと大好きな作家、森見登美彦か。しかしどれも楽しい。

    私のスペシャルおやつも考えてみる。ゴーフル1袋3枚をひとりで食べてもいい状況のときは、バニラ、ストロベリー、チョコレートのどれで始めてどれで〆るかさんざん悩んだものでした。まんまるのゴーフルをそのままパリパリと食べられる幸せ。母が焼いてくれる三つ編みパンとかニンジンのパウンドケーキも大好きでした。冬になるとアラジンのストーブの上に網を置き、酒粕を焼いて砂糖を載せて食べるのも特別なおやつ。父のお土産には十三(じゅうそう)・喜八洲総本舗の、みたらし団子ではなく酒饅頭が頻繁に登場していましたし、思えばその頃から私の酒好きへの道は培われていたのかも。ねぇ、お父さんお母さん。

  • アンソロジーで短編を一作だけ読んだ作家さん、何冊も読んでいるけれど私生活は全く存じ上げない作家さん、お名前だけ存じ上げている方々…
    そんな皆さんの「おやつ」に対する思いがあふれている一冊。

    ああ、そういう子供時代を送ってきたのか、と、とても貴重な宝物を見せてもらった気がする。
    普段の作品からは想像もつかず、「ここだけ」なのかなという秘密感もあったり…
    年代が同じ方とは妙に共感したり。

    だいたい、みなさん、非常に思い入れを込めていらっしゃる。
    「おやつ」という言葉から、子供時代を振り返ったものも多く、タッチタイピングで文章を打ちながらも、視線は斜め45度上空をさまよい、魂は幼き頃に遊んでいるのではないか…という情景が目に浮かぶようだ。

    ちょっと可笑しかったのが、友達の家で食べたおやつがすごく印象に残っているのに、「友達の顔は覚えていない」と、口をそろえて書かれていること。
    あと、バタークリームのケーキは美味しくなかったね、という感想。

    バタークリームのケーキ、わたしはあれはあれで美味しかったと思いますが、その後生クリームのケーキを食べたらその美味しさに飛びあがりましたね、はい。

    柚木麻子さんの作品が一番よかった。完成度高い気がする。
    平松洋子さんは普段から食のエッセイが多いせいか、なんだか…。

    挿絵もとても可愛くて好きな絵柄だが、ちょっと間違い発見。
    筆者との年代差だろうか。

  • 一部作家さんじゃない方も入っているが、ほぼ作家さん達なので、やはり言葉のプロにかかると昔のおやつ及びその背景が俄然生き生きと蘇ってくる。
    文筆業の方達って、表現力だけでなく記憶力も素晴らしいのだなあ。

    内容としては、安っぽいおやつの方が、なんだか懐かしくて楽しい。
    各タイトルのおやつだけではなく、それぞれの本文に書かれているおやつの中にも懐かしいものがいっぱいあった。

    そういうわけで、自分がそんな年代だからなんだろうけれど、40〜50代の方が書いているおやつの方が魅力的で、大好きな万城目学氏はお若いから小洒落た「タルト」だったのが個人的に残念。

  • いろんな作家さんの三時のおやつの思い出。
    甘かったりしょっぱかったり、いろんな味と文章を楽しめまたした〜

    でも正直、アンソロジーって苦手かもしれない。
    当たり前だけど、作品ごとに作家さんが違うから文章の書き方も違う。
    ひとつの文章に慣れたころに違う書き方がはじまってしまうのが、ちょっと。
    一日一編とかなら違和感なく読めたのかな。

  • 色々なおやつがあって面白かったです、時代と共におやつの金額が変化するのも。個人的に加藤千恵氏のエッセイが心に残りました。

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